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いろいろとおしゃべりしながら、とある一画に来たときでした。ワープ君、おもわず、感嘆の声を発していたのです。
「わぁ……!」
それは、住宅地の生活道、その道の両側に並ぶ、椿の並木道だったのです!
今が盛りとばかりに、赤い花、白い花と、咲きにけり、状態だったのでした。寒い季節、勇ましく凜として、それはもう見事な花街道です。
「うふふ、これを見せたかったの!」
小母さん、誇らしげです。
「とっても美しいと思います! 名所なんですか?」
「ううん、そうでもない。昔ね、百年くらい前。この中のどなたか一軒さんが、椿の木を垣根として植えられたの。それがまぁ素敵でね、それで皆まねして、ついにはこんなになったのよ」
「淡路島の新名所と言ってもいいですよ! ここの皆さん、名所を新しく作ったんだ」
「ありがと。名所と言えば、水仙公園はもう訪れた?」
「ううん……」
旅ゲーのために来たのですから、とは、言いづらい彼だったのでした。
小母さんも無理押しすることなく、
「じゃあ、この道を真っ直ぐ行けば橋だから、そこがそうですよ、“ギュウナイガワ”……」
オホホと指さし、そして気持ちよくお別れしたのでした。
「ありがとう御座いました……!」
頭を下げる、ワープ君だったのです。
さぁ――!
川を通り過ぎてしまえばこちらのものです。
ワープ君、最初の横道で自信満々、左進行し、目出度く。国道28号に到達できたのでありました。
あと、約3.5km!




