第20話 シンデレラの真実
お待たせしましたしました!
3日以内にあげれました!
では、本編をどうぞ!
少女は老婆から奪った懐中時計を安全な場所に保管し、椅子に座り一息つきました。
「もうそろそろで次の段階に移れるだろう。イレギュラーなことがいくつかあったが、準備もある程度は完了してるしな」
少女は自分の心臓に手を当てて、小さく微笑みました。
少女が次の計画を考えている時、家に扉をノックする音が響きます。
「またあいつか……」
呆れた声を出し、少女は扉を開けた。
「何の用だ……」
「レイカ!久しぶり!!元気にしてた?」
扉の外にいたのは満面の笑みで佇むエラでした。
「つい先日来ただろうが……」
「先日?私がこの家に来るのは本当に久しぶりの事よ?今日はマギルさんの情報を持ってきたの!」
エラは相変わらずニコニコとしながら、半場無理やり少女の家に上がり込みました。
「マギルの情報もこの前お前が言ってただろ?何を寝ぼけてるんだ」
「だから、この前って私はこの家には来てないわよ!?誰と勘違いしてるの?」
少女がしつこく聞くものだから少し機嫌を悪くしたエラが、台所に行って紅茶を入れ始める。
「おい、何を勝手に使ってんだ」
「さっきレイカが言ってたことでちょっと話したいことがあるの。で、少し長くなりそうだから紅茶でも飲みながらお話しようかなって」
エラはレイカにそう告げて、鼻歌を歌いながら紅茶を入れるのを再開しました。
数分も経たないうちに紅茶は出来上がり、エラが持ってきたスコーンと共にテーブルに運ばれた。
「で、話って何なんだよ」
「さっき、レイカが私は先日来たって言ってたじゃない?でも、私は本当に先日ここになんか来ていないの。でも、先日ちょっとおかしなことがあったの」
少女はエラが真剣な表情で話を進めるので、何か自分の計画にも影響が出るのではないかと思い。少女自身も真剣な心持ちでエラの話に耳を傾けました。
「そのおかしなことって何が起きたんだ?」
「私がいたの」
「は?」
エラがあまりにも突拍子もないことを言うので、少女は呆気にとられてしまいました。
「正確には私に似た誰かがいたのよ」
「お前に似た誰か……」
少女は自分の記憶を探りながらエラの言った事を考えます。
そして、少女はその”エラに似た誰か”に何度か会っていることを思い出しました。
一番初めは隣街に行く際に地図を渡された時。そして、二回目はマギルを殺す前に吸血鬼についての本を置いていった時の二つです。
「私が絶対に助けるから……」
それは、その二回にわたり出会った際にその”エラに似た誰か”がレイカに対して言い残した言葉でした。
「そうか…… そういう事か……」
事の詳細が分かった少女は、納得した様子で怪しい笑みを浮かべました。
「何か分かったのレイカ?私にも教えて?」
「いや、お前は知らなくてもいいことだ。とにかく疑ってすまなかった」
少女はエラに謝罪をし、紅茶のお代りをエラのコップに注ぐ。
そして、紅茶を注ぎ終わった後に少女はスコーンを口にして少し苦い表情をした。
「どうしたのレイカ……?」
「甘すぎる…… 俺は甘いものはあまり好かん」
「それは、ごめんなさい……」
エラは少し申し訳なさそうにしながら、スコーンを片付けようとします。
「片付ける必要はない。好かんというだけで食わないとは言ってないだろう?」
そういって、少女は自分の持ち分のスコーンを全て平らげました。
「まぁ、こいつ自身は甘いものを好むらしいしな……」
少女はエラに聞こえないような声でそうつぶやきました。
「ん?レイカ何か言った?」
「何でもねぇよ。ほら、用事は済んだだろう?さっさと帰れ」
手で払うような動作をしながら、少女はエラに早く帰るように催促する。
「もう…… つれないわね…… 分かったわ、じゃあ今日はこれで帰るわね」
そういってエラは渋々少女の家を立ち去りました。
エラが少女の家から出て行った後、少女は自分の胸に手を当ててニヤリと笑いました。
「さて、ひと暴れしに出かけようか……」
そういって少女は自分の懐に入っていた鉈と、拳銃をテーブルに置き自分の家を後にしました。
少女が家を出ると、外は今まで以上の大騒ぎになっていました。
「一体何の騒ぎだ?」
不思議に思った少女が近くの壁に目をやると、そこには探偵マギル殺しの犯人に多額の懸賞金を賭けるという張り紙があったのです。
「それで、周りの人間はこうも大騒ぎしているのか。そうかそうか、それは俄然面白くなってきたな……」
少女はその張り紙を剥がし、路地裏に入ろうとした瞬間少女は何かにぶつかりました。
「っ……!なんだ……?」
「レイカ!」
頭をさすりながら少女がぶつかった方向に目をやると、そこには切羽詰まった表情をしたエラがいたのです。
「なんだ、まだ何かあるのか……?」
「レイカ!お願い!!今日だけは外に出ないで!!」
あまりにも真剣な表情のエラに、少女は少し疑問を覚えました。そして、その少女の疑問は先ほどのエラの話の内容から、それは疑問ではなく確信に変わりました。
しかし、少女はいつもの調子でエラに話しかけます。
「随分といきなりなことを言うじゃないか、何があるっていうんだ」
「今はそれをレイカに話すことはできないの…… でも、今日1日家に居てくれたら明日絶対に理由を話すから!だからお願い…… 家に引き返して……!」
少女はあまりにも必死なエラに対して、つい笑いを溢さずにはいられませんでした。
「何が面白いっていうのレイカ!?」
「いや、済まない…… 悪気はないんだ。ところで、お前は今何回目だ?」
怪しい笑みを浮かべて、少女はエラにそう問いかけます。
「え……?何を言っているの……?」
「まぁいい。わかった、今日は1日家に居ることにするさ。だが、必ず明日理由を話せ」
少女のその答えにエラは一気に明るい表情になりました。
「ありがとう……!絶対に約束するわ。それじゃあまた明日ね……」
エラは笑顔で少女にそう伝え、急ぎ足で少女の家とは反対方向に走っていきました。
少女はその姿が見えなくなるまで見送り、小さな声で呟きます。
「家になんて帰るわけないだろ……?」
路地裏に入り、少女は小さくため息をつきました。
「さて、これからどうするかね」
そう考えながら路地裏を歩いていると、出口のほうに一つの人影が現れたのです。
「おい君!こんなところで何をしている!!」
それは、政府の警察官でした。
少女は警察官の顔を見ると、ニヤリと笑いその歩みを止めました。
「ちょうどいい、お前にしよう……」
最後まで読んでくださりありがとうございました。
次回で第1章終了です!!
ですが、まだ続きますから!!まだまだこの小説は続きますから次回読んでもブクマ外さないでください!!
次回更新も3日以内にしたいと思います。




