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お嬢様とタピオカドリンクと軽減税率 -悪役令嬢とかいうのを知らずに適当に書いてみたらこうなった-

高慢な令嬢が、庶民の視察でコンビニを訪れた。

世間知らずと財力が店内を暴走する。


悪役令嬢とかいうのがどういうものかまったく知りませんので、コレジャナイ感があろうかと思いますがご容赦を。

どうも恋愛のカテゴリーらしいですね。

A:(お仕えするお嬢様が、学院でご学友に世間知らずと笑われたとのこと。コンビニで庶民の生活をご覧になりたいとおっしゃるのでお連れしたが……)

B:じいや、これが下々の利用するというコンビニエンスストア? ふっ、セバスチャンの犬小屋よりも小さな建物。下賤の民にお似あいね。

A:では、なかへ。

B:今の「シャッセー」と聞こえたのはなに? 日本語ではないようだけど。

A:は、確認いたします――どうも庶民の言葉で「いらっしゃいませ」という俗語のようでございますな。

B:どうりで下卑た響きね。で、今、下々の間で流行している「たぴおかティー」はどこかしら――まあ、ひどくグロテスクだこと。下々に似あいといえ、あわれな食生活ね。

A:では会計してまいります。

B:いいえ、あたくしが。なにごとも経験だもの。この福沢諭吉の紙幣でいいのね? はい、受け取って会計をなさい――え? 店のなかで食事?

A:は、イートインなる制度で、購入した物品を店内で喫食可能のようです。

B:興味深いわね。いいでしょう、利用してさしあげてよ――ちょっと待ちなさい。なぜ代金が220円なのかしら。この品には200円とあるようだけれど?

A:お嬢様、それは消費税という税でございまして、物品購入時に課税されます。

B:そういえば学院で習ったような。すっかり忘れていたわ。無に等しい額でも課税は嫌なものね。じいや、当家の顧問弁護士に連絡を。

A:は――つながりました。

B:ごきげんうるわしゅう。消費税という税金を節税したいのだけれど、方法を教えていただけて? え? 難しい? タックスヘイブンのダミー会社を通せば――もういいわ、あなたの会社との契約は今月で解消よ。ごきげんよう。

A:おかわいそうに……。

B:じいや、顧問税理士に連絡を。

A:お嬢様、税理士の先生でもさすがに……。

B:おだまりっ、あなたにもひまをとらせてよくってよ。

A:もうしわけございません、ただちに連絡を――つながりました。

B:ごきげんうるわしゅう。消費税を節税したいのだけれど方法をご存じかしら――え? むり? できない? グループ企業の法人税を9割削減する手腕の先生なら、こんな庶民の税などたやすく脱税可能では?

A:お嬢様、あまり大きなお声で……。

B:おだまりっ、そんなにひまがほしいの?

A:もうしわけございません、孫の学費や仕送りもありますのでご容赦を。

B:――だからケイマン諸島でもどこでも――ではあきらめろと? 弁護士・税理士・会計士その他もろもろに年間20億以上支払ってたかが20円の租税も回避できないと? ――もういいわ、あなたの会社とも契約終了よ。ごきげんよう。

A:ああ、おかわいそうに……。あの、お嬢様。店の者が会計をせかしておりますが。

B:いいわ、今回は特別に支払ってあげる。ただし、216円よ。あたくしが世慣れしてないとみくびっているようだけれど、そうはいかなくてよ。先ほどまったく同じものを購入したお客がその額だったのをちゃんと見ているの。

A:お嬢様、それはですね――

B:おだまりっ、退職金なしでひまをとりたいの?

A:もうしわけございませんっ、まだ老後の2千万円を貯めておりませんのでご容赦を。

B:――店のなかで食さないなら216円になる? ならそうするわ。始めからそう言えばいいものを。さて、じいや、ダイニングはどこかしら?

A:申しあげにくいのですが、低いほうの税率でお買いあげですので、店内でお召しあがりいただくのは――

B:あたくしはダイニングはどこかと尋ねたのよ。同じ質問を二度させる無能な執事は当家では必要ないわ。今すぐひまを――

A:も、もうしわけございませんっ、しばしお待ちを! ――君、同じ物を軽減税率非適用で買えばよいな? よし――お待たせいたしました、さ、こちらにございます。

B:まったく、不便きわまりないにもかかわらずコンビニエンスストアとは聞いてあきれるわね。

A:さようでございますな! おや、満席のようで。

B:あたくしに下々の食事を待てと?

A:めっそうもございませんっ、ただちに――おまえたち、5千円ずつくれてやるから席を――お嬢様、もうしわけございません、店の主が、ほかの客の迷惑なので退去せよと……。

B:まあ、下々の分際で! もうめんどうだわ、店ごと買い取りなさい。

A:は……は! ――買収の結果、1億円で店舗の全権利が、お嬢様のダミー会社の名義となります。

B:まったく、手間のかかる「コンビニエンス」だこと。

A:さようですな!

B:さて、下々の粗食、社会勉強として味わってさしあげるわ――あら、これは、なかなか――じいや、このメーカーを買収しなさい、バージン諸島のダミー会社を通じて。

A:は、ただちに。

B:店主は現地法人の草むしり係として再雇用を。

A:は(怖や怖や……)

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