第43話 出会ってはいけない2人
お待たせしました!
いや、本当にお待たせしました。
すみません
では、本編をどうぞ!
少女はまず見せしめと言わんばかりに、近くにいた警察官の片腕を鉈で切り落としました。
「ああああ!!な、何をする!!」
腕を落とされた警察官は痛みに悶え、その場に倒れ込みます。
少女はそれを見てすかさず警察官の腹を踏みつけ、逃げ出せないようにして銃口を警察官の頭に向けます。
「さようなら」
静かな声でそう呟き、少女は警察官の頭を銃で撃ち抜きました。
警察官の息の根は止まり、頭と切り落とされた肩から大量の血液が流れています。
「これでわかったでしょ?さっさとかかってきなさいよ。あなた達警察官でしょ?凶悪犯が目の前にいるの、あなた達の正義を貫きなさいよ」
「舐めやがって!お前ら、あの子供を取り押さえろ!!もしかしたら生き残ってるかもしれない騎士達にも連絡をしろ!」
そう言って警察官達は銃や剣を構え、少女に向かっていきます。
「この数がいるんだ。たかが子供1人、捕えられないわけが無い!殺す気でやれ!」
その言葉と共に、警察官の1人が少女に向かって発砲したのです。
しかし、少女はそれをわかっていたと言わんばかりに鉈で飛んできた銃弾を弾き飛ばしました。
「遅い…… 遅すぎる。真正面から来る銃弾なんて私には通らないよ」
少女は向かってくる警察官達にゆっくりと歩きながら近づいていきます。
「撃て!撃て!!」
号令と共に、数名の警察官が発砲をしますが少女はその銃弾を小さな動きだけでかわしていくのです。
「人を殺そうと思ってない銃弾なんてなんの意味もないよ。銃って言うのはこうやって使うのよ」
そう言って少女は1人の警察官の太ももを撃ち抜き、膝をついたところで心臓に銃弾を打ち込みました。
「よくもやってくれたな!!」
いつの間にか後ろに来ていた警察官が、少女に向かって剣を振り下ろしたのです。
少女はすぐさま後ろを振り向き、鉈でその剣を受け止めます。
「私の後ろに回り込んだのはすごいと褒めてあげるわ。でもね、力量が私に追いついてないよ」
少女は剣を警察官の手から弾き飛ばし、一歩たじろいだ警察官の頭を鉈で切り落としました。
頭が落とされた首からは大量の血が吹き出し、力が抜けたように体はその間後ろに倒れます。
「これで3人殺したけど、私を殺す気で来ないと全員死ぬわよ?」
「そんなの言われなくてもわかってる!お前ら囲め!!」
少女を囲むように警察官が周りに配置されました。
「もしかして、私が子供の姿だから手加減してくれてるのかしら?なら、そんな事思えないようにしてあげるわ」
そう言って少女は両翼を出しました。
「あ、悪魔……!!」
「まだ悪魔がこの街にいるなんて…… やはりお前は広場を襲撃した悪魔だってことか……!」
警察官達は目の前にいる大悪人に怒りを顕にします。
少女は不敵な笑みを浮かべて警察官に対し銃口を向けたのです。
「私は悪魔で人間だったあの子を助けるために、心も体も悪魔に変えて全てを大切な人に捧げる為に生きてるの。彼女を救うた為なら私はどんな人間でも殺してみせる」
「たとえそれが肉親だろうが、ましてや自分自身だろうとしてもね」
そう言って、少女は自分を悪魔だといった警察官の頭を銃弾で打ち抜いたのです。
撃ち抜かれた警察官に即座に近づき、少女は首を捻じりとるように引きちぎりました。
引きちぎった頭を地面に叩きつけ、そのまま思い切り踏みつけぐちゃぐちゃにしていきます。
踏んでいる少女はとても楽しそうな声で笑い、さながらおもちゃか何かで遊んでいる年相応な子供のようです。
「チッ!犠牲を無駄にするな!!撃て!!」
その合図と共に、どこからともなく銃弾が何発の飛んできたのです。
「なっ……!」
一瞬反応が遅れ、銃弾を避けようと翼を使って飛び上がろうとしましたが間に合わず、両翼を無数の銃弾が打ち抜きます。
「ああああああ!!!」
少女は久しぶりに感じる痛みに悶えます。翼は撃ち抜かれたせいでちぎれ、もはや飛ぶことはできない状態になってしまいました。
「よくやった!!どうだ、翼なんて見せたがゆえにピンチに立たされてるじゃないか!!お前ら!弱ってる今だ!」
警察官達はここぞと言わんばかりに、剣を持ち少女に突撃していきます。
しかし、警察官達の読みは外れていたのです。
少女は近づいてきた警察官達を逃すことなく全員鉈で斬り殺しました。
「はぁはぁ…… 翼がなくなったくらいで私を止められると思ってるならとんだ計算違いよ…… これでも手加減してやってるんだから……」
余裕そうにそう話す少女ですが、言葉とは裏腹に撃ち抜かれた翼の痛みからすこしふらついているように見えます。
激しく動くたびにちぎれた翼からは大量の血が吹き出し、地面を少女の血で染め上げていきます。
「どうした、随分と辛そうじゃねぇか。変わってやろうか?」
しばらく話しかけてこなかったレイカの声が頭の中に響きます。
「余計なお世話よ…… あんたの力は借りないし外にも出させない」
「再生魔法なんてもんはないからな?お前の翼はそのままだ。まぁ、出血のし過ぎで死ぬなんてことはないから安心していいぞ」
少女は呼吸を整え、残り数人になった警察官を睨みつけます。
「あの子だって魔法を使ってたんだ。私も使わせてもらおうかしら……」
血で染まった鉈に手をかざし、少女は目を瞑りました。
「錆びついたナイフ、記憶すら思い出せず疑いの眼に晒される。ふと気がつけば赤き世界が広がり無機質になった塊があたりに散らばる。どれだけ願っても時間は巻き戻らない、もう信じるのはやめにしよう……」
少女が話し始めると鉈が青く輝き始めたのです。
その様子を見たレイカは笑いながら変化の悪魔に話しかけます。
「おい、見てみろ。こいつ詠唱までやり始めた。もう完全にこっち側だ」
「長さからして強力なものなのが見て取れるわね……」
警察官達は警戒を解かずになにが起こるのかを恐怖しながら眺めることしかできません。誰一人、今の少女に特攻しようと考えるものはいません。
「頼れるのは心のナイフだけ。ならば、この剣は万物を切り裂く光剣となる…… 私の心よ、私の願いを叶える剣となれ!!」
少女が詠唱を終えた瞬間、少女の周りから衝撃波が起こり、近隣の建物にヒビを入れたのです。
少女の手に持たれた鉈は青い光を纏い、鉈と同じように少女の瞳も青い光が灯りました。
「さぁ、私を倒してみてよ…… 倒せるものならね」
そう言って少女は目にも止まらぬ速さで警察官の前まで移動し、その口の中に鉈をねじ込みました。
そして、竹でも割るように鉈をそのまま真下に振り下ろしました。
体を開かれた警察官はその場に倒れながら内蔵などを飛び散らせ息絶えました。
なぜか血などは全く出なかったのです。
絶望と憎悪のシンデレラはその身を焦がし、自らの復讐心と愛の為に生きた。自らの体を悪魔へと変え、愛する人を救う為、運命を変えるために戦ってきた。そして、もうすぐその戦いも終わりを迎えるはずだったのです。
戦う少女の死角から一発の銃弾が飛んできたのです。
間一髪で少女はそれに気づき、銃弾を鉈で弾き飛ばしました。
銃弾が飛んできた方向から小さな足音がゆっくりと近づいて来るのです。
「よぉ、何面白いことやってんだ?俺も混ぜてくれよエラ」
その声を聞いて少女の体は固まりました。
なぜなら、その声の主は本来だったら決して今の姿を見せてはいけない相手。
そう、悪逆非道なマッチ売りの少女だったのです。
「レ、レイカ……」
少女はその姿を見て顔を真っ青にします。
「いや、その変わり果てた姿。エラではあるんだろうが俺の予想は当たっていたか。お前何回目だ?」
レイカは睨みながら少女に近づいていきます。
「おっと、こんなに観客がいたんじゃ話せねぇよな」
そう言ってレイカは残りの警察官全員に銃弾を打ち込んだのです。
「さぁ、次はお前の番だ」
最後まで読んでくださりありがとうございました。
なるだけ早く更新します。




