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悪逆非道なマッチ売りの少女  作者: ポカ猫
第2章 絶望と憎悪のシンデレラ
34/49

第34話 下級悪魔と「MERMAID」カード

お待たせしました!

1週間以内に更新出来ましたね


では、本編をどうぞ!

 少女は教会に設けた自室に戻ると、「MERMAID」と「ARISU」のカードをトランプケースの中にしまいました。


「今日は少し休んで明日の朝から少し出かけましょうか」


 そう言って少女は、ベッドに横になりそのまま眠りに付きます。





 朝になり、少女は体をゆっくりと起こした時、自分の体に違和感を感じました。


「ん……?」


 少女が自分の背中に触れようとすると、そこには昨夜寝る前にしまっていたはずの翼が出てきているのです。


「寝てるうちに無意識で出しちゃったのかしら。しまわないとね……」


 翼をしまって部屋にある鏡で身なりを軽く整え、少女は教会を後にします。


「ジャンダ様が長年の悩みを解決してくださったんだ!」

「俺もジャンダ様にさっき助けてもらったよ!」


 少女が街に出ると、街の人々がジャンダのことを口々に話していました。


「まだあいつはこの街にいるのね。マギルを探しに行くみたいな感じだったから、もうここから出ていると思ったのだけども」

「随分お人好しなことだな。見つけ出して片付けるのか?」


 レイカは小さく笑い少女にそう質問します。


「いや、マギルの様子を見に行くのが先よ」


 そう言って少女は、路地裏に入り翼を広げてマギルがいる街に向かいました。


「そういえば今の時期は、ハーメルンの笛吹き男が出たって言ってた時だったな」


 少女が街に向かって移動している時、レイカが思い出したようにそう呟きました。


「まぁ、マギル探しには全く持って関係ないがな」


 その話を軽く聞き流しながら、少女は少し考え事をしていました。






 少女が考え事をしているうちに、少女は目的地の修道院の焼け跡に到着しました。


「全焼ってのはこのことをいうのね」


 少女が空から焼け跡の様子を観察していると、焼け跡に近づく二つの人影を見つけました。


「あれは……!マギル!!」


 マギルを見つけた途端、少女は怒りを露わにして手を握りしめます。


「俺が焼いた修道院を調べてるみたいだな」

「あなた、あの修道院の中に入ったの?よく耐えれたわね」


 頭の中にレイカと変化の悪魔の声が響きます。


「とりあえずマギルがここから動くまでしばらく待機するわ」


 マギルたちの様子を眺めつつ、少女はまたもや先程の考え事をし始めます。


「おい、さっきから何を考え事をしている」


 その様子に気づいたレイカが少女に話しかけます。


「いや、ちょっとハーメルンの笛吹き男について考えてたの」


「あいつは俺が殺して、あいつが持ってた笛も今お前が持っているだろう」

「そうじゃなくて、そいつに()()()()()()()が気になるの」


 少女がそう言うと、レイカが小さく笑いました。


「ああ、そっちのことを言ってるのか。笛をあいつに渡したのは()()()()だな」

「下級悪魔?」


 少女はわからないと言うように首を傾げて、レイカの説明を待ちます。


「悪魔にも色々種類があるんだよ。上級、中級、下級悪魔と順位みたいなバカバカしいものがな」

「レイカはどの悪魔なの?」


 レイカの説明を聞きながら、少女はふと疑問に思いそう聞き返しました。


「俺と変化の悪魔はどの部類にも入ってねぇよ。俺らはオリジナルだからな」


 そんな話をしているうちに、マギル達の調査が終わったのか二人は急ぎ足で現場から離れていきます。


「あ、あいつらが移動したわね。じゃあ私達も焼け跡を覗いてみましょうか」


 マギルたちが完全にいなくなったのを確認してから、少女は焼け跡に降り立ちます。


 近くで見る焼けた修道院は、教会とはまた違いはすれど同じように原型を留めていなく、下手をすれば今すぐにでも骨組みが崩れそうな様子です。


「近くで見ると本当にきれいに焼けてるわね……」


 少女は修道院の焼け跡を感心するように眺めます。


「マギルの様子は見たんだからもういいんだろ?帰るぞ」


 レイカは話を中断されが苛立ちからか、少女を急かすようにそう言います。


「まだよ。今日は夜までここで休むことにするわ」

「なんのためにだよ」

「下級悪魔ってのを見てみたくなったのよ」


 そう言って少女は近くの石に座り、目をつぶります。







「お前はどれだけ寝るつもりだ」

「体に二人も悪魔が入ってるのよ?負担が大きくても仕方ないわ」


 レイカの呆れた声と、変化の悪魔のなだめるような声で少女は目を覚ましました。


 少女が辺りを見渡すとそこはもう暗闇に包まれていました。


「そろそろ時間かしら?」

「ああ、もうそろそろ笛の音が聞こえ始める頃だろうよ」


 その時でした。

 少女の耳に聞き慣れぬ笛の音が聞こえてきたのです。


「これのことね」


 少女は修道院を後にして、その笛の音が聞こえる方に向かいます。


 すると、一匹の悪魔が笛の音から離れるように飛んでいくのを見つけたのです。


「レイカ…… あれ?」

「あれだな」


 少女は瞬時にその悪魔のもとに移動し、その進行を妨げました。


「どうも、こんばんは」


 少女は悪魔の前に立ちふさがり、笑顔で挨拶をします。


「誰だお前は」


 悪魔は少女のことを睨み、臨戦態勢とでも言うように爪を伸ばします。


「よく見たらお前契約悪魔じゃねぇか。契約悪魔ごときが俺になんの用だよ」


 少女のことを契約悪魔だと見抜くやいなや、その悪魔はバカにしたように少女に接し始めます。


「あなたがどれほど強いのか気になったんです」

「契約悪魔なんかよりは強いに決まってるだろう。そんなくだらないことのために俺の邪魔をしたのか?」


 悪魔はイライラし始めて、少女に怒鳴るようにそう言いました。


「おい…… 下級悪魔風情が調子に乗るなよ?」

「中に入っているのが自分と同じ下級悪魔だと思っているようですが、それだとしても少し調子に乗りすぎですね……」


 少女の口からレイカの声と変化の悪魔の苛ついた声が発せられます。


「え……?」


 その声を聞いた悪魔は一瞬で固まってしまいます。


「おい、どうした。なんか言ったらどうだ」

「もしかして、怖気づいてしまったわけじゃないでしょう?」


 悪魔は口をパクパクさせていますが、全く声が出ていません。


「さ、災厄の悪魔に…… 変化の悪魔……」


 やっとの思いで出した声はかすれたような声で、先程とは勢いも何もかもが違います。


「こいつと契約したのは俺だ。変化の悪魔はこいつに食われた」


 レイカがそう言うと、悪魔の顔がどんどん青くなっていきます。


「変化の悪魔を…… 食った……?」

「あの心臓はなかなか美味しかったわよ」


 少女が思い出すように口をぺろりと舐めました。


「で、下級悪魔さんはどれほど強いの?」

「こいつを殺せば…… こいつを殺せば……」


 少女の質問を聞いていないのか、悪魔は小さな声でブツブツと何かを言っています。


「こいつを殺せば俺も上級悪魔だ!!」


 すると、悪魔が突然大声で叫び、少女を爪で突き刺そうと突進してきたのです。

 少女はそれをひらりとかわし、悪魔と少し距離を取りました。


「災厄の悪魔が契約した人間を殺せば、俺も晴れて上級悪魔だ!」


 悪魔はまたも少女に突進して来ます。


「はぁ…… レイカ、もしかしてこいつって下級悪魔の中でも弱い方だったりする?」


 同じようにかわしつつ、少女はレイカにそう質問します。


「相手の力量を測れないってのは下級悪魔にはありがちなことらしいが、ここまで行くとただのバカだな」

「なんだ。じゃあ試したいことだけやってさっさと帰りましょう」


 そう言うと、少女はトランプケースから一枚のトランプを取り出しました。


 クイーンが描かれたの「MERMAID」のトランプです。


「下が海なのは都合がいいわね」


 少女は「MERMAID」のトランプに手をかざし、魔法陣を光らせます。

 すると、トランプが光り輝きその場から消えてしまったのです。


 少女は怪しい笑みを浮かべて、真下にある海面に飛び込みました。


「逃がすが!」


 少女が逃げたと思った悪魔は、そのまま少女を追おうと海面に近づくと突然大きな水しぶきが上がりました。


「な、なんだ……!?」


 水しぶきを避けるために悪魔は再び上空に上がります。


「変化の悪魔の力は面白いわね」


 すると、悪魔の前には少女の姿がありました。

 水しぶきと共に上空に上がってきたのです。


 しかし、その少女の姿に小さな()()がありました。

 頭に小さな冠のような物を着けて、手には青い宝石の付いた指輪をはめているのです。


「さて、さっさと終わらせましょう」


 その言葉を言い終わらないうちに、少女は悪魔の腕を掴みそのまま海に引きずり込みます。


「は、離せ……!」


 悪魔は必死に抵抗しますが、手が離れる様子はありません。


 少女はどんどん悪魔を海の深くまで連れていきます。

 ようやく少女が悪魔の手を話した時には、そこはもう月の光も届かない深海でした。


「あなたも水の中で呼吸ができるのね」

「悪魔をなめるんじゃねぇよ……」


 悪魔は少女を睨みつけてそう言います。


「それがわかったところでもう何にもならないけどね」


 少女は呆れた声を出しながら、指輪をはめている手で指を鳴らしました。


 すると、突然悪魔のいる場所から渦潮が発生したのです。

 悪魔は突然の出来事にそのまま渦潮に飲まれてしまいます。


「もっと大きくなりなさい」


 少女の声に答えるように指輪が青く輝き、渦潮はどんどん大きくなっていきます。


 悪魔が海面に浮かび上がってからしばらくして渦潮は何事もなかったかのようにピタリと止まりました。


「さて、最後の仕上げね」


 少女がそう言って指を鳴らすと、どこからか大量のサメが現れ悪魔を噛みちぎり始めます。


 サメが居なくなった頃にはもう悪魔の姿はなく、赤い血液が波に流れているだけでした。


「本当に大したことなかったわね」


 少女が指を鳴らすと指輪と、頭に付いていた冠が消えて手にクイーンのトランプが現れました。


 それをトランプケースに戻し、少女は少し不機嫌になります。


「また服が濡れちゃったわ…… まぁでも変化の悪魔の力を試せたからいいわ……」


 少女はこの前と同じように、服を乾かすためにゆっくりと教会に帰ります。

 

最後まで読んでくださりありがとうございました。


次回更新は10日以内に更新します。

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