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竜人族を探せ1

 銀の札の上での身分としてはリュードは聖騎士となる。

 聖騎士は教会所属の騎士であり何も神聖力を持つ人だけがなれるものではない。


 教会で働く人にも神聖力を持たない人が多くいて、聖騎士も神聖力を持たない聖騎士がいる。

 聖騎士ならば武器を持っていてもおかしくない。


 そしてルフォンとラストも同様に聖騎士でコユキは聖職者となる。

 流石に聖者では目立ってしまうので聖職者ということにして、リュードたちはその聖職者を護衛する聖騎士ということである。


 聖職者っぽい白い地味なローブを着る。

 こうすることで銀の札も見やすくなる。


 ウルギア国内に入った。

 奴隷の取引が合法というだけで国内の一般的な都市は他の国と見た目城は大きく変わらない。


 一般の国民は国によって保護されているので生活の容態としては特別なこともない。

 そして実は奴隷も見える人波の中にはいるのだけど分からないというところもある。


 あまりに奴隷が溶け込んでいる国なのでおよそ他国で言う奴隷というよりも安く使える労働力な側面も大きい。

 しかし労働力を欲するのは店をやっている人ぐらいで普通に生活する人には奴隷も必要ない。


 そこらへんに奴隷をほっぽりだしてもいけないので奴隷も結局コストはかかる。

 なので人を雇うのも奴隷を買って働かせるのもそんなにコスト的に劇的な違いはない。


 ということで奴隷身分の人も意外と一般人より少し劣るぐらいの生活レベルで生活しているのがこのウルギアであった。

 これは平民レベルの話であって貴族階級に買われた奴隷となると貴族の扱いによって両極端に分かれる。


 酷いか、天国のような場所かだ。

 しかも労働力となる奴隷に限った話で性的なことをさせられる奴隷ではまた話も変わってくる。


 少しだけウルギアのことを見直しかけたが普通に見えるだけの一面にほだされてはいけない。

 一度ウルギアにある教会を目指したリュードたち。


 銀の札の感謝とあとは情報が欲しかった。

 事前に伝えていてくれたらしくてウルギアの教会で話も早かった。


 奴隷に関しての情報が欲しいならカッチェートに行けばいいと言われた。

 なのでウルギアの第2の都市であるカッチェートに向かうことにした。


 なぜカッチェートなのか。

 言わずもがなカッチェートは大規模な奴隷市場がある都市である。


 奴隷市場があるがためにウルギアの中でも首都に次ぐ第2の都市となったのである。

 このカッチェートまで来ると周りの様子は変わってくる。


 これまでの町では奴隷はあまり目立ちにくい感じで町に溶け込んでいたのだけれどカッチェートまで来ると明らかに奴隷と分かる人も町中に多くなる。

 ただ奴隷も重たい雰囲気ではない。


 あまりにも奴隷が多いので安いお手伝いさんぐらいの人も多いのだ。

 完全に町の人の感覚は麻痺しているがそれを正すことなんて大それたことはリュードには出来ない。


 危ういバランスの上に成り立っているけれどそれなりの歴史の上にも成り立っているのだ。

 面白いのはただルール無用で一生奴隷ということもない。


 奴隷である期間は奴隷ごとに定められていてその期間が過ぎると解放されるのである。

 これだけは基本的にみんな守るルール。


 奴隷は自由になる夢を見て頑張るし、買った人は安くて若い奴隷を常に買うことができる。

 他にも色々と不思議な制度みたいなものもあるが理解が難しいものが多い。


 奴隷を維持するための習慣や制度なのでリュードが受け入れ難いことがあっても然るべきこと。

 ここにおいては魔人族丸出しでは悪目立ちする。


 リュードやルフォン、コユキは深くフードをかぶってミミやツノを隠す。

 こういう時に泊まるのは高い宿。


 セキュリティも高いし宿の人が持っている情報の質も高い。


「奴隷市場……ふーん、お客様もお好きですね」


 奴隷市場みたいなもののことを聞きたいなら冒険者ギルドに行ってもいいけど意外と宿の人に聞くのもいい。

 教会関係者が奴隷市場について聞くとおかしいので銀の札は付けずにリュードだけで聞きに行く。


 宿の人は奴隷市場について聞きにきたリュードを見てニヤリと笑う。

 入ってきた時にルフォンやラストと言った美人を連れているところを見ている。


 その上若い顔のいい男性が奴隷市場を探している。

 相当好きものだなと宿の人は思った。


 あんな美人を引き連れて満足しないものかと舌打ちしたい気持ちもあるが奴隷の売買は国を富ませてくれるのでもちろん奴隷市場について教えることもやぶさかではない。

 リュードは宿の人の目つきを見てちゃっかりしてると感じた。


 懐から硬貨を取り出して指で弾いて渡す。


「どのような奴隷をお探しかわかりませんがおすすめは……」


 宿の人は奴隷市場をいくつか教えてくれた。

 どうやら1つの巨大な市場があるのではなくて複数の奴隷市場があってそれぞれ縄張り争いのような形で存在しているらしい。


 奴隷市場によっては取引されている奴隷の特色も異なっている。

 中には男専門の奴隷市場なんてものまである。


 ただ宿の人の見立てではリュードが求めているのは女性。

 若い女性を多く扱っている奴隷市場をメインに教えてくれた。

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― 新着の感想 ―
[一言] シュバルリュイードが竜人の神様なら神託で教えてくれたら楽なんだけどな。
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