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3話 ハイエルフ

目を閉じててもわかる明るさ。

でも決して眩しいわけでなくただただ白くなって行く。

そして自分の身体が徐々に小さくなっていく感覚。


手のひらに乗るほどの小さな光の玉になった久喜子は

マイアの胸にスーッと入っていく。

そしてマイアは玉の入った胸辺りを手で押さえ、言葉を紡ぐ(つむぐ)


「清らかで強き魂よ、我が身体を使い今一度再生せよ。」


マイアの身体からもう一体別の身体がスライドして出てくる。

それは人の形をしているが真っ白く発光している。

それから徐々に光は弱まっていき段々と身体と顔の輪郭が見えてきた。

銀色の長い髪、耳も長く身体はスリムだがとても女性らしいスタイル。


光が完全に消えるとそこには息を飲むほどの美しい女性が立っていた。

久喜子に歩み寄り頬にキスをするマイア。

「おかえり、おめでとう。」


マイアの言葉が聞こえて目を開ける久喜子。


「終わり・・・ですか?」


「はい、終わりましたよ。」


久喜子は目をパチパチさせ自分の手や脚、身体を見て首を傾げる?


「母様、何だか不思議な感じです。」


「すぐに慣れると思いますよ。

そうそう、私の管理する世界は大きく分けると人種、亜人種、魔族種、精霊種が居て久喜子は

その中で一番数が少ないけど魔力量が一番多い精霊種のハイエルフにしました。」


「子供達がゲームの話しをしていた時そんな種族名聞いたことあります。

確か耳が長くて、とても長命なのだとか。」


「そうね、エルフは大体300年位かしら、でも久喜子のハイエルフは特別で

少なくとも1000年はあるわ。」


「1000年ですか?それは生きることに疲れてしまわないかしら」


「ふふふ、大丈夫よその辺の精神の磨耗には強いわ。人間が100年生きるのと

感覚は変わらないわよ。まぁ、人付き合いに疲れたら森の奥に引き篭もって

暫く過ごすと良いわ。」


「クスッ、わかりました。」


「あと、再構築する時に向こうの言葉や習慣、魔法の使い方なども記憶させておいたから安心してね。それと向こうの世界にもまれに持つものがいるアイテムボックスも付けたわ。ただし

し貴女のは無制限で入り時間停止もするものだけど。お金も暫く生活出来るくらいは入れておいたから遠慮せずに使ってね。」


「母様、ありがとうございます。」


「そうだわ、武器も渡さないとね。」


「武器・・・ですか?」


「ええ、久喜子が前いた世界程治安は良くないし、街の外には魔物も居るのよ。

再構築する時久喜子の記憶が流れ込んで気がついたけど、確か薙刀(なぎなた)をやってた

みたいですね。」


「はい、子供の頃から保母になるまでみっちりやってました。」


「それなら片手剣や棍などより薙刀の方がいいわね。ちょっと待ってねとっておきの

を作るわ。」


マイアがそう言うと自身の人差し指を軽く噛んで血らしきものが流れると

それが光り銀色の薙刀が出来た。それを取ると久喜子に渡す。


「その薙刀はね魔力を流すと柄の長さを変えられるわ。普段は片手剣くらいの

長さにして腰に装備しておくと楽よ。短くすると短剣位、長くすると際限なく

伸ばせるけど振れないからそこまで長くする事ないわね。」


「クスッ、はい、気をつけます。」


「ではそろそろ送ろうかしら。貴女が行く世界はマイアベルクという世界よ、そこの

ウェールシア王国に送るわね、そこなら治安は良い方だから。

でもくれぐれも注意するのよ、貴女が以前いた世界の様に優しい人ばかりではないわ。

悪意や殺意をもって近づいてくる人もいます、その時には躊躇わず(ためわらず)

私が授けた力を使いなさい。」


「はい、母様。」


「それでは最後に貴女の新しい名前を授けます。

貴女はこれから


エイリア・マイア・フェルゼッティ


として新たな生を過ごしてください。」


「ありがとうございます、行ってきます。」


「いってらっしゃい、そして私の世界も愛してください。」


そう言うとエイリアの足元に魔法陣が現れ、身体が光りだすと

徐々に消えていった。


「どうか・・・どうか幸せな生を。



私のあなた。」



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