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第五話 小癪なまねを

 教会で加護をもらってから10日ほど経った。

 俺はいつもの通り金稼ぎにいそしんでいた。

 

「はぁ、いつになったら金貨20枚ためれるようになるんだろう」

 

 奴隷のことを話してくれた人も、もしかしたら、奴隷によって価値が変わる可能性があるって言ってたし、金貨20枚以上稼いでおかないとな。


 加護をもらってからクエストをこなしていく度、ほんの少しずつ強くなっている気がする。

 一応冒険者カードにレベルが書いてあるけどまだ1なんだよな。

 こんなんで本当に強くなれるのかな。


 そんな感じで毎日お金を稼ぐ日々が続いた。

 

 そんなある日の夜。


「やぁ、またあったね。というかまた来たよ。調子はどうだい?」

 

 なんだ。神のしたっぱじゃないか。

 

「だから僕は神のしたっぱじゃないよ~ところで君、自然の神の加護を受けているね」

 

 ギルドの人に教会に連れて行ってもらってつけてもらったんだよ。

 

「それは何より。君は強くなりたいかい?」

 

 何だいきなり。強くなれるんだったら強くなりたいね。そうすればお金も稼げるし。

 

「そうかい。なら僕の力を貸そう」

 

 気前がいいな。さては何か(たくら)んでいるな? 実は悪魔なのか?

 

「違うよ。僕は君をこの世界に連れてきた。そしてこの世界を楽しんでほしいんだ。」

 

 意味がわからない。お前の目的は何だ。何がしたいんだ。

 

「目的も何もただ君にこの世界を楽しんでほしいだけだよ。これからも頑張ってね。見守っているよ」

 

 ああ、がんばるさ。

 あの神は本当に何がしたいのかわからない。

 だが力を貸してくれるって言うなら存分に使わせてもらおう。


 朝起きてすぐに体の異変に気付いた。

 

 頭が少し痛い。

 

 あと体の中から力があふれ出てくるような感覚がある。

 あの神なにをしたんだ一体。

 

 とりあえず外に出てみる。

 いつもと変わらない風景。

 

 いつものようにギルドでクエストを受ける。

 今日受けるクエストはオーク10匹の討伐で報酬は金貨50枚だった。

 普段なら受けないクエストだったが今ならできる気がした。


 森について少し進むとすぐオークがでてきた。

 いつものように火魔法を放つ。

 だが今日の火魔法は違かった。

 いつもの数倍威力が高い。

 それでいてなぜか魔力を使った気分がしなかった。

 

「あの神なにをしたんだ? 全くわからない」

 

 魔法を使っても疲れる気がしなかった俺は森のいたるところでオークを見つけ、次々と狩っていった。


「オ、オークを50匹ですか!?」

 

 ギルドのお姉さんが大きな声でそう叫んだ。

 周りの冒険者達も騒いでいる。

 そこまで騒ぐものなのか?

 

「はい。たまたま気分がよかったので」

「気分の問題じゃありませんよ! まず一般の冒険者がパーティを組んで森に入ったとしても一日で15匹程度しか狩れないんですよ?」

 

 そうだったのか、俺ってそんなに倒してたのか。てっきり普通のことだと思っていたが。

 

「報酬の金貨5枚です。次も頑張ってくださいね」

 

 それにしてもこれだけオークを倒したのに余り疲れていない。

 

 これもあの神のおかげなのか?

 しかもいつもの倍くらい早く走れたし、魔法を使っても全然疲れてないなんて。

 その夜はベッドに横になっても疲れていないのですぐには眠れなかった。


「やぁ、またまた登場。どうだい調子は?」

 

 お前なにをした。

 

「ただ力を貸しただけだよ。力というよりは加護を授けたんだよ」

 

 お前の加護が強すぎて、そこらへんの魔物がかなり弱く感じたぞ。

 

「言ったでしょ? 僕は強いって」

 

 自分で言うかそれを。お前は誰だ?

 

「今の君に言ってわかるかどうかは知らないけれど僕は神バアルだよ」

 

 おい待て、バアルって確かソロモン王が使役していた72人の悪魔の中の一人じゃないのか?

 

「確か君の世界ではそんな感じだったね。でもこっちは異世界さ。君の世界の常識とはまた違う」

 

 どういうことだ?


「この世界の悪魔は皆神が作り出した影なのさ。この世界の神は光ともに影も必要だと考えたんだ」

「実際この世界の悪魔は君の世界ほど悪さはしないし逆に優しいんだ。実際影とか言っているけど神様ともよく話しているし」

 

 なんだかよく分からなくなってきたな。

 とりあえずこの世界には、前の世界の常識は通じないことはわかった。


「とりあえず君は僕の加護がついているから多分並の魔物じゃ倒されないから大丈夫だよ」

 

 なんか俺って凄い神の加護をもらったみたいだな。

 神なのか悪魔なのかよくわからないけど。

 

 

「能力アップ以外にも、魔法のほうもいろいろと凄くなってると思うから頑張ってね」

「あと魔力の供給が必要なく……」

 

 とりあえずありがとう。神バアル様。

 そんな会話をして意識が薄れていった。


 

 起きた。

 夢の中でバアル様と話してわかったことは

 バアル様の加護が俺についていて、

 それが強すぎるせいでそこらへんの魔物は楽に倒せるってことだ。


「あと魔法も強くなってるとか言ってたな。あと何か言いかけてた気がする」

 

 手の平で魔法を発動させる。

 どうやら俺は魔法を使っても疲労を感じなくなったらしい。

 

 これもバアル様のおかげかな。

 ちなみに俺の得意な魔法は火でそれ以外は苦手だ。

 魔力消費が激しくなる。

 

 魔力の消費が自分の処理能力に合っていないと魔術回路が壊れてしまう。

 そのほかにも体に被害が出たりする。

 

 中でも土魔法が苦手でそこらへんの石を魔力を使い金に変えるなんてことも

 ガルマ先生に教えてもらったが魔力の消費が大きすぎてできなかった。

 

「今ならできるかな。試しにやってみようか」

 

 外に出て宿の横にあった漬け物石みたいな石を拾う。意外と軽いな。そして頭の中で金をイメージする。


 すると手の上にある石が金に変わった。重さもさっきよりずっしりとしている。

 

「今までできなかったのにできるようになった……これもあの神のおかげなのか?」

 

 すると近くの商人らしき人がこちらに走ってきた。

 

「君っ、これを少し見させてもらえばいかね?」

 

 さすがに町中の魔法の発動はいけなかったかな。

 

「ふむふむ……これはなんとっ! まさしく本物の金じゃ! どうやって生み出したんだね!?」

 

 うわ、顔近いよ。魔法って言うわけにも行かないからな。

 

 

 「この大きさ。金貨5枚で買おう!」

 

 その商人は俺が石から作った金を金貨5枚で買ってどこかに行った。持ち運ぶのにかなり苦労していた。

 

 試しにそこらへんに落ちている小石を次々と金に変えながら拾って行った。

 もう魔法というより錬金術?になっている気がする。

 

 そしてある程度あつめたら冒険者ギルドの近くの質屋に持っていった。

 そんなことを繰り返しているうちに金貨20枚を稼ぎ、

 

 もとの持っていた金貨とあわせて35枚の金貨を集められた。

 

 「よし、なんか達成感無いけど金貨も集まったしいざ、奴隷商人のもとへ」

 お金も貯まりましたし、次は奴隷商人から奴隷を買います!

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