死が二人を分かつとも
そもそも、旦那様と結婚した理由は、ある意味政略結婚っぽい何かでした。
いえね、私は何処にでもいる一般庶民の家庭だったので、政略といっていいものかわからないので「っぽい何か」とさせていただいたのですが。
対して旦那様は旧家の家柄で、本来、私とは全く別世界の住人でした。いいえ、今もそうなんですけどね。
そんな私が何故旦那様と結婚したかといいますと
「は……占いの、結果?」
「そうだ」
旦那様のお家は、陰陽師だか何だかよくわからないことを家業としておられます。実に怪しげですよね。何でも私と旦那様の子なら、跡取りとして最高の能力者になると占いで出たっぽいですよ。
最初は冗談かと思いましたね。しかも我が家に訪れたのは旦那様ではなく、家令の方でした。上流階級の方々って、本当に何考えてるのかわかりませんよね。
しかも断ると我が家が一家離散の危機に陥ることになるそうで、私は人身御供同然に旦那様の家へとお嫁入りしたのです。
流石に旧家だけあって、結婚式の作法はとても面倒くさかったです。結婚が決まって即、先方の家へ連行され、約三ヶ月間みっちりと、行儀作法と式の手順を叩きこまれました。
ところが、旦那様との初対面はまさかの結婚式当日でした。
ふざけてますよね、怒っていいですよね私。とはいえ旦那様にとって、私はただの跡取りを生む為の道具でしかなかったので、扱いも相当ぞんざいになったのだと思われます。
挙句、新婚初夜にその旨はっきりと告げられましたよ。
私は子を為す為だけにここにいるのだと。そして、用が済み次第『処分する』と。
処分ってつまり『殺す』ってことでしょうか。初夜で殺人予告される花嫁なんて、私くらいのものだと思います。
冗談ではありません。そう簡単に死んであげる気はありません。
私はその後、何度か脱走を試みましたが、何と申しましょうか……私を見張っているのは、この世の方だけではないようで。毎回あっさり発見され、連れ戻されました。
そのうち、うっかり身篭ってしまうというミスを犯しました。
仕方ないですよね、目的がソレなので旦那様は毎晩通ってくるし。避妊薬とか当然手に入りませんし、旦那様が避妊する筈ないですし。
私が健康体で旦那様の身体も問題なければ、そりゃ子供もできちゃいますよね!!
私は絶望しました。腹の子が育つほどに、私の死期も迫ってくるのですから。
けれど不思議なもので、私が死ぬ原因となる筈の存在である筈なのに、私の中に宿った命が、段々と愛おしくなってきたのです。
母性本能というやつでしょうか。気がつけば無意識に腹を撫で、語りかけておりました。
この子が成長する姿を見ることはできないでしょうが、それでも、健やかに真っ直ぐ生きて欲しいと願う日々でした。
そうそう、妊娠したので旦那様が訪れることはもう無いだろうと思っていたのですが、安定期に入った頃、何故かまた旦那様が寝室に訪れるようになりました。
私は妊娠中なのでお相手はいたしませんでしたが、旦那様は最初のうちは恐る恐る私の腹を撫で、そのうち、それが日課になりました。
そして私は出産いたしました。非常に難産で、途中何度か意識を失いました。旦那様に殺されるより先に、愛しい我が子に殺されそうでした。
それでも何とか、五体満足な息子を生むことができました。満足です。息子は元気にないていました。顔中しわくちゃにしてないていました。可愛いです。小さな握り拳、愛しいです。
出産後、私はそのまま意識を失い、しばらく生死の境を彷徨ったらしいです。旦那様に後で聞きました。むしろ何故助けたのですか旦那様。私は殺される予定では?
「次男と、あと娘も必要だ。それまで保留に決まっている」
スペアって旦那様、自分の息子に対してその物言いは如何なものかと……いえ何でもありません。旦那様の視線が怖い。美形の怒り顔って本気で怖い。
息子が生まれた半年後、旦那様が「もういいだろう」と言ってきました。何の話かわからなかったので「何がですか?」と聞き返したら、問答無用で押し倒されました。
腰痛で翌朝起きられないとか久々でした。そしてそれ以降、二人目を妊娠するまで毎日そうなるなどと、その時の私には想像もできませんでした。
大きなお屋敷なので、家事は大概家の者が全てやってくれるので、私は本当にすることがなかった日々でした。
しかし息子が私の腕の中じゃないと泣き止まないので、息子を取り上げられずにすみました。息子可愛いです。仕草のひとつひとつにメロメロです。食べちゃいたいほど可愛いです。
そんな風に息子とラブラブに過ごしていると、最近、旦那様がひょっこり顔をだすようになりました。旦那様、お仕事はどうしたんですか。そもそも旦那様ってお仕事してるんですか。聞きたいけど怖くて聞けません。
旦那様は、息子の頬を軽くつついたり撫でたりした後、私に膝枕とか、たまに耳掃除とか要求します。まあいいんですけどね別に。昼間から息子の傍で盛らなければ尚いいんですけども!
旦那様の滞在時間が長いと、部下であろう男性が旦那様を呼びに来ます。その際「うへバカップル」とか嫌そうに呟くのやめてください。誤解です。
旦那様の宣言通り、可愛い二人の息子と娘に恵まれ、私は幸せだったと思います。
そう、娘が生まれて一月後、呼んでもいないのに部屋に訪れた女中に出されたお茶を飲むまでは。
頼んではいないけど、出された物はいただかなくては、と思い、特に疑いもせず飲み干しました。
まず、喉が焼けるほど熱くなりました。
思わず吐くと、血も一緒についてきました。
苦しさの余り胸をかきむしりながらのたうち回る私を、彼女は冷たい目で観察しておりました。
タスケテ、と、声にならない声で訴え手を伸ばしても、彼女は無表情のまま微動だにしませんでした。
ああ、私は用無しになったから処分されるのだ、と、今更ながらに思い知りました。
苦しみのたうち、視界が狭まって闇に染まり、奈落に引きずりこまれるように意識を手放す寸前。
私が最期に思ったのは、子供たちのことでした。
ごめんなさい。傍にいられなくてごめんなさい。
突然母を失って泣くであろうあの子たちのこと、それだけが私の心残りでした。
ふと気がつけば、目の前に旦那様がおられました。
おや、おかえりなさい、お早いですね。
そう心で告げたら、旦那様は何故か顔を顰めてしまわれました。
「お前……殺されて第一声がそれか」
苦虫を噛み潰したような、という形容が非常に似合う表情で、ギリギリと歯を噛み締めた低い声でそう告げられても……え、殺されたって、誰が。
「自覚がないのか。自分の手をみてみろ」
旦那様に言われるままに自分の両手を目の前にかざしてみる。はい、透けてますね。え、透けて?!
「やっと状況がわかったか、全く。まあ、守りきれなかったのは俺の落ち度だ、赦してくれとはいわん」
守るって、そもそも私の殺人予告をしたのは旦那様ですよね。
首を傾げる私の視線から顔を背けた旦那様は、そのまま彼の背後を見るように指さした。
え……え、ええ、ひぃやあああああ?!
私は、自分が幽霊になってしまった、と自覚したときよりも驚愕して悲鳴を上げてしまいました。
だって、だってここどう見ても地下室で、そこには椅子に括りつけられた男女5人が座ってて、全員、その……現在進行形で拷問受けてるじゃないですかあああああ!!
爪とか全部はがされてるし、脚の甲とかどうみても両足潰されてますよね?! それから……ああ見たくない、直視したくない、何ですか何なのこの光景!?
「全員、見覚えがあるだろう。お前に毒を盛った女と、部屋での異変を知りながら無視を決め込んでいた護衛、それから、俺の母だ」
毒を盛ったって、ああ、さっきの女中さん? でも目が、片目が顔がなんか焼け爛れてて形相変わってますよあああああああ見ちゃった、うっかりみちゃった。
護衛の人とか背中の皮剥かれた挙句、焼かれて更に鞭打たれてますよね! 痛そうです、とんでもなく痛そうです!
って、ああああお義母様!? お、お年寄りになんて酷い真似してるんですか旦那様ぁぁ!!
「ただの老害だ。よりによって当主夫人の暗殺を企む等と、万死に値する」
肉親ですよね! 血がつながった、たった一人の母親ですよね?!
「そうだな、お前を殺した奴らだ。温情を掛けるに値せん」
そこは温情を! お慈悲を!
黙々と拷問作業を続けているのは、いつも旦那様を迎えにくるお兄さんでした。淡々と無表情で作業を続ける、その姿がむしろ怖いです。
というか見てて痛い! やめてやめさせたげて! 痛い痛い無理無理無理!
「お前はもう死んでるだろう、痛覚はないはずだが」
身体がなくても、視覚の暴力ですよこれ! 本気で無理、やめさせて!
というかそもそも、何で死んだ筈の私と会話が成立してるんですか旦那様。
「死者の霊を呼び出すなど、俺には造作もないことだ」
ああ、そういえば旦那様のお仕事ってそっち関係でしたよね。
でも、まだ成仏もしていない私を呼び出して、こんな恐ろしい背筋の凍るような光景を見せつける意味って何があるんですか。
「恨みはないのか」
突然、何をおっしゃいますか旦那様。
「お前には何の罪もないのに、身勝手な理由で殺されたんだぞ。怒りとか憎しみとか、そういう感情はないのか?」
そんなことを言われても、死んですぐいきなりこんな光景みせつけられたら、そんな感情ふっとびますよ。
確かに思い出すと、死ぬ時は本当に苦しかったですよ。辛かったですよ。
でもだからといってコレは無いと思うんですよ!
見てるほうが本当に痛いですよ! むしろ普通に拘束だけしててくれたら、まだ怒りとか責める気持ちがわいてきたかもしれませんが、これは無理です!
チッと舌打ちしないでください旦那様、拷問耐性なんて普通の人にはありませんからね?
むしろここまでされたらもう恨むに怨めないですからね?
「お前は、死んでも治らなかったのか、そのお人好しすぎる性格」
お人好しではありません、これが普通の反応です。普通の人はドン引きしますよ絶対。
とにかくやめさせてください旦那様。これは酷いです惨いです。
「無理だ。この拷問は正気を手放すまで続けられる。怨霊を生み出すためにな」
怨霊……っっ?
そ、そんなものを生み出してどうするんですか一体?!
「使役するに決まってるだろう。ああ、お前に喰わせてもいいな。強くなれるがどうする?」
無理無理無理無理。首をブンブンと横に振って拒絶しますよ。
「では恨みを晴らすか? 奴らは動けない、好きに嬲ってやればいい」
そんな無茶ぶりしないでください! できませんってばあああああ!!
この時多分、私は泣いていたと思います。
自分が殺されたこともショックでしたが、それ以上にこの光景による衝撃は凄まじかったのです。
殺した相手を赦すつもりはありませんが、だからといってここまでやれとは思いません、思えません。
むしろこの状況で相手を更に責め苛むとか、私、旦那様にどれだけ鬼畜と思われてるんですか。
泣きじゃくる私に、旦那様は溜息をつくと、不思議な力で私を引っ張りながら地下室を出ました。
「後は任せた」と、作業を黙々と続けるお兄さんに声をかけるのは忘れていなかったようです。うう。
旦那様が連れてきてくれたのは、寝室でした。
けれどそこには、今までなかった物が、非常に存在感を主張していました。
ええと、祭壇?
神棚、なんて可愛い規模じゃない。ちゃんとした祭壇が作られてました。え、なんで。
「お前の新しい寝床だ。安心しろ、ちゃんと毎日祝詞もあげてやる」
幽霊だからでしょうか。でもこれって、神様をお祀りするためのものじゃ。
「人は死後、正しく祀られれば神となる。別におかしいことではない」
いえいえ、おかしいですよね。きっと何処にでもいる普通の幽霊ですよ私。神とか無理です無理無理。
「仕方ないだろう。先ほどの奴らの魂を喰らう根性も覚悟もないのなら、こうするしかない」
むしろ大人しく成仏させていただけると、とても助かるのですが。
「俺が死ぬ時には一緒に連れてってやる。それまでは、子供の傍にいてやれ。母親だろう」
ええと、たった今まで実母を拷問にかけてた人の言葉じゃないですよねそれ。ああすみません睨まないで怒らないで。
それでも、子供たちの傍にいられる、という事は私にとって喜びでした。お陰で一瞬、拷問を現在進行形で受けている皆様のことを忘れてしまいそうでした。だ、大丈夫、覚えていますとも。
あのですね旦那様、お義母様のことですが
「却下」
子供たちにはおばあちゃんも必要だと思うのですよ。
「お前の両親がいるだろう」
結婚してから一度も会ってないですけどね。そもそも私が死んでしまった時点で、もう会う機会も無いんじゃないかと思うんです。
ねぇ、旦那様。
もし、子供たちにとって良い祖母になっていただけるのなら、私は恨みを忘れます。だから、一度だけでいいのでその機会を与えてあげていただけませんか。
「断る」
あのですね、旦那様……
「そもそもだ、殺されたお前が何故、赦そうとする。あいつらは自分たちがしたことは当然だと主張していた。罪悪感など欠片もなかった」
当然、ですか。
今の言葉で、ふと気づいてしまったことがあります。
旦那様はあの初夜の時に、私を処分するとおっしゃいましたよね。そして先ほどの光景と、旦那様の発言。
もしかして当初予定では、最初の子供を産んだ後、私を殺すつもりだったのでは。
そして本当は、毒殺などという可愛い手段ではなく、拷問にかけて殺して、怨霊として私を使役する予定だったのではないですか?
ねぇ、答えてください旦那様。
だとしたら、お義母様は、私が拷問を受ける前にせめて、と思いつめてしまったのではないですか?
「阿呆。あの時は盗聴されてたから、ああ言っただけだ。するわけないだろう」
盗聴……?
え、あの、初夜を、盗聴? え、ええとそれは、その、つまり……?!
「まあしっかり聞かれていたが、別に気にすることでもあるまい」
気にしますよ! なんという羞恥プレイですかそれ! 恥ずかしい!!
「それに、俺が当主となった時点で、お前を道具にはしない旨、きっちり通達しておいたからな。そういう無駄な考えは捨てろ」
そ、そうですか。
「ついでに言えば、あいつらがお前を拷問しなかったのは、すぐ俺に気づかれると判ってたからだ。確実にお前を殺したかったらしい」
はう。そこまで私は邪魔者でしたか。ちょっと落ち込みます。
「いや、そこは怒れ。前から思っていたが、お前はどうも何処か色々とズレている」
随分と酷い言われ様ですね、私。もって生まれた性格なのでそう簡単にはかわりませんよ。しかも、もう死んでますし。
とりあえず旦那様が、彼らを減刑する気は全くないのは伝わりました。あ、そういえば、私の遺体はどこに。
「とっくに火葬した。ちゃんと葬式は出したから安心しろ。いくらお前とはいえ、自分の死体と対面したくはなかろう」
え、私、死後何日たってるんですか。死んですぐ呼ばれたのかと思いましたが違うんですか。
「祭壇とか色々準備するのに手間取った。どうせなら犯人を見つけ出してからのが良いと思ったしな」
それでいきなり拷問場面を見せるとか、やめてくださいね本当に。血の気が引きましたよ。もう死んでるから血も流れてないけれど。あれ、生きてたらニオイとか凄かったと思います。うう。むしろ私が吐いてました。
「わかった、俺が悪かった。だからもう忘れろ。今、子供たちを連れてきてやるから」
そう言って、旦那様は部屋を出て行かれました。
けれど、私幽霊ですよね。子供たちに会えても、向こうからはわからないのでは?
そんな疑問は無意味でしたけれどね。そういえば、見えて当然の職業でしたよね旦那様。そして私との結婚理由は、子供のそっち系の才能が高くなるから、でしたものね。
「母さまぁ」
泣きながら私に駆け寄ってくる愛しい息子たち。けれどすり抜けますよ。ごめんなさい実体なくて。貴方達を抱きしめられません。
「母さま、お喋りできないの?」
長男が悲しげに私を見上げます。ああ、そんな顔をさせたくなかったのに。
「毒で喉が焼け爛れたからな。だが、思念は届く筈だ。会話に支障はない」
それから、旦那様はそっと私の喉を撫でた。え、撫でた? あれ、触れるんですか旦那様?
「修行を積めば、こうして触れられるようにもなる。頑張れるか?」
我が子達は元気よく「はい!」とお返事をしました。旦那様、人をダシにしないでくださいな。
「母さま、ぼく頑張るから、また頭撫でてね?」
ああもう、うちの子可愛いです。ぎゅってしたいです。腕がすり抜けちゃったけれど!
ところで、先ほどから何かを忘れている気がするのですが、どうにも思い出せません。何かとても大事なことがあった気がするのですが。
子供たちが可愛いすぎるから、他のことはつい忘れてしまうのでしょうね。仕方ありませんよね。ああ可愛い。
結局、私が成仏できたのは子供たちの成人後でした。
旦那様はナイスミドルになられました。美形は老けても美形でした。
後添いを貰うように何度も進言したのですが、完全にスルーされました。
私はといえば、毎日丁寧に祀られたお陰か、それなりに力をつけたのですが、旦那様は決して私を使役しようとはなさいませんでした。
幽霊なりに子育てに参加し、三人共とてもよい子に育ったと思います、ええ親ばかですが何か。
娘が嫁いだ頃、旦那様に呼ばれました。
そろそろ、解放してやる、と。
寂しいけれど、そもそも幽霊の私が、これほど長く現世に留まっていることがそもそも間違いなのです。私は旦那様の言葉に頷きました。
ただ気になるのは、旦那様が昨日、何やら怪しい儀式をなされてたんですよね。あれは何だったのでしょうか。
「来世に記憶を引き継ぐ為の術だ」
はあ。そんな便利な術があるのですね。でもどうせ転生するなら、心機一転で、全部忘れて出直した方がよいのでは。
「それだと都合が悪いからな」
そうですか。ところで旦那様、その術は一体誰に対して行ったものでしょうか。旦那様ですか、それとも?
「答えはわかりきってるだろう」
そうですよね。全く、寂しがりですよね旦那様は。
「そろそろ、お前にちゃんと触れられないのがいい加減に辛くなってきた。当主の座も譲ったことだし、俺ももう解放されていいだろう」
私としては、旦那様にはもう少し生きていていただきたいのですけどね。
多分、子供たちもこうなることに気づいていたでしょう。それでも止められなかったのですね。
「限界だ」
旦那様は笑って白装束に着替えました。
「死んでも逃げられなかったんだ。来世もそうなると覚悟しておけ」
それはなんとも恐ろしい宣言ですね、旦那様。
やがて支度を終えた旦那様が、私に手を差し伸べます。私は、そっと手を重ねます。
「長らく待たせた」
旦那様がおっしゃいます。
そうですねぇ、と私は答えます。でも、楽しかったからいいですよ。
旦那様がいて、可愛い子供たちにも恵まれて。
大半が幽霊状態でしたが、それでも、とても満足のいく人生でしたよ。
だから、どうもありがとうございます、旦那様。
私を傍においてくださって。子供たちと過ごさせてくださって。
私は、本当に幸せでした。
あら、どうなさいました、旦那様。
泣いておられるのですか、旦那様?
普段とあまりに傾向が違うので、しばらくしたら検索除外にするかもしれません。