第七話 迷宮都市セラフォルン
王都を目指して一週間ほど経った。
俺達は次の街、セラフォルンに着いた。
この街は大変栄えていてとても活気がある。
この街、いや都市と言うべき規模だろうか、ここが栄えているには理由がある。
それはこの街の中心にあるダンジョンだ。
ダンジョンはこの街にやってきたとある賢者が気まぐれに建てたらしい。
その巨大な塔のなかには、別に何が入っているというわけでもなく、地下へと続く階段があっただけだった。
その塔の地下には魔物が住んでおり、倒すとアイテムや素材を落としていったと言う。
そして、その噂が冒険者のなかで有名になり、冒険者はダンジョンに入り一攫千金を夢見て、奥まで進んで行くが、帰ってくる者はほんの少しだけだという。
そのため誰もダンジョンの最深部までいけたことが無いらしい。
しかもダンジョンは世界に数えるほどしかなく、だから王都から離れていても結構活気がある、と言う事だそうだ。
そして俺はそのダンジョンに行くことを決めた。
「ダンジョンですか?」
「そうだ。ダンジョンだ。これからダンジョンに向かおうと思う」
でもダンジョンに行く前にアンナの装備も整えないとな。
とりあえずダンジョンに向かう前に宿屋とアンナの装備を整えよう。
俺はとりあえず街中で武器屋を探した。
意外と広く、歩き回ってやっと見つけた一軒の武器屋はすこし古く、木造で屋根に大きな看板が取り付けられている。
中に入ってみると棚や壁にいろいろな種類の武器が飾ってあった。
アンナに持たせる武器か、何にしようかな。
彼女にはできるだけ後衛に回ってもらいたい。
なんせ女の子が傷つくのは嫌だし、死なれたりしたら困るからな。
「アンナ、何の武器がいい? 自由に選んでくれてかまわないよ」
「え、いいのですか? 奴隷の身分でそんな……」
「いいんだよ。俺はアンナと奴隷とかそんな関係じゃなくて、友達として一緒に旅がしたいんだ」
そう言うと彼女は顔を少し赤らめながら恥ずかしそうに俯いた。
そういえば俺はアンナのことを奴隷として扱ったことはなかったな。
無責任かもしれないが、奴隷を買ったはいいが、そもそも奴隷なんてどう扱えばいいかわからないし。
「とりあえず使ってみたい武器があったら言ってね」
「はい」
そう言ってしばらくするとアンナは短刀を持ってきた。
なぜ近くにおいてあった短剣じゃないんだろうとし思いつつ俺は買ったのだった。
宿はとりあえず迷宮に近いところの宿に泊まった。やはり前の町より料金が少し高くなっていた。
部屋の中で俺とアンナは体を魔法で作った水で濡らした布拭いていた。
汚れは落としておかないとな。
お湯は魔力でつくれる。本当に魔力は便利なものだ。
俺がある程度拭き終わった後アンナが拭き始めた。
俺は咄嗟に後ろに向いた。
後ろで体を拭いている音がする。
アンナは年齢は俺と近い14歳あたりだろうか。
結構スタイルが良く顔も整っている。
はぁ、おっぱい揉みたいなぁ...ッツ!?
な、何だこの溢れ出てくるような煩悩は! 煩悩退散!煩悩退散!
いかんかん、これじゃまるでスケベで変態なおっぱいのことしか考えてない高校生みたいだ。
なんて事を考えているといつの間にかアンナが体を拭き終わっていた。
「シュートさん、拭き終わりましたよ。それと、さっきすごくエッチな目をしていましたよ」
アンナが半眼で言ってくる。
いや、これは俺が悪いわけじゃない! いきなり煩悩が溢れ出てきたんだ!
アンナが綺麗過ぎるからいけないんだ。
そう、その綺麗過ぎるスタイルと顔が悪いんだ!
「なんだかわからないですけどすごく寒気がします」
なんでだろう……やっぱり俺のせい?
そんなこんなで俺とアンナは眠りについた。
でもその前に俺は高ぶる衝動を抑えきれずに少し楽になった。
だって男の子だもん、しょうがないよね。
その日はぐっすり眠れた。
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