チートがなくても気合いとノリで生き残る
「そうだ転生しよう」
思い立ったが吉日なのか知らないが、無意識に口にしていた。
新卒社員として大手企業に入ったは良いものの持ち前の根性なしスキルが発動して、見切り発車で退職すること早3ヶ月が経過していた。
「そもそもスキルなしで生きてきた人間が転職できるわけがなかったわ、普通に詰んだなこれ」
メールボックスに届くお祈りの山を見る度に心が荒み、自分自身の目が濁るのがわかる。
「多分デバフとバットステータスの山だろ今の俺、自分のステータス見てみたいは」
おそらくユニークスキル『根性なし』と『怠け者』は最強のデバフ効果をもたらしているだろう。
「てか、普通に考えて転職エージェントはあるのに転生エージェントがないのおかしいやろ、グーグル先生に不可能はないからググればあるはず、いやなければこの世の中は間違ってる」
どうやら連日のお祈りの効果かバットステータス現実逃避にかかってしまったようで知能指数はストップ安を連日更新グーグル先生に転生エージェントおすすめとありもしないおすすめを問うレベルにまで落ちぶれてしまったようだ。
しかし意外なことに結構な件数がヒットする。
ジョークサイトとしては確かに面白い発想だしそりゃそうかと今思えば気がつくものだが、この時の俺はウォール街も真っ青な知能の大暴落を更新していたため、
本当に恥ずかしい話なんですが、
「マジかよ」
信じてしまいましたよね笑
まぁ神をもすがるって言葉もあるくらいだし、なんなら祈られすぎて最早祈りの対象である神と言っても差し支えがない状態でしたからね仕方ないですよね、はい。
そしてそのジョークサイトがまた腹立つことに丁寧な仕様だったんですよこれが、文化レベルとかの希望とか事細かく記載させてくるし転生対象は人間以外でも許容できますかとか細かく確認してくるわけですよ、これは信じても仕方ない。
ただ本当に悪質だったのが最後の一文でして、
こう書かれてました、
『おめでとうございます、貴方は晴れて内定が出ましたので現職である現世を退職され次第勤務開始となります』
普通に考えたら、あー死んだあとの話だけど内定ワロタ、拙者来世では勇者になるでござるとかそう言うレベルのジョークなんですよね。
ただ本当に、あー多分寝不足でした、多分二週間くらい寝てなかった、そうに違いない!
まぁ周りくどくて申し訳ないですが、結論から申し上げますと。
早瀬 健一 26歳無職 享年26歳が爆誕してしまいましたとさ!