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最弱勇者

魔王討伐におもむく、とある勇者パーティーの一行。

彼らはある難題を抱えていた。

B:赤き火の精霊よ、我が前にその加護を示せ。マーズ! ――ふう。

A:いやあー、火のやつ、いつもながら大活躍だな!

B:あの、勇者様。

A:最初の魔法が終盤でも強力だなんて、あれだな「今のはメラゾーマではない……メラだ……」的な。

B:勇者様。

A:「魔王討伐どころかうちの魔道士が大魔王並の魔法を唱えられるようです」みたいな、ありきたりな三文ラノベのタイトルみてえだな!

B:勇者様!

A:はいっ!

B:現在、私たちは魔王の居城まであと一歩と近づいていますね。

A:はい。

B:出現するモンスターもより凶悪となり、厳しい戦いを強いられていますよね。

A:はい。

B:少しでも油断すれば誰が命を落とすかしれない危うさ。

A:はい。

B:そこで、あえて今さらうかがうのですが――なぜ勇者様はいまだにレベルが1なんでしょうか?

A:ギクッ……。そ、それは~……。

B:初めてお会いしたときから徹頭徹尾、一貫して1のまま。

A:え、ええ……まあ……わりと。

B:なんでなんですか?

A:それは……。

B:勇者様のお言葉を借りるなら、ありきたりな三文ラノベ、それらにありがちな「レベル1だけど俺TUEEE! 最強のレベル1ですけどなにかwww?」みたいなパターンでもなし。クラスが勇者という以外、なにもいいとこなしですよね。

A:か、顔がいいっ。

B:自分で言わないでくださいっ。モンスターとの戦いやダンジョン攻略で、そんなものなんの役にたつんですか。

A:ほら、可憐な美少女を助けたときに「まあ、なんてハンサムな勇者様なのかしら。ひとめぼれしてしまったわ」とかの褒美イベが――

B:それ、メリットに感じるのは勇者様本人だけでしょう!

A:ひいぃっ!

B:お言葉ですが、勇者様の残念なお人がらではそのような展開はありえませんし――

A:残念言うな。

B:まかり間違って万が一起こり、相手がたをはらませでもしようものなら旅のさしつかえに――

A:も、もーちょっとオブラートに包んだ表現にできませんかね。あまりに露骨なのはどうかと……。

B:こんな異世界に来てまでポリコレを気にしてもしかたないでしょう。男女間のごたごたは冒険上、大きな妨げになるのではっきりさせといたほうがいいんですっ。

A:ま、まあ、ご心配におよばずとも、ほら、俺、そういうロマンス的なことはあまり得意じゃ――

B:そうですね、勇者様、童・貞、ですし。

A:どっ、どどど童貞――

B:違うんですか?

A:うっ……それは、まあ、なんといいますか、こう、まだ心も体もけがれのない清いままと――

B:要は童貞なんですよね、童貞。

A:童貞童貞、連呼すんな!

B:だいたい、性的な経験の有無でけがれているだいないだの発言もいかがなものかと――

A:おまえだってねえくせに。

B:うぐっ……!

A:おまえだって処女なんだろーが。

B:しょっ、しょっ……! デリカシーというものがないのですか、勇者様には!

A:なんだよ、男の俺には童貞童貞言ってもよくて、女のおまえに言ったらセクハラですかー? それこそポリコレ的に問題なんじゃないですかねー?

B:くっ……勇者様のくせに生意気な……。

A:どっかで聞いたようなやつだな、それ。

B:ともかくっ! いつまでもレベル1のままでいられると困るんです!

A:話そらしやがった。

B:なぜご自身がいつまでたってもまったくレベルが上がらないのか、どうすれば上げられパーティーに貢献できるようになるのか、明日までに理由と改善策をまとめて提出してください。

A:ブラック企業の上司かよ! 原因不明で、俺のほうが教えてほし――

B:期限までに提出できない、または有効な方法でなかった場合、パーティー全員で詰めますので。

A:だからブラック企業かって! 「詰める」って言いまわし、なぜかブラックは好きだよな。

B:これも勇者様のためです。

A:「おまえのためなんだぞ」的な言いかた、それもブラックあるあるだろ。てか俺、勇者っ、リーダー! なんでパーティーメンバーから上司ヅラされてんの。

B:レベルが、いち、だからです。

A:ひいっ。

B:徹頭徹尾、一貫して1のままだからです。

A:怖い怖いっ、もうちょい穏便に……。

B:怒らせたのは誰なんですか? 誰? だ・れ?

A:だから怖えって! すんませんすんませんっ、俺が間違ってました、100%、100万%、100億万%、悪いのは俺です!

B:おわかりいただけたならけっこう。

A:もう完全にブラック企業じゃねえか……ブラックパーティーだよブラパ。

B:なにかっ!?

A:ひいいっ! なんでもないです!

B:――まったくもう……。もっと頼りになる勇者様でいてほしいのに。

A:ん? なんか言った?

B:なんでもっ!

A:ひいっ。

B:行きますよ!

A:はっ、はいっ!

本編はこちら。おもしろいよ! うちの猫の保証つき。


さぃょゎゅぅしゃ

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