10話 初めての換金
森の中のレイリア。
「薬草も結構採れたし、オマケもそこそこ狩れたからそろそろ帰ろうかな。」
と言うと、行きとは違い帰りは飛翔魔法で帰ってみる事にした。
目を瞑り集中すると足元が少し光り、身体が浮き上がる。
森の木の頂上位まで上がると遠くに白い街壁が見える。
「帰って素材の換金して何かおいしもの食べよっと。」
と、レイリアはノービレの街へ向かって飛んで行った。
門の近くで地面に降り立ち、門兵にギルドカードを見せて門をくくっていく。
その間門兵は目が点のまま固まっていた。
ギルドに着くと受付のレイラが
「あら?何か忘れものですか?」と聞いてくる。
レイリアがギルドを出てからまだ3時間くらいしか経っていないから、向かっている途中で
何か忘れ物に気が付いて戻ってきたと思ったのだ。
「あ、レイラさん薬草の換金お願いします。あと魔獣も何匹か狩ったからその換金も。」
と、笑顔で言うとレイラは「へ?」と1音高い声で返事した。
「え?だってさっき出かけたばかりですよね?え?もう?」
「うん。えーっとこれが薬草で・・・」と腰に付いている小さいポシェットから一束10本の薬草
10束を取り出した。
本当は空間から出せるのだが、スキルでのアイテムボックスを習得している人は滅多にいないので
ポシェットをアイテムボックスの魔道具っぽく見せているのだ。
「あと、ブラッドベアーが4匹、森猪が5匹・・・」と言いながら
カウンターに首のないブラッドベアーを置いた。
そこでレイラが「ちょ・ちょ・ちょっとストップ、レイリアさん!」
と言うとキョトンとした顔のレイリア。
「魔獣を受け付けのカウンターに置かないでください。ここは薬草などにしてください。」
と言うと
「あ、ごめんごめん。魔獣はどうしたらいいの?」
「それは奥の解体場でお願いします。あと解体は費用が掛かります、それと買い取って欲しい部位を担当者に言って下さい。」
「わかった、ありがとう。とりあえず薬草の方お願い。」
「はぁ~・・・わかりました。じゃぁ見させてもらいますね。ふむふむ・・・おぉ・・・レイリアさん
凄く丁寧に収穫してくれてますね、ありがとうございます。薬草は回復薬で常に必要なのですが
みんな雑に取ってくる人が多いんです。これなら銀貨1枚出します、よろしいですか?」
「うん、いいよ。ありがとう。買い物する時めんどいから小銀貨10枚で貰えるかな。」
とレイリアが言うとレイラは小銀貨10枚を渡した。
「また薬草見つけたらよろしくお願いします。」
「はーい、じゃぁ奥で魔獣たちの換金行ってくるね。」
手をひらひらさせながら奥の解体場へ行くレリア。
「すいませーん、魔獣の換金お願いします。」
と言うと、奥から「あいよ~」と返事がして日焼けで浅黒い男性がやってきた。
「おう、嬢ちゃん何を持ってきたんだい?」と聞くと
「え~っとブラッドベアーが4匹と森猪を5匹です。」と言いながら
アイテムボックスから次々と解体台におくレイリア。
「ちょ・ちょ・ちょと待ちな嬢ちゃん、これ全部嬢ちゃんが狩ったのかい?」
肌も白く腕も細い子だからてっきり草ウサギでも持ち込んでくると思ったら、猪は緑ランクパーティー
、ブラッドベアーは青ランクのパーティで倒すような魔獣を4匹と5匹出したから驚いた。
しかも傷はどこにもなくきれいに首だけを切り落としてる。
置かれた魔獣をじーっと見つめていると、
「お肉と魔石は引き取ります。それ以外の素材は買い取りで、解体料は素材代から差し引いてください。」とレイリア。
「お、おう。わかったよ、少し数多いから肉と魔石と買い取り代は明日受付から貰ってくれ。
名前確認でギルドカード見せてもらえるかい?」と言うと、「はい。」と渡す。
「白?嬢ちゃんまだ白なのかい?」とびっくりした顔でエイリアに聞く。
「そうですよ、だってカード作ったの昨日ですもん。」
『こりゃぁ、あとでギルマスに言っておかないとな、一人でブラッドベアーを倒せるという事は
最低でも赤ランクの実力はある・・・』解体士はそう思ってると
「わかりました、じゃぁ明日また来ますね」と言うと見せたギルドカードを仕舞い、解体場を
出ていった。
ギルドから出たエイリア。
「薬草のお金が結構いい値段だったしなんか食べようかなぁ。」
そう言うと屋台の多い広場の方へ歩いて行った。




