第15話 国の崩壊
お待たせしました!
また1ヶ月ほどお待たせしてしまってすみません!
忙しい時期が過ぎれば早く更新出来ると思います。
では、本編をどうぞ!
メラルダの剣と少女の鉈が激しくぶつかります。
「子供の体なのに何でこんなに力があるんだ……!」
「馬鹿か、どんな体になろうとも俺の力は落ちないんだよ」
メラルダと剣を弾き返し少女は不敵な笑みを浮かべます。
「そんなんじゃ俺は殺せないぞ?それともあれか、姿が子供だから殺すのを渋っているのか?」
「そんなこと……」
メラルダは言葉を濁しました。
図星でした。いくらメラルダの家族を殺した相手といえど姿が子供だと殺そうにも、殺意よりも先に一瞬の躊躇いが出てしまうのです。
「なんだ図星か…… つくづくつまらないやつだな人間って言うのは……」
「真の姿を表せ!この卑怯者!!」
殺したいのに殺せない、そんな怒りからかメラルダはそう少女に叫びました。
「真の姿だァ?これが今の俺の真の姿だよ」
少女はニヤニヤと笑いながらそんなことをメラルダに語りかけます。
「戦う意志がないのならこのまま首をはねてやるぞ?」
膝をついているメラルダの首に少女は鉈を押し当てます。
当てられた場所からは血が出始めました。
「…………せない……」
「は?」
「許せない!!」
メラルダが叫んだその瞬間、メラルダの剣が少女の喉笛を狙いました。
「くっ……!この奇襲でもダメなのか……」
「危なかったよ…… うまかったと褒めてやる」
少女は喉笛に当たる寸前のところで剣を鉈で弾いたのです。
メラルダが急いで少女から距離を取ったところで、少女はある疑問をメラルダに投げかけます。
「お前、何で夜に仕掛けてきた?俺がいるいないにしろ夜じゃ兵士たちに勝ち目もないだろう」
少女は「俺がいたからさらに勝ち目はなかった訳だが」と付け足しメラルダを見つめます。
「昼間だとだと子供が危険に晒されるだろ……!」
メラルダは小さな声でそうつぶやきました。
「その判断の結果がこの惨状の訳だが?」
少女は妖しく笑いながら子供に殺される国民達に目を向けます。
「お前に人の心はないのか……!」
「そんなもんあるわけないだろ?」
少女のその言葉を聞きメラルダの体がぷるぷると震えました。
「この悪魔がァァ!!」
そう叫び少女に斬り掛かったのです。
「無駄な特攻は命を縮めるだけだぞ?」
少女はそう言って鉈で剣を受け止める準備をします。
「そこだ!!」
メラルダは一気に体制を変え少女の「鉈」を空中に弾き飛ばしたのです。
「なっ……!」
「もう容赦も躊躇いもしない!!ここでくたばれ!!」
今度は脳天から少女を斬り掛かろうと剣を振りかざしました。
国民全員がこれで勝ったと思いました。しかし………
銃声と共にメラルダが後ろに吹き飛びます。
「なんてな。なにか覚悟を決めていたようだが、油断をしていたお前の負けだ」
「ひ、卑怯な……」
メラルダは口から血を吐きながら少女を睨みつけます。
「卑怯だ?何言ってやがる。俺は一言も剣で戦うとは言ってないぞ?そもそも俺が持ってるのは鉈だ。剣ですらない」
そう言って少女はメラルダにとどめを刺す為に、もう一度銃の引き金を触りました。
「メラルダさんに手を出すな!!」
少女が引き金を引こうとしたその時、1人の青年が少女の目の前に立ち塞がったのです。
「なんだお前は……」
「メラルダさんになにかするつもりならまず俺を倒していけ!!メラルダさん、今助けますからね!」
青年はメラルダに笑顔でそう告げました。
「逃げろ!!気持ちは嬉しいがお前のような男が敵う相手じゃない!!」
「そんなことないですよ!相手は見るからに子供じゃないですか!!俺が返り討ちにしてやりますよ!」
青年は剣を構えて少女を睨みつけます。
「なんだ、ただの自殺志願者か…… なら、お望み通りにしてやろう」
「ごちゃごちゃうるさいぞ!早くかかって…………」
青年が言葉を言い終わる前に、その青年の頭は少女の手によって首から落とされたのです。
「うるさいのはどっちの方だ」
少女は青年の頭と体を蹴飛ばし再びメラルダの前に立ったのです。
「くそっ…… この悪魔が……!」
「お前らの仲間にお前がしっかり死んだという事を思い知らせるように殺してやらんとな」
そう言って少女は静かに指を鳴らします。
すると、轟音と共に少女とメラルダを囲むように氷塊が現れました。
「なんのつもりだ……」
「準備をするんだよ。これで外から中の様子を見ることは出来ないからな」
そして少女は再び指を鳴らしました。
今度はメラルダの後ろに石で出来たら大きな十字架が現れ、そこから紐が伸びメラルダを張り付けにしました。
「どうだ?良い眺めだろ?と言っても氷しか見えないか」
少女はニヤニヤと笑いながらメラルダの持っていた剣を拾い上げます。
「俺も鬼じゃない最後に言い残す言葉はあるか?」
すると、メラルダは諦めたように大きく息を吸い込み。
「反乱軍に告ぐ!!全軍撤退せよ!!これ以上死人を出さないでくれ!私たちに勝ち目はない、どうか隣国に逃げてくれ!!」
メラルダは涙を流しながらそう叫んだのです。
「あなた達の役に立てなくてごめんなさい……」
そう最後に呟き目を閉じたのです。
「良い演説だった。さっき死んだ男によろしくな」
そう言って少女はメラルダの持っていた剣をメラルダの心臓に突き刺しました。
「叫び声ひとつ上げないとは立派なものだな。では、お前の可愛いお仲間にご対面させてやるとするか」
前回同様氷を破壊すると、氷の破片が雪のように舞散りメラルダの死体を幻想的に彩りました。
「メラルダさん……?」
今まで戦っていた国民達は目を疑いました。
なにせ、さっきまで一緒に戦っていたメラルダが、十字架に張り付けにされ胸に剣を刺されて死んでいるのですから。
「このクソガキが!!メラルダさんに何をしやがった!」
国民達の怒りなどには目もくれず、少女は城の屋根に飛び上がり兵士たちに指示を出します。
「全兵武器を銃に持ち替えろ、雑魚どもの掃除だ。そこらを歩き回ってる子供も銃殺しろ」
あまりにも冷たい声でそう指示を出し、少女は城の中へ入っていきました。
それからの出来事はとても残酷に終わりました。
兵士たちが銃を乱射。国民達は逃げ惑い、子供の親達は子供に包丁で刺されながらも子供を守るために子供を抱きしめ、かばいながら背中を撃たれます。
徘徊する子供たちは頭を撃ち抜かれその場で倒れました。
まさに地獄絵図。
「アハハハハ!本当に最高だ!!」
その様子を見ながら少女は腹を抱えて笑っていたのです。
「ふぅ…… さて、お前の願いは叶えてやったぞ」
「あ、あぁ…… 礼を言う……」
一通り笑ったあと、少女は国王の方を向き戦いの惨状を見せました。
「さて、対価を貰おうか…… お前ら国王軍の命でいいだろう」
「な、何を言ってるんだ!!」
少女は鉈を取り出し国王にジリジリと近づきます。
「兵士たちよ!反逆者だ!!」
王は兵士を呼び、少女に対抗させますがその抵抗の終わりは早く訪れます。
元々今の今まで戦闘をしていた兵士たちです。体の疲れは極限まで達していてまともに戦える状況ではなかったのです。
素早く兵士たち全員の首を落とし、残るは国王ただ1人。
「た、頼む……!見逃してくれ!!」
国王は泣きながら少女にそう頼み込みます。
「あ、言ってなかったが。元々俺は暇つぶしにこの国を滅ぼすために来たんだ。だから、見逃すとかねぇから」
そう言って国王の首をはね、少女は笑顔で自宅に帰りました。
次の日、少女が目を覚ますと少女の耳にあるニュースが飛び込みました。
「隣国、一晩で滅ぶ。内乱の末の惨状と思われる、か……」
少女は新聞を暖炉の中に放り込みため息をつきます。
「はぁ〜…… なんで人間っていうのはこうも馬鹿なのかね……」
すると、少女の家の扉をノックする音が家に響きました。
「ん?朝早くになんだ……?」
最後まで呼んでくださりありがとうございました。
次回更新は10月前半には上げます。




