第四話 「THE・RETTUNGS」
結構早めの投稿です。
拓磨side
やぁ、どうも。毎度お馴染み十六夜拓磨だ。
目を覚ましたら金箔貼りの壁の部屋に居たんだ。
そこにはめちゃくちゃ高そうな
絵画や壺、刀まであるんだ。
何を言っているか分からねぇと思うが、
自分でもよく分からねぇ。
少なくとも俺の部屋じゃないけど、
一体何処なんだここは。
俺が思案に暮れていると、唐突に部屋の障子が開く。
そこには先程助けてくれた少年の姿があった。
「良かった、目を覚まして。」
「…ここ、君の家なのか?」
俺が訪ねると、少年は軽く頷いて
「そうだよ。」
と答えた。
やはり、この少年にここまで運んでもらったのか。
「そうか、助けてくれてありがとう。
俺は十六夜拓磨。君は?」
俺が自己紹介を済ますと少年も微笑んで言った。
「僕は雲雀春人。よろしく、拓磨君。」
「拓磨でいいよ、春人。」
ベッドから起き上がった状態だったが、
こちらが手を差し出すと握手を返してくれた。
うん、いい奴だ。
「ところで…」
更に質問をしようと思ったが、一瞬戸惑った。
これは、聞いてもいいことなのだろうか?
出会い頭にするものにしては少々内容が酷い。
だが、気になる気持ちを抑え切れず、口を零した。
「…君は、何者なんだ?」
「何者、とはどういう意味で?」
「異能力といい、財力といいだ。
山奥のこの村には大富豪は居ない筈だが?」
「…誰にだって隠したいことは有るよ。」
じゃあ何で俺をここに寝かせた。と聞きかけたが、
命の恩人にそれは失礼すぎるため、
ここは飲み込むことにした。
「異能力のことなら、話してもいいよ。」
???side
「…実験フェイズは1、全緑。
…異能者"反射"、生存反応有り。」
「よし、続けろ。」
薄暗い部屋の中、
白衣を着た男が機械越しに指示を出す。
「まぁ、あの程度で死ぬとは思っていなかったがな。」
「…マスターに報告。標的を確認。」
「場所を特定しろ。」
「…本部より北西50㎞、山奥の村にて確認。
"反射"と共にいる模様。」
「接触を図れるか?」
「…現在地より南東8㎞、接触可能です。」
「分かった、そのままそこへ向かえ。」
「イエス、マスター…
「待っていろ、十六夜拓磨。」
「お前の異能力が目覚める時が来たのだからな。」
今回から書式を変えたのですが、どうですかね?
ご意見ご感想お待ちしております。