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9話 森へ

翌日、宿屋で朝ご飯を食べてまったりした後冒険者ギルドへ向かうエイリア。

ギルドの扉を開けて入るとクエストを求めて冒険者が詰めかけている。

その中の一人がエイリアの気が付くと、後ろに下がる。

「昨日のエルフ」

そう呟くと周りに居た他の冒険者達も振り返り、みんな一斉に顔を青くする。

クエスト掲示板に群がってた人達がサーッと散っていき、

その様子を見たエイリアは軽くため息をつき、ガラ空きになった掲示板に歩いて行く。

「ん〜っと私はまだ白だから、受けられるのは白か一つ上の緑ね。

白は薬草なんかの採取や公共工事に肉体労働、緑はツノウサギや猪の狩猟とかか。」

少し考えて受付の方に振り向いたら昨日担当してくれてたレイラが居たのでそちらに歩き出す。

「すいません、もし緑のランク以上の魔獣を偶然狩猟して持ってきたら買い取ってもらえるのかしら?」

と聞くと、

「え?えぇ、それはもちろん買い取ります。あれはあくまで指標であって狩ってはいけないというわけじゃ無いのです、そのランクなら狩れますよと言う目安なので。」


「そうなのね。」

と言うと少し悪い笑顔を見せる。

「いや!でも、、、エイリアさんはまだ白なんですから無理はしないでください。」


「わかってるわ、もし狩れたらどうなるのかな〜って聞いただけよ、無理はしないわ。

とりあえず薬草の採取行ってきますね。」


「ほんとですかぁ?」

とジト目で見るレイラ。


「行ってきますね〜。」

と手をひらひらさせてギルドから出て行く。

門につくと門番にギルドガードを見せて門の外に出るエイリア。


「さてと、母様(ははさま)に頂いたこの身体どのくらい動くのかしら。」

準備運動を始めるエイリアを不思議そうな顔で見てる門番。

「それじゃぁ、行きます。」

と言うと右足に力を入れて一歩を踏み出す。

『クンッ!』と言う音とともにさっきまで立ってた場所にエイリアの姿は消え軽い砂ぼこりが立った。

門番はエイリアが急に消えた事にびっくりして辺りを見回すと遥か前方に一瞬きれいな銀髪が見えたと思ったらまた消えた事に目を見開いてびっくりしてる。

そのころ当のエイリアもあまりの速さにびっくりしたがすぐに気持ちを切り替え鼻歌を歌いながら

走っていた。

「ふふふふん~♪ とりあえず私が最初に居た森に行ってみようかな。」

そう言うと、更にスピードを上げて走って行った。


しばらくすると森が見えてきた。

森の手前で止まると周りを見渡す。

探知魔法を薄く広く飛ばす、頭の中のイメージに緑の点が無数に見える。

「これが薬草っぽいわね、でも森の周りは初心者冒険者にとっておきましょう。

奥には群生地もあるみたいだからそこで採取しようかな。」

エイリアは身軽に木の枝に飛び乗り枝から枝へと飛び渡って行った。

しばらく行くと薬草の群生地を見つけ、そこで採取するとまた探知魔法を飛ばす。

「お!結構大きいのが居るみたい、さぁ稼ごう稼ごう~♪」

無邪気に笑うとお目当ての場所まで走っていく。

エイリアはマイアに結構な大金も渡されていたが、それはその大金が必要になる時まで

使わないと決めていた。

少し走ってると奥に大きな何かが動いてるのが見えた。


向こうも気が付いたらしくエイリアに向かってうなり声をあげる。

「え~と、ブラッドベアーって言うのね。」

マイアの刷り込み情報ですぐに判明し腰の薙刀を構える。

立ち上がると人の1・5倍くらいあるブラッドベアーは大きな体に反して素早く動き、

人の胴体くらいはある腕を振り下ろしてきた。

エイリアはスッと横に動き最小限の動きてその鋭い爪を避ける。

腕を振り下ろした勢いで体が沈んで顔が下に下がったそのタイミングで横に避けた勢いを殺さず

回転し薙刀の刃をブラッドベアーの首へとスッと入っていった。

少しの静粛の後ブラッドベアーの首が落ち身体もそのまま前へ倒れた。

「さすが母様の作ってくれた薙刀、思った以上の切れ味。」

そう言うと薙刀を短いサイズに戻し腰に戻す。

「ここで血抜きだけでもしていこうかな。」


森の中に鼻歌が響いていた。


◆◆◆◆◆


冒険者ギルドの執務室ではランスが机で書類に目を通していた。

書類を置き椅子の背にもたれかかり、(くう)を見て呟く

「昨日、あれから辺境伯様にハイエルフが来られた事を報告したら、是非連れてきてくれ

と言われたけどどうしたらいいものか・・・。ハイエルフは基本何処の国にも所属しない、

故に例え王でもかしずく事もしない。あの方ならそれ位の事は気にも止めぬが他の貴族連中が

騒ぎ立てるのは必須、そうなればエイリア様の我が国への心象が悪くなるのは明らか。」

ため息をつき考える。


「極秘の非公式で辺境伯様だけの謁見ならなんとかなるやもしれんな。」

ランスは机から紙を出し手紙を書くと、それをすぐに職員に渡し辺境伯邸へ届けてくれと

頼んだ。




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