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第十四話

 まず俺たちは、宿を探すことにした。

 やはり泊まる所が無いと、荷物(にもつ)を置けなかったりといろいろ不便だからな。

 

 「どうやらオルマンは綺麗(きれい)(みずうみ)が有名だそうですよ」


 オルマンの湖か、一度行ってみるか。

 とりあえず、街を歩いていると前に宿屋(やどや)看板(かんばん)がみててきた。

 そして俺たちはその宿に宿泊することになった。


 「宿代、三人部屋で一泊食事つきで銀貨(ぎんか)30枚ね」


 一泊で一週間のクエストの半分以上の報酬(ほうしゅう)を持っていかれた。

 だが案外部屋の内装(ないそう)やベッドは結構よかった。


 「荷物も置いたし、とりあえず冒険者ギルドに行こう」

 「え、なんでですか?」

 「単純にお金が底をつきそうなので、ギルドの依頼をこなして稼ぐんだ」


 あと一泊したら俺の所持金がほとんど無くなってしまうため、やっぱりお金を稼ぐのは重要だ。


 「暴れられるか?」


 エリーが興奮した様子で聞いてくる。

 ほんとエリーは暴れたいんだな。これもドラゴンの特性(とくせい)ってやつか?


 「依頼(いらい)の内容によってはな」


 こうして俺たちはお金を得るべく、ギルドへと向かった。


 


 「うーん、何の依頼にしようか......」


 ゴブリンの指定数討伐や庭の手入れなど本当に様々だ。


 「シュート、これなんかどうだ?」


 エリーが見せてきたのは平原を縄張りにしているドラゴン討伐(とうばつ)の依頼だった。

 

 「なんでよりにもよってドラゴンなんだ、って理由は聞かなくても分かる。同じ強さぐらいのやつと戦いたいんだろう?」

 「そうだ。ここらでは我と同じくらい強い者はこれぐらいしかおらぬだろう」


 何を言っているんだこのドラゴン。大体魔法障壁トップクラスの龍に敵う者がいるわけがないだろう。

 そもそもなんなんだこのドラゴン討伐の依頼。

 報酬は、金貨100!?つまりそれだけそのドラゴンが強いってことだよな......


 「ああ、わかった。お前がいるならすぐに片付けられるだろう」

 「えぇ!?受けるんですかあの依頼」


 多分エリーがいればドラゴンの1匹や10匹ぐらいは普通に倒せるだろう。


 「大丈夫、何かあったら俺がアンナを守るよ」

 「シュートさん......」

 「おい、はやくするぞ。我は早く戦いたいのだ」


 俺とアンナでいちゃついていたがそれもすぐにエリーによって阻止(そし)されてしまった。



 「あの、すいません。このクエストを受けたいのですが」

 「はい、では......ってドラゴン討伐ですか!?」

 

 ギルドの職員が大声でそう叫んでしまったためギルドの中にいた人達の視線(しせん)一斉(いっせい)に俺達へむけられる。


 「あの歳で......死にに行くようなもんだぜ」

 「ああ、可哀想に」

 「これだから最近の夢見る少年は......」


 周りから哀れみの目で見られていることに俺以外の二人は気付いていないようだった。


 「で、ではお気をつけて」


 かくして俺とアンナとエリーの三人は平原の王者、ドラゴンを討伐しに向かったのだった。


 

 ~~その頃の王都の使徒(しと)さん達~~


 連れてこられてから大体二週間かそこら経っただろうか。

 俺たちは依然として剣術の鍛錬や体力づくりに励んでいた。


 「よし、今日はここまでだ」


 いつもは午後の日が少し傾くぐらいまでやるのに今日は昼ぐらいに訓練(くんれん)が終わった。


 「突然だが今日から午後は魔法(まほう)について学んでもらう」


 その言葉で全員が驚いた。

 魔法なんて現実ではありえないことだと思っていたからだ。(ここに飛ばされていること自体ありえないのだが)

 

 「今日から貴様らの教師として魔法を教えるのはこのアポストロフだ」


 いつの間にかアサハの隣にいる、体が細く実に自信がなさそうな男性が立っていた。


 「よ、よろしくお願いしますぅ」

 

 やはり、自信がなさそうだ。


 

 俺たちは王宮の中を移動し、教室に入る。

 そこは高校の教室とは違い大学のような教卓を中心に扇形の教室だった。


 「で、では皆さん、座ってください」


 皆が席に着くと、少しざわついていたがすぐに静かになった。


 「ではまず魔法とは何かということから話しましょうか」


 先生の話によると魔法というのは魔物が使っていた不思議な力をどうにかして人間も使えるようにできないかと考えた学者(がくしゃ)たちが考えたものらしい。

 といっても魔物の魔法を数段劣化したような感じなのでそこまで威力は期待できないという。


 「で、ですが使い方によっては案外馬鹿にはできませんよ」

 「見てもらったほうが早いかな」


 そう言ってアポストフ先生は何かを唱え始めた。


 「力は円環する、放て、火球!」


 そう叫ぶと先生が突き出している手の前に顔ぐらいの火の玉ができた。そしてそれは勢い良く発射された。

 ―発射されたのはいいが、早い段階で勢いを失い、4メートルもしないうちに、ポフッっと音をたてて消えてしまった。


 「見たとおり魔法の威力は期待できないものばかりなのです」


 他にも、土、光魔法などをみせてくれた。

 水魔法はホースから出ているみたいにやはりどれも威力が劣っているのだ。


 「でも諦めてはいけませんよ。魔法は(まと)ってこそ真価を発揮するのです」

 「あ、でもその前に魔法の適性検査をするので皆さん並んでください」


 そして俺たちは先生の言うとおり、教卓の周りに集まり、その適性検査をするべく並んだのだった。



 最近文字数が少なくてすいません。

 応援よろしくお願いします。

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