表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
306/469

共に生きる4

 なのでハチの頬にはルフォンの肉球の跡がついていたのだ。


「いい、命だけはお助けを!」


 事の次第を全てリュードに話されてしまった。

 結果的にルフォンに敗北したハチはルフォンにも逆らえなくなってただ全てバラされるのを黙って聞いているしかなかった。


 リュードの足にしがみついて命乞いするハチ。

 なんとか笑顔で乗り切ろうとしているハチを見て、こんな魔物のせいでドワガルが大騒ぎになっていたのかと思うと情けなくなってくる思いがする。


「そうだな、お前の処遇はルフォンに任せることにするよ」


 ルフォンも勝ったならルフォンにも従わなきゃいけない。

 ここまできて殺す気はリュードにないけどルフォンがそうしたいなら止めるようなつもりもなかった。


「どうするかはルフォン次第だけどもう2度とこんなことはするなよ?」


 実際のところ酒で深く寝ている間のことなので実感がなく、怒りもそんなにわかない。

 殺そうとしたっていうなら話は別だけど性的に襲われかけたというのは何ともことを荒げるには難しいラインの話だ。


 ルフォンの方が怒ってくれているのでそれも怒りにくい理由である。


「どうする?」


 リュードはルフォンに視線を向ける。

 寝起きで殺生はしたくないけどやり過ぎたことをしたのはハチだ。


「もう2度としないって約束するなら許してあげる」


 ちょっとだけむくれて言うルフォン。

 殺すつもりならハチはとっくに死んでいるだろうし、手加減して肉球の跡で済ませたなら殺さないと分かってはいた。


「ほほ、本当ですか!


 もちろん、勝手に子種を頂くことは2度と致しません!」


「これでこの話は終わりだ。


 ……優しいなルフォンは」


 リュードはむくれた顔をするルフォンの頭を優しく撫でてやる。


「守ってくれたんだろ?


 ありがとう」


 守られたのは貞操。

 そんな大切に守っておくもんじゃないかもしれないけど寝ている間に奪われるのはリュードも勘弁したい。


 人生はゆるく生きたいけどそこらへんをゆるくいくつもりもない。


「えへへっ……えいっ、じゃあこれぐらいはいいかな?」


 ルフォンがリュードの腕に抱きつく。

 自分も子種は欲しいとは流石に言えないけど密着するぐらいなら許されるだろう。


「あんたはダメ!」


「ふええ〜」


 こっそりとルフォンが抱きついたのと逆の腕に手を伸ばしていたハチ。

 酒が入って吐いてしまったとはいえ、そのまま勝負を続けていても勝てなかったことはハチにも分かる。


 負けを認められなければ死ぬまで戦うことになる。

 だからハチは負けを認めざるを得ない。


 伸ばした手をさっと戻して、ハチは羨ましそうにルフォンを見ていた。

最後まで読んでいただきましてありがとうございます!


もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、

ブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


評価ポイントをいただけるととても喜びます。


頂けた分だけ作品で返せるように努力して頑張りたいと思います。


これからもどうぞよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ