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配信者の楽しい大学生活。  作者: 瑞希
学園祭
7/35

第七話

本日もお疲れ様です。

 そして約二十分後。あるアパートの一室。


「おい来たぞ。創。」

「ったくなんで俺がお前に部屋を提供しなくちゃならないんだ。」と言いながらドアを開ける創。

「まあいいだろ。俺とお前の仲だろうが。」

「俺とお前の仲はそんな良いもんじゃねえだろ。」と言いつつも台所にお茶を汲みに行く創。

「ほらお前らも入れ。汚いところで悪いな。」と俺が玄関で申し訳なさそうに躊躇している二人に声をかける。

「汚いとことか言うなよお前は。ったくなんで俺が。」と言いつつもお茶菓子まで机に用意している創。


 お前はキャラを安定させろ。


「お邪魔します…」と二人が小さな声で合わせて入る。

「あ、どうぞ。で、お前はここで何をするの?」と創が俺に尋ねる。

「いやちょっとうちの配信で働きたいと言ってる人がいて、説明につかおっかなと」

「ったくなんで俺が。」

「まあ悪いな。どうせ暇だろ。」

「課題があるんだよ。」

「まあそこでやっててくれ。」

「静かにやってるよ!」とノートパソコンを端っこで広げてカタカタうち始める創。


 本当にキャラ安定させろって。


「まあいいや。そこ座って。」俺は立すくす二人に声をかける。

 素直に俺と対面で座る真冬と花峰さん。


「お前はこっちサイドだろ。」と真冬をこちらサイドに戻す。改めて俺の隣に真冬が座り直す。


「まず花峰さんのことを詳しく教えてもらえる?できれば身分証明書と一緒に。いい気分しないと思うけどこれくらいやってないと大変だから。」

「あ、はい。」と学生証みたいなものを花峰さんは出す。

「ありがと。」と受け取る。見ると確かに花峰蘭と書かれており、顔も確かに一致している。

 年齢を確認すると俺や真冬や創と全く同じ年齢。まあ、確かにバイトと言っていたし、学生さんだろうか。


「うーんおっけい。ちなみに、どこに住んでるの?」と学生証を真冬に回して尋ねる。

「東京らへんです。」

「東京のどこらへん?」

「東京ってか、まあ浦安です……。」

「いつから浦安は東京に併合されたんだ?」と創。

「お前は黙ってろ。浦安は東京みたいなもんだろ。俺も前住んでたけど。」

 横から口を出してきた創を黙らせる。


「浦安なら大丈夫だな。俺と真冬は千葉県内だ。」

「そ、そうなんですね。」


 さてどうしたものかな。


「もういいんじゃない?」と 真冬がこちらを見て話しかける。

 もう信じていいんじゃない?という話だろう。


「まあそうだな。あとから断念してもらっちゃ困るから先に内容を話す。」とここで一呼吸を置くと真剣そうな顔をしている花峰さんにこう続けた。


「何か得意なこととかある?」

「パソコンとかなら」

「パソコンは一応俺もできるから、他で頼みたい。」

「どんな内容があるんですかね?」

「動画編集とかはどう?」

「やったことないですね……。」

「まあ苦手なのをわざわざ学んでほしいほど必要とはしてないしな。」と悩む。


 今後はアーカイブを残して、少し編集して動画として投稿しようかと考えていたが、別に編集を特別に必要としているわけではない。


「あとはTwitterのDMの整理とか。相談内容の整理とかだったらあるんだけど。」

「あ、それなら多分ワードとかに打ち込んでまとめたりできます!」

「ただ…ちょっと内容がねえ…」

「具体的にどんな内容が…?」

「ちょっとねえ……言えない。」

「私なら大丈夫です。」と背筋を伸ばす花峰さん。

「具体的に言うと、有名配信者の◯◯◯◯とか、あと◯◯◯した人からの相談、たまに◯◯◯◯したあとのリスナーからとか…加えて◯◯◯◯単体で送られてくることかもあるからね。普段は放送しないけど。」


 俺の言葉は少しずつ勢いを失っていった。


「……」

 なぜか創のカタカタという音も止まっている。止まるんじゃねえぞ。

 正面には花峰さんが呆然とこちらを見ている。

 多分慣れているだろう真冬は平然としているが、周りの反応を見て少し気まずそうだ。

 隅っこの創はがん引きした目でこちらを向いている。


「お前ってそんなやばいことしてたの?」と創。

「誤解だ。俺は何もしていない。勝手にDMに内容が入ってくるんだ。」

「……」

「本当だよ!そういうのそもそも受け付けてないから!」

「まあ仕方ないと思うけど…配信ってそういうものだと思うし…」と真冬が周りが引いてるのに対してつぶやく。


 次の瞬間。首にガッと衝撃がかかる。創が飛びかかってきたのだった。

「お前!こんな純粋な子まで陥れたのか?!」

「お前は何を言ってるんだよ!俺じゃねえわ!」

「創さん…違いますけど…」と真冬がつぶやく。

「本当なのか?このおじさんに脅されてるんじゃ?」

 ピチピチの大学生ですが。

「本当です。」と応える真冬

「そ、そうなのか。ならいいや。仕方ない。」とやっと首を開放する創。

「お前、おじさんって覚えとけよ。」

「うるせえな。ったく。」と創は端に戻るが、作業は再開せずこちらを伺っている。


「で、花峰さん大丈夫?」と俺は正面に向き直る。

「あ、はい。それしかできなさそうなのでなんとかします…。」と花峰さんは少し泣きそうな顔をしながらも頷く。

「そ、そう。了解。」

「じゃあ詳しい話は俺ん家で後日やるわ。連絡用にLINEだけ教えてくれる?」

「あ、はい。」

「俺が嫌なら別にこの子でもいいからね。」

「あ、大丈夫です。」とQRコードを見せてくれる。

「ありがと。」と写しアカウントを取得する。


 蘭が真冬とも交換し終えると、今日は解散ということになる。


「おくっていこうか?」

 大学終わったあとだったのもあり少し外は暗い。時計を見ると既に二十時を回ってしまっている。

「あ、いえ、迷惑かけますし大丈夫です。」


「望…お前送っていけよ。相手が嫌がってないなら。」と創がパソコンから目を外さずに俺をたしなめる。

「いや、お前に言われなくても送っていくわ。最寄り駅までだけど送ってくわ。」

「あ、じゃあ僕も。」と真冬。


「本当に何しに来たんだか…」と創。

「そいえば創、今夜ゲームやるか?」

「ったくなんで俺が。何時から?FPSでもやるか?」

「ノリノリじゃねえか。」

「暇なんだよ。てかお前、それなら泊まってけば?」

「あー悪いな、俺今日何も持ってきてない。」

「明日あるのか。なら仕方ないな。」


「ああ。じゃあ帰るか。」と俺は真冬と花峰さんに声をかける。

「うん。」と答える真冬は既に花峰さんとともに玄関近くにいる。

「あ、俺待ち?ごめんごめん、」と俺は玄関に向かう。

「早くしなよ、の…。」そこまで言ってそれは不自然すぎやしません?


「悪いな。」と玄関まで追いつくと、創に礼だけ言って外に出た。


◯◯◯は察してください。ちゃんと言葉は入ります。入れようと思ったんですが、あまりにも、はい。

感想、指摘お待ちしております。明日も二十時に投稿します。

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