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第十三話

 馬車の護衛(ごえい)は二日目、三日目共に比較的平和でモンスターも出てこなかったため、ただ馬車に揺られているだけとなった。

 

 そして四日目の夜。


 「はぁ、いい加減腰が痛くなりそうです」

 「あと三日か、少し長いが頑張っていかなきゃな」


 しかし馬車というものは腰が痛くなるものだ。

 道は日本の道路と違って整備されてないし椅子は硬くて乗りづらい。

 でもこれも異世界っぽくていいと思う。


 「シュート、どう思うか?」

 

 唐突(とうとつ)にエリーにそう聞かれた俺は一体何の事を言っているのかさっぱりわからなかった。


 「シュートも気付いているのだろう?あの冒険者たちの視線を」


 あの冒険者たちとは、馬車の護衛が始まる前の時に話しかけてきた人のパーティーだ。


 「ああ、護衛が始まってから必要以上にアンナやエリーを見ているのは様子を見れば誰でもわかる」


 そういうことか。

 確かにアンナもエリーも美人で体形も結構いい。

 この世界にも下着やブラジャーなどはあるのだが、前の世界のものと比べるとやはりやや劣っていて、どうしても歩いたりすると結構ゆれてしまうのだ。


 アンナは発育がよろしくないのかまだでてはないが、エリーは結構大きい。しかも形も美しく整っている丸型だ。


 「とりあえず何とかなるか、こっちには魔法防壁ドラゴン一を称するエリーがいるし」


 そんなこんなで俺は眠りについた。

 何か起きてもエリーがいれば大丈夫だろう。

 だがその一時間後に俺は激しく体を揺さぶられ目覚めた。


 「んっ、なんだ、もう朝か?」

 「違いますシュートさん、襲撃(しゅうげき)です!」


 慌てた様子のアンナが言った。


 「敵は盗賊(とうぞく)と思われる30人ほどの集団で、全員武器を構えており、馬車が包囲(ほうい)されています」


 アンナは現状を説明してくれている。


 「どうする?シュート」


 エリーはなんだか興奮気味で俺に聞いてきた。

 「消し飛ばしていいか?」とか「早く襲ってこないか」などと非常に物騒(ぶっそう)なことを連呼している。


 気付けば俺たちは盗賊に囲まれていた。

 俺たちを囲んでいる盗賊の中に護衛についていたあの冒険者の姿があった。


 「悪いが他の冒険者は激しく抵抗してくるもんだから殺しちまったぜ。おとなしくしてれば痛い目にはあわないで済むぜ?」

 

 その冒険者は笑いながら言ってくる。


 「しかたない、エリー」

 「なんだシュート?」 

 「殺さない程度に行けるか?」

 

 彼女は自身がありそうに言った

 

 「我を誰だと思っている?誇り高き龍にそんなことできない訳がないだろう」


 するとエリーは目の前に魔方陣を生成した。


 「か、かまわずやっちまえ!」

 

 盗賊が一斉にこちらに向かって走ってくる。

 だが盗賊たちはエリーがだした氷によってなんなく動きを封じられ、顔だけ出た状態で体を凍らせられてしまった。


 「た、助けてくれぇ!分かった、こ、今後お前らとは一切関わらないと約束するから!」


 逃げたくても逃げれない恐怖から盗賊たちは叫びや命乞(いのちご)いをし始める。


 こういう盗賊たちに限って後々狙ってくるんだよなぁ。


 「エリー、こういう時ってどうしたほうがいいと思う?」

 「そんなの我に聞かれてもよくわからん」


 異世界で盗賊捕まえるなんて初めてだからな。


 とりあえず氷魔法を解かせて、全員縄で縛り拘束した。


 

 「で、どうする?こういう時ってどうすればいいんだ?」

 「そうですね、このままギルドに運んではいかかでしょう」


 アンナによると、盗賊やら凶悪な魔物などには懸賞金がかけられていることが多く、引き渡せばそれなりのお金がもらえるんだそう。


 「そうか、じゃあこのまま行くとするか」


 幸い、馬車の運転主は無傷で、このまま行くことができる。


 「それか、魔物の餌にするのはどうだ?」


 エリーがまた物騒なことを言っている。

 それに盗賊たちはまた命乞いやらで騒いで泣いている。


 「わかった!魔物の餌にしないから静かにしてくれ!」

 

 なんとか盗賊たちを黙らせた所で夜が明けたのだった。



 五日目は昨日寝ていない事もあり、いつのまにか馬車の中でアンナの膝枕で寝ていた。


 「やっと起きたかシュート」

 「どうだエリー、変わった様子はないか?」

 

 相変わらずエリーは寝なくても大丈夫そうだ。

 

 「だめですよぉ......こんな所で......」


 アンナは夢の中でなにやらいやらしいものでも見ているのだろうか、寝言がとても官能的だ。


 おっと、いけない。アンナは俺の大事なパートナーだ。

 これからの仲のためにも欲なる自分を自制せねば。


 「あれ、盗賊たちは?」

 「捕まえた場所に繋いでおいた。町についたらあらかじめ書いておいた魔法陣で転移させる」


 転移ってやっぱり便利だなぁ。

 でも町の真ん中で見られるのもいろいろと面倒くさそうだし、町に近くなったらやってもらうか。


 そんなこんなで今日と残りの二日間は何事もなく行けた。


 町のそばに来てエリーは魔方陣を展開する。

 すると何もない所に盗賊たちはドサッとでてきた。

 その姿はやつれていたり、泣いていたり、中には発狂している者もいた。


 俺たちはそいつらをつれてギルドへと向かうのであった。

 

 ~~~

 「すいません、依頼を完了したのですが」

 「カードを呈示してください」


 言われたとおりに俺はカードを係員に呈示する。


 「はい。確認ができましたのでお返しいたします」

 「それと報酬の銀貨50枚です」


 俺はカードと袋に入った銀貨50枚を受け取った。


 「それと、盗賊の受け渡しをしたいのですが」

 「はい、わかりました。少々お待ちください」


 そのあと、奴隷商や、ギルドの係員などがでてきて、ギルドの外で縄に縛られている盗賊たちを連れて行った。


 「あの盗賊はどうやら無名の集団でしたので残念ながら報酬のお支払いはできません」

 「あ、はい」


 名のある強い盗賊とかじゃないとダメなのか。


 「それでは、またのお越しをお待ちしています」

 

 俺たちはギルドを後にした。


 ここまで読んでくださりありがとうございます。

 少し文字が少なくてすいません。

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