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まあ少し時を遡らせていただきたい。
私はごくごく普通の日本に暮らす少女だったはずだ、ちょっと忘れてることもあるけど気にしないで行こうと思う。たしか、私の最後の記憶にあるのは病院だから、病気か怪我で死んじゃったんだろうなぁ。痛かったのかなぁ…我ながら壮絶な人生っ!幸せであったことを祈ります。
そしてさっき、唐突に私はこの前世の記憶を思い出したわけです、はい。猪突猛進って感じで謝りに行ったのはいいけどそんな都合よく行くわけないですよねぇ…だって昨日まで、いや記憶が戻る前まで男誑しまくってたもんな、私。
記憶が戻る前のことを思い出してみよう。嫌なことでしかないけど、これは義務であると思おう、よし。頑張れ私。
そう、あれは1年前…
「やぁ、私の可愛い娘!♡君を迎えに来たよリーリス。」
「え?」
「今まで迎えに来て上げられなくてごめんねぇ?お詫びと言ってはなんだけど、プレゼントを沢山あげるよ!これとかオススメだよ、いい香りがする香水…かわいいだろう?」
「これを…私にくれるの…?」
「あぁ!もちろん。だってリーリスは私の可愛い娘だからねぇ」
あぁぁぁぁぁぁぁ思い出しちゃったよどうすんだよ!!
今考えると鳥肌が立つ、あんな男になんで着いてったんだかなぁ…まあ私孤児院にいたから家族に…いや本当の愛?っていうのに飢えてたんだよなぁ。記憶取り戻す前の私かわいそすぎっ!!けど、まあここからだよね私が同情できなくなるのは…
「リーリスはこの国で1番、いや世界で1番かわいいんだよぉ?」
「ほんとぉに!?私かわいいのぉ?」
「あぁ、だからリーリスのことを悪く言うやつはリーリスに嫉妬しているんだよ」
「えぇ私可愛いから嫉妬?されちゃうのぉ?」
「けどそれは仕方ないことなんだ、リーリスは自分の好きなように生きていいんだからね」
「はい!お父様!じゃあね、じゃぁね、私プレゼントがいっぱい欲しいのぉ!リボンと宝石でしょ?あとはねぇ…」
はいはい。かわいいかわいいっと…まあ確かにそこまで悪い見た目はしてないと思うけどさぁ…すぐにその気にされられちゃってんだよなぁ私…この後からどんどん悪化して、確かこの1年で30人ぐらい使用人の人辞めさせちゃった気がする…
幸い私は謝るのは得意である。
私はいつか謝りに行こうと心に決めたのであった…