力の試練
「コォォォ」
(フォーレンヒーロー S+)
堕ちた英雄。かつては華々しい英雄だったが、今や見る影もない。崇高なる正義の心は地の深くに堕ちて力を欲するようになった。かつては他者を救済するために振るわれた力は、今や己がために振るわれた。かつての美しく白い鎧は助けを求めてきた者達の返り血で汚れている。彼らを救えるのは彼らを打ち倒せる新たな英雄だけだ。どうか彼らに安らぎと眠りを。
種族フォーレンヒーロー
名前 オオヤナギ・スグル
状態異常 神封印
level 50
HP3000
MP2000
攻撃力1500
防御力2200
魔攻1750
魔防2500
素早さ200
ランク S+
スキル
ゼリオロス流格闘術level8 世界の声level6 韋駄天level5 天走level6 望遠level5 大剣王術level8 大剣王技術level9 投擲level8 ロックバレットlevel5 再生level5
魔法スキル
炎魔法level6 聖魔法level5 氷魔法level5 大地魔法level8 嵐魔法level5 上級魔力操作level5 中級魔力感知level9 精霊魔法level5 魔力妨害level5 深淵魔法level5 古代魔法level5 冥府魔法level5
パッシブスキル
神豪腕level5 堅牢level9 疾風level9 HP自動回復level5 思考加速level6 MP自動回復level3 身体強化level5 天威圧level8 自己再生level5
耐性
猛毒耐性level5 中級魔法耐性level5 精神干渉耐性level3 魂干渉耐性level5 斬撃耐性level5
固有スキル
詠唱短縮level5 勇者level5 光精霊の加護level5 力の女神の加護level3 主神の加護level3 武技の才level5
称号
勇者 魔物の虐殺者 人類の虐殺者 龍殺し 転生者 悪魔殺し 深淵殺し
装備
変幻の剣メタモロフィス Legend−
こいつも転生者か。一応同郷だ。だが同郷だからって手加減する理由にはならねぇ。
『これがかつての英雄の成れ果てか。怖いねぇ』
アルファが茶化すように言う。
「ァガァァ!」
堕ちた英雄、フォーレンヒーローが走り出す。速い。気がついたら目の前に居た。
「アガァ!」
「ウラァ!」
「グルァァァ!」
大剣が俺の爪と衝突する。だが俺が動きを止めてる間にアルファとギューリーが、攻撃を叩き込む。鈍い音と共にフォーレンヒーローが吹っ飛んでいく。だが驚くことに空中を蹴って走り出した。
『天走か!便利そうだな!食って奪ってやる!』
アルファが大口を開いてフォーレンヒーローに噛みつこうとした。だがその時だった。大剣が形を変えて盾の形に変化したのだ。
『硬ったぁ!?』
アルファの牙が、欠ける。あいつ盾なんて持ってなかったよな。
「ハートクラッシュ」
ぬお!?即死魔法か!だが俺には効かねぇなぁ!終焉の加護で即死無効だからな。
奴は死んでない俺を見て首を傾げたが直ぐに戦闘態勢に戻った。ガコンと機械音と共に盾が、メイスに変化した。どうやらあの武器は変形して様々な武器になるようだ。それに奴の固有スキルも一枚噛んでるようだ。
(武技の才)
どんな武器でも扱えるようになるスキル。その武器を装備するだけで対応した武技スキルを入手することができる。
どんな武器でも扱えるようになるスキルだそうだ。これは厄介そうだ。
「ァガア!」
「ウガァ!?」
ギューリーがメイスを剣の腹で防いだが、数メートル吹き飛ばされた。あんなの喰らったら骨が折れるどころじゃすまないぞ。
『ロックランス!』
スケイルブラスト!
「ヌゥ!?」
岩の槍と竜の鱗の炸裂弾が、フォーレンヒーローに直撃する。鎧が砕けて青白い血が、噴き出す。
「ウグルァ!」
奴のメイスが弓に変形する。そして弓から槍と言ってもおかしくない大きさの矢が、放たれた。
「ガァ!」
「ウラハァァ!」
飛んできた矢を殴って撃ち落とす。だがそれだけでは終わらなかった。すぐさま新しい矢が放たれてくる。流石に何発も弾くことは厳しい。
『アイアンウォール!』
アルファが鉄の壁を作る。お陰で身を隠すことができた。
『長くは持たねぇ!黒い凶弾であいつの頭を狙え!』
「ガァァ!」
「ウルィァ!」
ガキィィン!
俺は壁から身を乗り出して黒い凶弾を奴に放った。だが肉を穿つ音ではなく金属が、弾け飛んだような音が鳴り響いた。
「ほほう!流石元英雄じゃ!今のを弾くとはのぉ!面白い物が見れたわい!」
ダイナミスが、興奮しながら言う。ダイナミスの言う通り俺の黒い凶弾は、弾かれてしまった。流石に弾くとは思わなかった。
『封剣解放!』
ギューリーが封剣を解放した。そしてフォーレンヒーローに切りかかる。剣と剣が鍔迫り合いまるでダンスのように戦う姿は幻想的だ。だがそんな攻防も直ぐに幕を閉じた。
「ウグラァァ!」
「ァァァ!?」
ギューリーが隙を突いてフォーレンヒーローの胸に封剣を突き刺した。奴は直ぐに剣を引き抜き逃げようとした。だが
『始祖の常闇!』
アルファが始祖の常闇で動きを止めてくれた。その隙に俺は暗い閃光を拳に溜めてフォーレンヒーローの顔に振り下ろした。
目がチカチカするほどの光が俺の目を焼く。それと同時にフォーレンヒーローから凄まじい叫び声が放たれた。
「ァァァ・・・ァズハァ」
バタリとフォーレンヒーローが倒れる。倒れると同時にフォーレンヒーローの体がドロドロに溶けて地面に溶けていった。
『食えなかった・・・』
「うむ!中々良い試合じゃった!お主らは合格じゃ!」
ダイナミスがニコニコしながら駆け寄ってきた。合格ってことは無事生き返ることが出来るらしい。
『何とか勝てたな・・・』
『ギューリーが、奴の胸に剣を突き刺してなかったらどうなってたか・・・』
今回の戦闘はギューリーが大活躍したな。
「それじゃ元の世界に送り返すぞ!ワシの小間使いとして働けよ!ニシシ!」
ダイナミスの声と共に急激に意識が薄れていった。これで・・・生き返ることができるのか。もう・・・死なないようにしよう。
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