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次はどこに行こうか1

 そもそも当てのない旅ではあるけれど何の目的もなく適当に移動しているだけというのもつまらない。

 どこかに行くある程度の目的や目標があることで旅にも張り合いが出てくる。


 燃えている森の謎はフェニックスの力が原因で火の神物が理由ではなかったことが判明した。

 他にも候補はあるにはあるけれどしばらく暑かったり火に囲まれるような環境は遠慮したいかなとみんなの中でなった。


 しばらくは少しゆとりを持って旅をしようとなった。

 目的としては観光ぐらいがいい。


 後の目的としては食。

 リュードの考えとしては異世界に来ても前世での食べ物を追求することはありがちだと思っている。


 しかしリュードに食べ物の知識なんてない。

 普通に考えて一般消費者が作り方なんて知るわけないからそれが食べたいと思っても食べられないことの方が多い。


 その上神様だって神様パワーで作り出すのではなく信者に作らせるという方法で饅頭を再現していたことを考えるにご都合主義的に生み出せるものでもなさそうだ。

 シャワーやお風呂などは力技で再現したがやはり食べ物は厳しいところがある。


 しかしこうして旅をしながら見て回るとリュードも気づいた。

 意外と食べ物に関しても似たところがあると。


 全く異なるものも多いが前の世界に近いものも探してみると存在している。

 饅頭が再現出来たのだから他のものもある可能性がある。


 そこでやはり思うのは前の世界で食べていたもの、調味料などが食べたいというところであった。

 あるかどうかは分からないが観光しながら探すだけ探してみようと思っていた。


 いろんな国の食文化を調べてみても面白いかもしれない。

 そう思ってお店に行ったりする度に食べ物について話を聞いて回ったりした。


「ということで獣人族の国に向かいます!」


「何がということなのよ?」


 そうして話を色々聞いてみると面白いものも聞ける。

 危ない話や噂話では時として人の口が重くなることもあるけれど食べ物について聞きたいと言って重く捉える人は少ない。


 軽く楽しくみんな話してくれるのだ。

 基本的にはどこの店が美味いだの地元の名産の話だけど遠く離れたところの珍しい料理なんかの話を聞けたりもすることがある。


「とりあえず強い目標もないし観光と美味いものが目的で、ついでに冒険者としてのランクを上げるつもりだ」


「うまいものー!」


 とりあえずで旅してきたけどここで明確に打ち出された旅の目標にみんなは驚いていた。

 コユキだけは美味しいものが目的も聞いてキャッキャッしている。


 リュードたちが裕福な上にルフォンも料理が上手い。

 コユキはそこいらの貴族に比べればよほど良いものを食べている可能性すらある。


「……大冒険とかするんじゃないの?」


「ははっ、意外と可愛いところあるんだな。


 んな大冒険なんて…………そうないって」


 一瞬これまでの旅を思い返してみると結構大冒険していないこともないなと思ってしまった。

 ただ大冒険ってやつもあんまり自分から首を突っ込んでいったものより巻き込まれたようなものだ。


 大冒険がしたいと言ってもそう簡単に大冒険はできない。


「う、うるさい!」


 しかしそんな風に言われると夢見る少女のようで恥ずかしくなってテユノが顔を赤くする。

 だけど夢見る少女でもそんなに遠くない。


 ざっくりと言ってしまえばリュードたちに憧れて旅に出たようなものでそんなに強い目的があった旅でもない。

 経験も積みながらかっこいい活躍をすることを期待していたのはあながち否定できることでもなかった。


 つまり実はしっかりしてそうに見えてテユノはフワッとした目的で旅したりしていた。

 なんとなくリュードを驚かせたり置いていったことを後悔させるぐらいに活躍したりしたいとは思っていたけど。


 リュードが言った観光や美味いものって言う目標も大概フワッとしたものだけどテユノよりはちゃんとしている。


「当面は冒険者ランク上げだな。


 後々役に立つし、行動範囲も広がる」


 今のみんなの実力なら強い魔物が相手でも問題なく依頼をこなせる。

 旅をして観光して美味いものを食べながらもその地域の冒険者の依頼を食い潰しすぎないように依頼をこなしていくつもりだった。


 ランクが上がればテユノの望む大冒険にも巡り合える可能性が高まる。

 これまでランクを上げる必要性を感じなくて適当に依頼をこなしたりしていた。


 ウィドウというプラチナランクの冒険者と出会い、頼られる強い冒険者の心強さを学んだ。

 そしてシギサの事件で冒険者ギルドにもお世話になった。


 個人では力及ばぬ相手でも組織の力があれば対抗しうることもある。

 ランクを上げて冒険者ギルドの信頼を得ておくことも必要だと思った。


「あとは竜人族に布教もしなきゃいけないしな」


「布教?


 あんたいつ宗教に入ったのよ?」


「宗教を信じているってのとはちょっと違うんだけどさ」


 リュードはテユノならいいだろうとシュバルリュイードのことをざっくりと説明した。

 ある時神託があってシュバルリュイードが竜人族の神様になって、布教することをお願いされたということにした。

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