第五話 ミッションコンプリート
2017年 ポロクワネ
『S』サイド
「隊長。全員配置につきました。」
副隊長の大倉が姿勢を低くした。
「よし。後藤。テクニカル02を排除しろ。」
すると後藤は『ラジャー』というと3台あるテクニカルのうち
1台のガンナーを排除した。サプレッサーにより音はほとんどなかった。
『隊長。テクニカル01がそちらに向かっています。』
「了解した。大倉、テクニカル01を排除。他の奴らは
先ほど指示した敵兵を排除せよ。」
ピュンピュンッ
サプレッサーが装着された16式小銃からは
銃声が出なかった。音が出ないため
テロリストたちに気づかれることなく排除することが可能だ。
「クリア(制圧完了)!!!」
隊員たちはテロリストの遺体を確かめ始めた。
「隊長。生存者はいませ・・・ハッ!!!」
大倉はすぐさま振り向き、迷彩服の兵士に向かって銃を向けた。
「何者かっ?!」
銃を構えながら問いかけた。すると迷彩服の兵士は答えた
「大谷正幸少尉です。小沢少佐の部隊のものです」
大倉は安心したように銃を下ろした。
大倉が後ろに下がると、代わりに小牧が出てきた。
「無事だったか。ほかの生存者は?」
「お待ちください。合図を出します」
すると大谷はライトを岩場に向けて点滅させた。
間もなく、迷彩服の兵士たちが数名出てきた。
「生存者はあれだけか?」
大谷に問いかけていると小沢が到着した。
小沢は軽く敬礼すると所属と階級を述べた。
「なるほど・・・乗機が撃墜されたんだな」
というと小牧は無線を取り出した。
「救出部隊からカワサギへ。送れ」
すぐに返事が来た。
『カワサギから救出部隊へ。送れ』
「回収を頼む。座標を送信した。送れ」
『こちらカワサギ。了解した。以上』
無線を切ると小牧は部下に合図をだし、
移動を始めたのだった。
~10分後~
バラララララララララッ
けたたましいヘリのローターの音とともに
ヘリが上空から降りてきて、着陸した。
「総員!のるんだ!!!」
隊員たちは、カワサギとは別に来ていたヘリにも分乗したのだった。