表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪逆非道なマッチ売りの少女  作者: ポカ猫
第2章 絶望と憎悪のシンデレラ
36/49

第36話 正義の為に戦う騎士

お待たせしました!


本当に1ヶ月以上待たせてしまい申し訳ありません。

単純にスランプでした


では、本編をどうぞ!

「くっ…… 何だこいつは…… どんどん姿が変わっていく……」


 ジャンダは、姿の変わった少女を見て絶望のような複雑な表情を浮かべます。

 少女は再び手に剣を持ち、ジャンダの様子を伺います。


「ふふふ…… 早く杖を取りなさいよ」

「い、言われなくても……」


 フラフラとジャンダが立ち上がり、地面に落ちた杖を拾い上げます。


 それを見た少女は怪しい笑みを浮かべ、ジャンダを指で挑発しました。

 ジャンダは、頭に血が登っているのか少女の挑発にまんまとかかり、そのまま呪文を唱え始めたのです。


「アハハハ…! 隙だらけよ?」


 少女は、呪文を唱えているジャンダの懐に瞬時に入り込み、その勢いのまま腹を斬りつけました。


「ぐっ……!」


 いきなり腹を斬られたジャンダは、呪文を唱えられず腹を抑えてその場に蹲ってしまいます。

 傷口はかなり深かったのか、傷口からドクドクと赤黒い血液が流れています。


「冷静さが足りなくなってるわよ?」

「くっ……! うああああああ!!」


 ジャンダは傷口を抑えるのをやめて、叫びながら勢いよく指を鳴らしました。

 すると、上空から大量の火球が少女に向かって落ちてきたのです。


「はぁ……はぁ…… 焼け焦げろ!!」


 降ってくる火球を眺め、少女は嘲笑うように小さくため息をつきました。


「やけになる人間ほどつまらないものはないわね…… ()()()()


 そう言って少女は指笛を吹き鳴らします。


 すると、不思議なことが起きたのです。


 少女とジャンダの位置が入れ替わっているのです。

 ジャンダの位置に少女が、火球の真下にジャンダが居るのです。


「え……?」

「焼け焦げるのはあなたに譲るわ」


 その瞬間、降り注ぐ火球がジャンダを襲います。


 火球を避けるために右往左往に動き回るが、それでも避けきれないものは多く、火球は容赦なく術者のジャンダの体を焼いていきます。


「ぐ……」


 火球がやんだ頃、ジャンダの体には無数のやけどができていました。


「はぁ……はぁ……」

「随分とお疲れね。何かあったのかしら?」


 少女はニヤニヤと怪しい笑みを浮かべ、地面に倒れるジャンダを眺めます。


「こんなので疲れてちゃ先が思いやられるわよ?」

「な、何をしたんだ……」

「教えるわけないじゃない」


 ジャンダの問いを一蹴し、少女は両翼をしまいます。


「さぁ、まだまだ行くわよ!()()()()()


 そう言って少女は再び指笛を吹き鳴らします。


 すると、少女の姿がだんだん透明になっていくではありませんか。


 ジャンダは自分の目を疑いました。

 ジャンダが自分自身の目を擦り終える頃、少女の姿は完全に見えなくなってしまいました。


「焦ってるわね。"天の声"はどうしたのかしら?」


 どこからともなく、少女の笑うような声が聞こえてきます。

 すると、ジャンダの背部に激しい激痛が走ります。


「ぐっ……!」


 背中からは血が吹き出ていますが、ジャンダは自分が何をされたのか分かりません。


「どこから剣で斬られるか分からない恐怖、どう?ゾクゾクするでしょう?」


 その言葉によってジャンダは、初めて自分が剣で斬られた事を知りました。


 ここぞ"天の声"の見せ所なのにも関わらず、"天の声"はジャンダの願いに反応することはありません。


「何故だ!何故何も聞こえない!!」


 ジャンダはフラフラと立ち上がりながら、そんな怒りを吐き出します。


 この世界に来てから、ジャンダの"天の声"が機能しないのです。


「あははは!この世界で"天の声"が発動するわけないじゃない。ここは現実から隔離されている、()()()()()()()()()()()が統治する鏡の世界なんだもん!」


 少女の笑い声だけがジャンダを包み込む。


「この世界は私のために動いてくれる。鏡があるところになら簡単に移動させてくれる」

「この悪魔が!!お前の目的はなんなんだ……!」


「悪魔?目的?ふふふ…… 本当に面白いわ…… 私はね悪魔で人間だったあの子を助けるために、()()()()()()()()()()()。愛する人の為に身も心も捧げる、()()()()()()()()()()()()()()


 少女は姿を現し、恍惚な笑みを浮かべながらジャンダにそう告げました。


 その姿は悪魔な少女というより、ひとえに恋する少女という雰囲気でした。


「く、狂ってる…… 何もかもが狂ってる……」

「狂っていて結構よ。これが私の思想なの、もう二度と大切な人を失わないためのね。で、あなたはなんの為に私と戦ってるの?」


 少女は剣を鞘に戻して、自分が聞かれた質問を少し変えてジャンダにしました。


「そんなの決まっているだろう…… 正義のためよ……」


 その言葉を聞いた瞬間、少女の眉がピクリと動きました。


「ふーん…… 正義の味方ね……」


「それがどうした。私は正義の為にこの身を捧げるんだ」

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 少女は怒りを露わにしながらジャンダにゆっくりと近づきます。


「どういうことだ……」

「どういうことって、言葉通りの意味よ。誰かの不幸も知らないのに正義を語るなんて、そんなの間違ってるわよ。そんなのただの正義ごっこよ」


 指を鳴らし、少女は元の少女の姿へと戻ります。


「正義ごっこだと?馬鹿にするな!」

「あなたとは少し話せると思ったけど。あなたも所詮はその他の騎士と同じだったわけね」


 少女はジャンダの杖を蹴り飛ばし、みぞおちに拳を1つ打ち込みました。


「ぐぁ……!」

「ねぇ、あなたの大切な人は誰かしら?ふふふ…… 聞かなくても分かるわよ。マギルでしょ?あの中で唯一名前が出てきた人間だもの」


 少女はニヤニヤと笑いながら手の魔方陣を輝かせます。


 すると、少女の足元から紫色の霧が出てきたのです。

 霧は少女の姿を包み込み、たちまち姿が見えなくなってしまいました。


「今度はなんだ……!?」


 しばらくすると霧が晴れていき、少女の姿が現れます。


「な……!」


 ジャンダは少女の姿を見て驚きました。


「ふふふ……驚いたかしら?」


 少女の姿がマギルの姿に変わっているのです。

 姿形、声質まで、全てがマギルなのです。


「こいつの姿になるのは死ぬほど嫌なんだけどね。あなたに少しサービスしてあげようと思って」


 マギルの姿の少女が、ジリジリとジャンダに近づいていきます。


「体が動かないでしょう?やっぱりこいつの能力は凄いわね」


 少女の右目が赤く輝き、ジャンダの瞳を見つめます。


「く……!ち、近づくな!!あの人の姿になった所でお前はあの人じゃない!」

「ふふふ。ジャンダ…… もうそんな事どうでもいいだろう?俺と一緒に楽しくやろうじゃないか」


 少女から離れようとするジャンダに、少女はマギルの声を使って甘い言葉を囁きます。


「いくら離れようとしても体が動かないんだ。無駄だろう?さて、そろそろ終わりにしようか」


 そう言って少女は剣を鞘から抜き、ジャンダの首筋に剣を当てて一気に斬りつけました。


「あ……」


 その一言しか出なかったのか、ジャンダの首はボトリという音を立てて地面に落ち、首からは大量の赤黒い血液が吹き出します。


「正義を語って私を1回退けた騎士も、所詮はこんなもんなのね……」


 少女はマギルの姿から元の姿に戻り、転がっているジャンダの死体を眺めます。


「随分と時間をかけたじゃねぇか」


 すると、頭の中にレイカの声が響きます。


「変化の悪魔の力を知るためと、正義を語る人間の腕を見てみたかったのよ」

「自分の大切な人間に殺されるなんて、お前も随分と面白いことを考えるようになったんだな」


 少女は自分自身がした事をもう一度考え、首を傾げました。


「別に変なことじゃないでしょう?好きな人に殺されるなんて()()()()()()()()()()()


 少女は満面の笑みでそう答えたのです。


最後まで読んでくださりありがとうございました。


次回更新も1ヶ月以内には更新できると思います。

スランプがまだ抜けてないので……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ