表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/19

3

 一人による会話ごっこは、人目にはおかしな事だと自覚しているのでしょう、ワープ君は、通行人が途切れた瞬間、瞬間に、声に出すのでした。

「ぼくはですね……実は、病的なまでの方向オンチなのです。わはっ」

「行き先が目に見えていても、それでもうっかり道に迷っちゃうんです……」

 現在の位置は、洲本市内の、国道28号上です。パムホのマップに現在位置の表示がないのですが、今し方、横目にそれと認識できた県道76号の橋、「洲本橋」が、ランドマーク(その土地の目印)になったので、把握できたのでした。

 もっとも、普通の人にとっては、そんな大仰なことではありません。これは、いかにワープ君に土地認識能力がないかを物語る、一例だったのです。

「今は助かってます。なんせ、洲本川が横を流れていますから。それに沿って歩けばいい」

「でも……」

「国道28号は、道の右側にしか歩道がないでしょう……?」

 洲本川は、ここから見て、国道の左側にあるのです。だから、川が少し遠い。

「もっと川の側を歩ければいいのですが……」

「次の橋を渡って、川の右岸(体を川下に向けて、右手側の岸)を歩きませんか?」

 そして、

「そうしましょう。ありがとう」

 子供らしくニコリとするのでした。


 目出度(めでた)く相手(?)と交渉が成立したようです。ところが、あに図らんや、これが一つ目の事件だったのでした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=695168455&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ