語り手交代
弄と名付けられた少女はヨウと共に夢幻山脈の山頂に在る塔へと戻り、改めてヨウ達の仲間入りを果たした。我ながら皮肉なことじゃな。家族を失い、また新たな家族の形をしておるのじゃからな。
「良い事ではないか。孤独は常に寂しさが付きまとう、故に独りでは生きていけないのだからな。」
お主が言うと妙に説得力があるのぅ。それは高度生命体故の冗談として受け入れておこう。
「(冗談ではないのだがな…。)」
さて、これでとある少女と青年のお話はしまいじゃ。短いと些か感じたりはするも。案外、中身はしっかりとしていたじゃろ?
「お次は私でしょうかね。」
ふむ?皮肉屋の執事が今度は語り手と申すか。
「俗に皮肉執事とでも悪態呼ばわりしても結構です。」
カハッ!蔑んでもその態度は以前変わらずといったところじゃな。
「さて、お話を始めるとしましょう。とある青年の復讐譚を。」
「(結局俺は会話文三つだけの登場であったか。早く俺が語り手になる番は来ないのかな…)」
短文で申し訳ありません。作者のKANです。初めましての方は初めまして。
このお話はこれにて終わります。また弄が活躍する場面は何れ訪れますからゆるりとお待ちください。
さて、次回のお話についてですが。弄とヨウが闘った後からのお話になります。そして、主人公は煉という青年になります。お楽しみに。ではでは…。