第三話 墜落
2017年 ポロクワネ
<<グワーーーン!!!>>
反対勢力は戦車2両を投入して
我々第7中隊残存部隊に向かって
総攻撃を仕掛けてきた。
対戦車兵器を持たない第7中隊の
犠牲者は増えるばかりだった。
「戸倉!!!パーティ会場の庭に
デルタフォースが残したSMAWが
置いてあるはずだ!今すぐ取って来い!」
小沢は負傷者を後方に下げながら
顎で俺を使った。
俺は肩に被弾した仲間の止血を済ませると
パーティ会場の庭に向かって全力で走った。
<<チューン!!!ビシュッ!!!>>
しまった!被弾してしまった!
血が止まらない・・・
も・・・もうだめだ・・・
~30分後~
「・・・ろ・・・!!起きろ!おい!起きろ!!!」
なんだ?こ、この声は小沢少佐・・・
「目を覚ましたぞ!おい!戸倉!大丈夫か!」
「こ・・・ここは?」
どうやらヘリの中のようだが・・・
「南ア軍のヘリの中だ。お前は足を撃たれ
気絶していた。幸い、南ア軍の機甲師団が
到着したから我々は助かったが
少しでも遅れたら我々は壊滅していただろう。」
クソッ。俺がSMAWを取れなかったばかりに
そんな危機的状況下に置かれてしまったのか・・・
みんなに申し訳ないな・・・
唇を噛み締めた。こんなキャラなはずじゃないんだけどな。
『こちらコックピット。前方からミサイルが接近している!!!』
体を起こして前方を見ていると戦闘機が見え、
その前方にはミサイルがこちらに向かってきていた。
「緊急回避行動を取れ!」
小沢がパイロットに命じた。
『了解した。フレア放射。旋回行動!!!
・・・?!クソッ!だめだ!うわあああああ!!!』
<<ピッピッピッピッピッピ>>
けたたましい警報音とともに
赤いランプが光り、ヘリは回転しながら
地上へ落ちていった。
キーーーーーン・・・
耳鳴りが・・・
ヘリはどうやら落ちたようだ・・・
ヒュオオオオオン!!!
戦闘機が空を高速で飛び去っていった。
「大丈夫か戸倉」
大谷か・・・
どうやら生き残っていたようだ。
他にも誰が生き残っているのだろうか・・・
「あ、あぁ・・・大丈夫だ・・・」
大丈夫じゃないんだがな。
傷口が開いてしまった・・・
「戸倉!大谷!大丈夫か!」
「こ、これは小沢少佐!大丈夫でしたか!」
「あぁ。大丈夫だ。これで大谷、戸倉、私で
あのヘリに乗っていた第7中隊生存者全員が
揃ったわけだな。彼は大谷は知っていると思うが
軍医だ。ドクターと呼んでやってくれ。」
「小松です。」
このあと、小沢の話を聞いていると、
パイロットは墜落時に死亡したそうだ。
生存者は、俺、大谷、小沢そしてドクターだけのようだ。
俺たちは、無線機を探すことにした。
しかしヘリは墜落爆散。見つかるわけはなかった。