第四話 作戦開始
2017年 サントンサンホテル 日本軍司令部
『S』サイド
3日前、第7中隊の中隊長他2名が
救護ヘリもろとも消えてしまった。
最悪なことに墜落地点はポロクワネにある
ジャッカル支持派のテロリストのアジトのそばであった。
日本軍司令部は「SFGp」を派遣することを決定した。
「小牧少佐。君に行方不明の部隊を捜索してもらいたい。」
「了解しました。」
軽く敬礼すると、小牧はくるりと回転すると無線機を取り部下に命令した。
「第2ヘリポートに救出部隊の隊員を集めろ。」
『了解しました。カワサギを用意させます。』
UH-60コールサイン『カワサギ』がローターを回転させた。
カワサギは10分で部隊員が乗り込み出撃可能になった。
『機長の倉岡です。地獄のパーティに皆さんをお連れしよう。』
ジョークが好きな機長の第一声だった。
心なしか、部隊の緊張が少しばかり和んだ感じがした。
「機長。着陸地点アルファまで15分で到着してくれ。」
すると機長が頷くとヘリは地を離れた。
15分後
「あそこだ。機長。下ろしてくれ。」
と言うと、小牧はファストロープを下ろした。
機体はホバリングを始め、
隊員たちは次々と降下していった。
『では小牧隊長。1時間後にメイン回収地点に向かう。』
小牧は、宙に浮くヘリを見上げながら
「了解した。では我々は行動を開始する。」
『第7中隊』サイド
戸倉、小沢、大谷たちは岩石地帯に身を隠していた。
「ここらへんは敵が多すぎます。
東に3キロも行けば奴らの基地があると思われます。」
大谷が偵察から戻ってきて、小沢に報告すると
置いてあったM60に手をかけ、いじり始めた。
「よし。北に1キロも行けば
今は無人のテロリストの監視所がある。
襲撃され、そのままだから
恐らく無線機もあるはずだ。」
小沢は地図を見ながら東を指さした。
~1時間後~
小沢は双眼鏡で廃監視所を見ていた。
「マズイな。テロリストのテクニカルを発見してしまった。」
テロリストはどんどん集結していた。
「ん?!」
小沢は自分の目を疑っているようだった。
「どうしたんですか?」
大谷が聞いたが小沢は双眼鏡を覗いたままだ。
「敵が・・・どんどん倒れていく・・・見てみろ。」
と言うと、小沢は俺に双眼鏡を手渡した。
敵の数は今立っているだけでも
20人はいるであろう。
車両は2台。しかし、銃声などもしないのに
敵がどんどん倒れていく。
終いには全員倒れ、覆面を被った
迷彩服の部隊が現れた。
「と、特戦だ・・・」
そう。双眼鏡のレンズの先では
特殊作戦群、通称S又は、特戦が
テロリストの遺体を確認していた。
「特戦だと?!」
小沢は俺から双眼鏡を覗くと
「大谷!確認してこい!」
と、大谷に命じた。
『S』サイド
「この先に廃棄された監視所がある。
そこも一応散策しておこう。」
小牧が地図を見ながら言った。
そして、10分もしないうちに
廃監視所を見渡せる丘に着いた。
「後藤。合図を出したらテクニカルを排除しろ。」
「了解した。」
後藤は、バラクラバを被りM24を装備した長身の隊員だった。
「よし。サプレッサーをつけろ。A体形!!!」