【漫才】サブスクリプション
ボ…ボケ役
ツ…ツッコミ役
ボ「サブスクっていつの間にか定着したよね」
ツ「見放題・聴き放題・読み放題って、一昔前からするとすごい時代になったと思うよ」
ボ「世の中やりたい放題だよな~」
ツ「それはちょっと棘がある言い方かな…」
ボ「この前、加入してたのにずっと忘れてたやつがあってさ。毎月料金引かれてたの気付かなくて」
ツ「あるある。こんだけあるとつい忘れちゃうもんな。なんのサブスク?」
ボ「職場で怪我したら病院行き放題になるってやつ」
ツ「労災だよ。国営サブスクだよ!」
ボ「まぁそれは一旦横に置いといて、これからもいろんなサブスク増えていくと思うんだ」
ツ「そうかぁ? もうだいたい出尽くした感あるんだけど。まだ無さそうなやつある?」
ボ「結婚式のサブスクとか」
ツ「式挙げ放題で喜べる立場の奴いるか?」
ボ「仕事の都合で結婚式が欠かせない人とか」
ツ「多分そいつ犯罪者だよ」
ボ「まぁそいつは一旦横に置いといて、」
ツ「置くな。なんとかしろ」
ボ「結婚式って人生最高に幸せな瞬間でしょ。だから同じ夫婦でも一回と言わず、何回味わったっていいんじゃないかなって」
ツ「さすがに途中から味しなくなるんじゃねぇかな…」
ボ「そこで友人や両親に味変してもらうわけですよ」
ツ「なんで無理にしゃぶりつくそうとするんだよ…」
ボ「『私、新郎の友人でございます。本日は十七回目の結婚式ということで、いよいよお二人の馴れ初めについて語っていきたいと思います』」
ツ「十六回目まで何語ってたの?」
ボ「『謎に包まれた新郎新婦の馴れ初め。そこには、誰もが思わず涙するエピソードがありました』」
ツ「よく謎に包んだまま結婚許してくれたな…」
ボ「あと思いついたのは、ペットのサブスクかな」
ツ「もうあるよ。俺それ入ってる。エサとか定期的に送ってくれて助かるんだよな」
ボ「味はどう? おいしかった?」
ツ「俺のエサじゃねえよ! ペットの!」
ボ「そういう消耗品もいいけど、ペットそのものをレンタルできるサブスクっていうのもアリなんじゃないかなって」
ツ「愛着湧くかぁそれ?」
ボ「最後まで飼えるかどうか、って結構ハードル高いと思うし、一時的にペットが欲しいって人とかにはいいんじゃないかなって」
ツ「あぁ~、まぁ、ないことはないかもな」
ボ「これで心置きなくクマとかカバとかゴリラとか呼べるわけですよ」
ツ「ペットっていうか対戦相手探してる?」
ボ「社会人やってたら、あ~今日はバッファロー呼びてぇな~、ってなる日もあるでしょ」
ツ「稀だよ。闘牛士くらいだろそんなやつ」
ボ「ベタに犬とか猫でもいいけど、普段じゃ見られない珍しい動物呼ぶのもアリだと思わない?」
ツ「呼ぶにしても、せめて一般家庭でも飼いやすくて友達になれそうな奴を呼べ」
ボ「スティッチとか?」
ツ「ペレカイ家じゃないと無理だろあいつは」
ボ「うーん、あとはそうだな、専門家のいろんな授業が受け放題になるサブスクとか」
ツ「それ大学っていうんだよ」
ボ「か〜〜! やっぱあれだな! 世の中金の亡者ばっかりだから、俺が思いつくものなんて既にあるよな~!」
ツ「大学は違うと思うんだけどな…」
ツ「まったく手付かずの分野を開拓するんじゃなくて、今あるやつを発展させたらどうよ」
ボ「はあ」
ツ「例えば居酒屋のサブスクっつっても、メニューぜんぶ食べ放題にしたら採算取れないわけだろ」
ボ「なるほど」
ツ「もうすこしパンチを効かせたらどうだ」
ボ「1時間5000円! 女将食べ放題!」
ツ「効かせ過ぎだ」
ボ「1時間800円! 働き放題!」
ツ「せめて最低賃金は守れな」
ボ「話変わるけど、ちょっと解約しようかなってサブスクがあるんだ」
ツ「どんなやつ?」
ボ「月収の半分以上取られて、家事と料理をしてくれる代わりに延々と愚痴を聞かしてくれるサービスなんだけど」
ツ「愚痴で済んでるうちはいいだろ! 気軽に嫁を解約すんな!」
ボ「いつの間にかプラン内容が変わってて、夜の営みがなくなってさ」
ツ「まぁまぁまぁまぁ落ち着け、な?」
ボ「どうも俺の知らないところで共有プラン始めたみたいなんだよな」
ツ「今すぐ解約しろ!!」
ボ「もういいな」
二人「どうも、ありがとうございました」