増える尻尾6
ただし闇魔法はやや特殊で独学での習得が難しく才能もなきゃ扱うことができない魔法属性である。
それゆえに扱える人も少ない。
雷属性みたいに受け継ぐ人がいないのではなく脈々と受け継がられてきた属性ではあるので一定数の使える人はいる。
その1人がウィドウであった。
リュードも男子なので多少の憧れはあった。
希少性に加えて闇を操るなんてカッコいいなんて思っていた時期もあるので使ってみたいと思ったのだけど村に闇属性を扱える人はいなかった。
文献も少なく独学習得はできないので諦めた属性だった。
特殊な効果を発動することもできる闇魔法。
白キツネの影に刺さった闇魔法は白キツネをその場に拘束していた。
そして消えたウィドウは闇魔法で影へと瞬間移動していたのである。
ウィドウをプラチナランクたらしめるのがこの闇魔法だった。
「す……すごいですね!」
「ほっ?」
「どうやってやっているんですか!
1番簡単な闇魔法でも自分1人では難しくて……」
珍しく興奮した様子のリュード。
諦めた過去があるために闇魔法に関して聞ける人がいることにテンションが上がっている。
魔法に関して少々オタク気質なところもある。
知りたいことがあると聞かずにはいられなかったのでヴェルデガーを一日中質問攻めにしたこともあった。
「はっ!
す、すいません。
人に教えられるものじゃないですよね……」
「いやいや、構わんさ。
中には一子相伝何ていう使い手もいるが使える人がいるなら教えるものだ。
難しいから人を選ぶというだけの話。
今はあれだが後で時間があれば教えることもやぶさかではないぞ」
「ほ、本当ですか!」
「はははっ、なんだかこれまでで1番嬉しそうな顔をしているな!
私としては優秀なものが闇魔法を使ってくれる方がいい。
無理なら諦めればいい話だ」
「うわー、ありがとうございます!」
「熱意があるなら誰でも歓迎だ。
リュードならもちろん。
才能もありそうだ」
むしろ闇魔法を使う人は闇魔法の使い手を増やしたいとすら思っているものも多い。
習得難易度が高くて挫折した人も多くて良くない噂も流されることもあるので自然と教える人を厳選してしまうのだ。
「あんなリュード初めて見た」
「意外と熱くなりやすいんだよ、リューちゃん」
魔法に関することだけじゃない。
剣に関しても何かが掴めそうなら納得がいくまでトコトンやった。
ウォーケックが休ませてくれと懇願するほど付き合わせたこともある。
外に出てからは割と冷静に見えているかもしれないけど疑問は解消して、知りたいことはちゃんと調べたい人なのであった。
「まずはここを攻略して神物を見つけることだな」
闇魔法に夢を抱くような年ではないけれど憧れはある。
魔人化した時も黒い見た目でもあるし闇魔法のなじみは良さそうだとずっと思っていた。
もちろん他の魔法も使えることは戦いの幅を広げてくれることになる。
「さてと、じゃあより気を引き締めて進んでいこうか」
攻略する理由も増えた。
リュードはよりやる気に満ち溢れていた。
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