第一話 解明魔法
家の中は意外と綺麗になっていて、訳の分からない機械がいろいろと置いてあった。
「では聞こう。おぬしは何が知りたい」
「魔術とはなんですか?」
「ふむ、おしえてやろう。魔術とはー」
この人の話によると、魔術は本来魔物が使うもので、人間が使うものではないと言う。
魔術は魔力を使い現象を起こすもので、その魔力はこの世界には魔術回廊なるものがあり、モンスター達はそこから魔力を補充して戦うのだと言う。
人にはその魔術回廊を扱うことが出来ない。
よって人は魔法を使えないし感知も出来ない、ということになるのだそう。
「だから本来わしが研究するにはモンスターを捕まえなくてはいけないんじゃよ。だがこれをみてみよ」
彼の右手の手の甲には人差し指と中指と薬指の付け根に三つの円とその下に少し大きめの円が書かれておりその円の周りには何かの文字のようなものがが刻まれている。
「な、なんですか、これは」
「これは魔術回路じゃよ。これを書くことにより人にも魔術回廊を伝って魔力を得られるようになり、魔術が使えるようになるんじゃ」
この人はこれを一人で完成させたのか!?
なんて人だ、考えられない。
だが時代はいつも進んでいる、世界にはいつも先駆者がいるものだ。
「なら私にもつかえるようになるのですか!?」
「ああ、使えるようになる。おぬしも魔術が使いたいのか?」
「はい! 魔術をつかえるようになりたいです!」
これで夢だった魔法使いに俺もなれるのか。
異世界に来たらやっぱり魔法が無くては。
「じゃがこの魔術回路を刻むのに1日はかかるぞ。それでもよいのだな」
「はい!」
そこからは座りっぱなしの一日が続いた。
座っているだけでもすごく疲れたし、魔術回路を刻む時ものすごく、くすぐったい。
最後のほうなんて拷問かと思うくらい疲れたしくすぐったかった。
「よし、これで完成じゃ。手がもげない限りは魔術を使えるぞ」
やった! これで俺も魔術師だ! だが、ものすごく疲れた。
「魔法を使う前にちと勉強せねばな。そう簡単には魔術は操れんのじゃ」
この日からこの人の下での生活が始まった。
「そうそう、これからはわしのことをガルマ先生と呼びなさい」
「分かりました。ガルマ先生」
何故かガルマ先生は嬉しそうだった。
ま、いいや。これでなんとか衣食住は先生の所で大丈夫そうだ。
先生の授業でだいぶ魔術、魔法について詳しくなった。
魔術は考えるより覚えるものが多かった。
そして一ヶ月後、ついに実技の練習になった。
魔術回路の使い方は自分のなかで必要だと思えば勝手に魔力が流れ込んでくるらしい。
「まずはそこに火球を作って見せよ。イメージすれば魔力が流れ込んできて出来るはずじゃ」
うーん......火の玉、炎ーこんな感じかな。
すると俺の手の上に赤い火の玉が一つ出来た。
「初めてにしては上出来じゃ。大体のものはイメージすれば出来るじゃろう」
イメージが大切なのか。
じゃあエロい事考えたらどうなるんだろう。
い、いやだめだだめだ、そんなことを考えては。
まして大きく揺れるたわわな果実を考えてしまうなど。
そんなことをやってるうちに手の上の火の玉が二つになりその二つの火の玉に丸い小さい輪ができてそこに小さい丸がついた。まるで乳のように。
「こら!何を創造しておるんじゃ貴様は!そ、それじゃあまるっきりお、おお、おっぱいではないか!」
あ、やらかした。ついつい卑猥なこと考えてこんなことしてしまった。
でも案外ガルマ先生は卑猥なことに抵抗が無いようで。
「まぁいい。男子なら仕方なかろう。このように自分の想像したことは結構な割合で反映してしまうから注意して置くように」
「はい......」
こうして俺は火の魔法を操れるようになった。
その後も水、風、土、光、闇などの魔法を一通り使えるようになった。
「わしが教えられることはもう何もない。よく頑張ったな」
「ここまでおしえてくれて、ありがとうございます」
「魔法はまだまだ未知の領域じゃ。ゆえに自分で創造することも可能じゃろう。おぬしも自分なりの魔法『解明魔法』を極めてみるのじゃ」
「はい! 今までお世話になりました。」
「先も言ったように、ここで教わることはもう無いのじゃが、これからどうするのじゃ?」
そういえば目的もなにも決めてなかったな。
「とりあえず旅に出てみようかと思います」
「がんばるのじゃぞー!」
言ってからの行動は早かった。
ガルマ先生に見送られながら、俺は旅に出た、と言うか王都を目指した。
ここまで読んでくださりありがとうございます!
すこし展開が速かったでしょうか?
これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします!