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第二十三話

 ――ここはどこだ?


 四方が真っ白で白以外何も見えないがここは何となく覚えている気がする。

 

 

 『やぁ、久しぶりだね』

 

 

 あぁ、久しぶりだな、悪神バアル。



 『確かに悪魔なんだけど君のいた世界とこの世界の悪魔はいろいろと違うからね』



 そうなのか?俺には違いが分からないが。

 どんな感じで話しているのか相手の姿が見れないのでよくわからない。



 『あ、そうそう。僕が何で出てきたかというと』



 彼は少し間を空けたあと、言った。


 

 『下界に堕ちた神が近々君と対峙するかもしれないから気を付けてね』

 


 これが神の神託ってヤツなのだろうか。  

 それにしても神と対峙か。



 『じゃあとにかく気を付けてね応援してい――』



 段々と意識が遠のいていく。





 「やっと起きたのか、主」

 「心配しましたよぉーシュート様ぁ」

 「あ、ああ。でも俺確か氷柱で背後からブスッとさされたんじゃ......」

 


 あの時は確かにちゃんと痛みもあったし、今も突き刺さっていた所には少しあの時の感覚が残っている。

 

 エリーは不思議そうな顔をして言った。

 

 

 「主、傷の大体は魔力がある限り無限に治るから、主は余程のことがない限り死にはしないと思うぞ」

 「そ、そうか」



 大抵の傷は魔力で治せるね、運動エネルギーから自然現象、自分の体の治癒まで何でもできるなんて魔力は万能だな。


 

 「それで一角白兎は?」

 「それなら向こうに溶かしておいたのが置いてあります。因みにもう死んでいます」


 

 そちらに向かうと一角白兎はうつ伏せの状態で倒れている。

 近くで見るとよく分かる。

 綺麗な白色の毛並み、緋の色をした美しい瞳、そして額に生えるは凛々しく尖っている角。

  


 「とりあえずエリー、異空間にでもしまっておいてくれ」

 「わかった」



 二匹の一角白兎をエリーに仕舞わせた後、ギルドに着きクエストを達成したことを伝えるためにギルドへと向かった。

 その行く途中でチラチラと雪が降ってきた。


 

 「雪なんて初めて見ました。とても綺麗です」

 「雪か、久しぶりだな」

 「スノードラゴンを思い出す」




 そうこうしているうちにギルドへと着いた。

 

 

 「クエストを達成したことを報告しに来ました」

 「はい、一角白兎の討伐ですね。カードを呈示してください」


 言われたとおり、カードを渡す。

 何をしているかはやっぱり分からないがどうやら確認は取れたようだ。



 「クエストの達成を確認しました。ありがとうございます」

 「どういうことですか?」



 普段クエスト達成してもありがとう等の感謝の言葉は言われたことは無かったので少し不意義に思った。


 

 「一角白兎はここら一帯の四季支配獣の一匹なんですよ。なので一角白兎を倒さないと本当の冬は来ないので、討伐された方には感謝をしています」



 四季支配獣はその名の通り、季節を支配している四匹の獣で、一角白兎の他にも虎型や像型の支配獣がいるらしい。



 その後、解体のおやっさんの所に二匹を運び、宿に帰ることにした。


 

 「疲れましたよー、これからシュート様の夜のご奉仕があるというのにどうしてくれるのですかぁ」

 「いや、無いからな。体を拭いたらさっさ寝るんだ」

 

 

 エリーは不満そうに外を眺めながら何かを言っている。  

  


 「もっと強いやつ来ないのか?」

 「そんな事になったら町が滅ぶからやめてくれ」


 

 そうして体を拭き終わった俺たちはランタンの明かりを消した。

 疲れた体をいち早く癒すために、直ぐに深い眠りに落ちていったのであった。

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