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第三十六話

「ルナ、起きなさいもう朝よ!」

「あとちょっとだけぇー」

「そんなこと言ってないでさっさと起きる!」


 母親に布団をはぎ取られ、無理やり起こされる。


「せっかく気持ちよく寝てたのに……」

「ほら、いいから顔を洗ってらしゃい」

「はーい」


 私は生まれつき目が悪く、周りがぼやけてほとんど見えません。

 でもいつもの生活している範囲なら慣れているのでへっちゃらなのです!

 家の裏の勝手口から出てすぐのところにある、水瓶の中に汲まれている水で顔を洗う。

 そのあと家の中に戻り、朝食をとる。


「パパ! 今日はどんなことしてくるの?」

「そうふぁなー、近くにリクガニふぁ出てるらしいからふぉれをとってくるぞー!」

「口にモノを入れて喋るんじゃないよ!」

「パパ頑張ってね!」

「おうよ! 沢山頑張って稼いでくる!」


 ガハハ、と笑いながらガツガツとご飯を食べるパパ。

 パパはいつも元気でモンスターを倒して稼いでいる冒険者なのです!


「あまり無茶はしないでよ? 稼ぎ頭がいなくなったら私たちどうなることやら……」

「大丈夫大丈夫! 危なくなったらすぐに帰ってる!」


 いつもは強いママでもパパには少し優しいのです。

 そして、パパを見送ったあとは、とくにすることもないので、家の壁にもたれながら空をみるのです。

 私ができることはほとんどありません。

 食器を洗えばすぐに落として割ってしまったり、外に出てもフラフラ歩いて周りに迷惑をかけてしまいます。


 ガシャーン!

 家の前の方で何かか破壊されるような音が聞こえる。


「あんたたち! よくもアタシの農具壊してくれたね、弁償しな!」

「いいがかりはやめてよ奥さん、俺たちはただ通り過ぎただけだよ~?」

「ママー?」

「近寄るんじゃない! 家に戻ってな!」


 声を頼りに行こうとしましたが、怒鳴られて大人しく家に入ることに。


「大丈夫かな……」


 そのあと、少しの間外が騒がしくなり、すぐに静かになった。

 私は心配だったので、試しに扉を開けてチラッと外を見てみることにしました。


「あんまりやりすぎるなよ、売れなくなる」

「ッ!?」


 外をみてもよくみえませんでしたが、ママが倒れてしまっているのはなんとなくわかりました。

 私は急いで駆けつけました。


「やめて!これ以上ママをいじめないで!」

「なんだ、コイツ?」

「この女の子供じゃねえのか?」

「まあいい、まとめて連れて行け」


 大きい大人達がルナを取り囲み、無理やり足枷や手錠をかける。

 私は激しく抵抗したため、男の一人に頭を殴られ気絶してしまい、そして気づいた時にはそこは檻のようなところで、馬車の荷台の上でした。


「ママァー!」

「出してよ!出してったら!お願いだから出して!」

「うるせぇ!静かにしてろ!」

「イヒィ!?」


 私が騒ぐと見張りの人のムチが飛んできました。


「ママァー!」

「お前のママはなぁ、自分の命を守るために前を売ったんだよ!」

「そんなことない!そんなことするはずない!」

「面白かったぜぇ?『娘をあげるので命だけは!』ってすがりついできたんだよ、ひゃっはっは!」

「ママが、そんなこと、するはずない……ママ、ママ、ママァ……」


 ここから私の奴隷としての生活が始まっていきました。

 そして私はママとパパがつけてくれた大事な名前を思い出と共に捨てました。

 今回も読んでいただきありがとうございます!

 休日にあげれなくてすみませんでした。

 これから気温もぐんぐんあがり、夏ですね。

 プールや花火に海イベント、あったらいいなの空想祭りです。

 カクなんとかさんの方で夏にピッタリな弱短編小説を書いているのでよかったら読んでみてください。

 ちなみに今は一話だけです。

 ツイッターもやっているので良ければ!

 

 これからもよろしくお願いします。

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