第三話
朝投稿です。少なめです。一日が始まります。今日もがんばりましょ!
先程のため息は初握手会につながるものもある。
初握手会はリスナー提案のものだった。半ば強制的にやらされているところもある。まあ正直、リスナーは怖いですからね。
現時点のリスナー(視聴者)は約二千人だ。生放送に来てくれる人数の平均である。生放送しかしてない中ではダントツの視聴者数。
まあ僕のトーク力?加えて人間性?やっぱそういうのが起因しているのだろう。
と、言いたいところなのだが、残念ながら最も大きいのは真冬の才能だったりする。
自分がグッズを作り出したのは、大学生になってから。ちょうど今の時期くらいかもしれない。
『望何してるの?』
先程までラノベを読んでいた真冬は飽きたのかこちらに声をかけてきた。
『グッズ作り。リスナーからほしいと言われたから少し練ろうかなって思って。』
『そうなんだ。どう?できそうなの?』と真冬が立ち上がりこちらに近づいてくる。
『なかなかそれが難しいんだ。多分キーホルダーとかになるとは思うんだけど。』と俺はマウスで画面を整理し、作業過程を見せる。
と、言っても、作成委託の店しか決まってないのだが。
『へー。』と真冬はパソコンの画面を覗き込む。
デザインに関しては全く進んでいない。そもそも美術などを学んできてない。専科は書道一択であった。書道に関してはかなり上手いほうだ。と自負している。
『デザインは僕が考えてあげようか?』何気なく彼女の放ったその言葉から伝説は始まったのだった。彼(女)こそが伝説。まじパない。
『お前が?』と俺は半信半疑ながら彼女に任せた。
その夜彼女が送ってきたデザインはお世辞抜きで文句なしのものだった。どちらかというあっさりとしていて、普段遣いできそうなデザイン。それでありながら、ベルらしさを失っていない。
俺は、それを告知し、販売した。
大盛況だった。中にはリスナー以外にも紛れ込んでいたらしく、デザインを幾何学模様というバカも出た。
おかげで真冬にスイパラを奢る羽目になった。しかしその御蔭でリスナーはドンと増えた。
真冬は才能を多く持つ。ゲームに関してもセンスは抜群。それで可愛くて、性格も優しいなんて、ラノベのヒロインかよ。
やっぱり真冬ってすごいな。
まあ、話を戻そう。握手会ではマスクする予定。学生だし、顔出しは避けたいのだ。
真冬はいくつか放送に参加したことがあるが、握手会に出席はしない。
彼女はまさに放送では女神。彼女が出た回は神回と呼ばれる。
そんな彼女の登場初回の……コメ欄がこちらだ。
(神降臨)
(神回確定www)
(いやとなりの陰キャ誰だよww)↑ID控えた。
(声かわゆす)
(美少女だと思うんだよなぁ。顔見たい)↑仰る通りです。
(ボクっ娘の破壊力思い知ったわw)
(主の彼女?)
コメ欄は三十分に一度落ち、俺に対しては『引っ込め』とコメ欄は荒れる。なんて始末だ。
しかし、これも彼女の才能なのだろう。僕っ娘ともあり学校では少し控えめの性格だった彼女だが、本気を出せば学園アイドルも夢ではないのかもしれない。
あれ以来本当にまれにしか出していない。
ちなみに最後のコメの質問について。
俺は真冬と付き合ってない。
付き合ってもいいし、告白されたら、ぜひ!だが、真冬にそういう感情はないらしい。いや別に告白したわけではないが、そのへんは察している。いやー残念だよな。まあいいんだけど。
好きというわけではない。普通に毎日ゲームしたり毎日話したりするこの関係は維持したいものだし、恋愛にさほど興味はない。
まあ、関係って維持したいから維持する、なんてものではないんだろうが。
俺は恵まれている。真冬みたいな人に囲まれて。やりたいことをやれて。
多少コミュ力と脳みそ(主に海馬)が不足していても、そんなこと気にならないくらいには幸せだった。
まあ言っても、人生は(美少女との)出会いという面では運ゲーだ。というか真冬は美少女ってより美青年なんですけどね。
俺はそんなことを考えながら眠りに落ちた。
……Go to bed
ここまで読んでいただきありがとうございます。本日ラストです。短めです。
良ければ感想ブクマ等お願いします。
明日は、朝6時頃に上げる(予定)です