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終焉の龍の卵  作者: レッドヴォルト
死界 蟲蔓延る病の谷編
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ギューリーとの模擬戦

ギューリーが凄まじいスピードで迫ってくる。手には死龍剣ウラヌスを握っている。


「ガァァァァ!」


俺は大地を抉るように斬撃波を放った。地面を穿ちながら斬撃波はギューリーに勢いよく飛んでいく。だがギューリーは避けるなんてことはしなかった。


「ハァァ!」


なんと斬撃波を易々と叩き切ったのだ。それどころか俺に向かって剣の斬撃を飛ばしてきた。俺の斬撃波よりも速く鋭い。避けることはできず鱗を切り裂かれた。だがギューリーは近づいてこない。そりゃそうか。俺の隣でずっと戦ってきたんだ。俺が苦手とする戦い方も知っている。


『アクアスフィア!アクアランス!』


古代壁!


水の球と水の槍が俺に向かって放たれた。俺は古代壁を作って防ぐ。だがギューリーは壁を切り裂いて迫ってきた。


『鎧突き!』


ギューリーの剣から鋭い一閃が放たれる。剣は俺の鱗を穿ち鮮血が舞う。懐に入られると分が悪い。なんとかして距離を取らなければ。


『あぶ!?』


俺は四対の翼を全力で羽ばたかす。土煙が生じると同時に空へ飛ぶ。そして土煙に向かって俺は全力でブレスを放つ。肌を焼くような熱気と共にブレスは土煙を焼き尽くした。


「ハラァハァァァ!」


「グォ!?」


突如背後からギューリーが切り掛かってきた。完全に不意を突かれた。ヤバい翼膜を切られた!


翼膜を切られたせいで飛べなくなり俺は地面に落下していく。地面に落下した俺に追撃をかけようとギューリーが向かってくる。俺は急いで体勢を立て直して追撃を回避する。


『はぁ・・・はぁまだ倒れねぇか』


確かにお前は強いがそれじゃ俺を倒せねぇぞ。


『まあこんなんで倒れるわけねぇか。本気で行くぞ!封剣解放!』


ギューリーの手全てに剣が握られる。光り輝いており神々しく感じる。あの剣に触れたらダメだ。高い攻撃力ってのは恐ろしいがそれよりも恐ろしいのが封剣の力だ。触れたら再生などが使えなくなってしまう。だが接近戦はこっちの方が有利だ。封剣のデバフを殆ど無視して殴り合える。


俺は闘争心と死期活性を使用する。HPがミルミルと減っていくが関係ない。体の奥底から力が湧いてくる。


「ガァァァァ!」


ギューリーの封剣と俺の拳がぶつかり合う。拳に鋭い痛みが走るがそれを押し切る。拳は剣を弾き飛ばしてギューリーの胴体に当たる。


「ウガ!」


仰け反りはしたが吹っ飛びはしなかった。それどころか仰け反りの反動を利用して反撃してきた。

俺は爪を振るい防ぐ。だが防いだはなから別の剣で攻撃される。切られる度に体が重くなっていく。こっちは腕2本、向こうは腕4本だ。手数じゃこっちが不利だ。


「ガァァ!」


『なっ!?』


俺は封剣に食らいつく。口の中が火傷するかのように熱い。俺はギューリーの手から封剣を奪うように引き抜く。封剣はギューリーの手を離れると霧散していった。


『まさか封剣に食らいつくなんて!イカれてるだろ!』


うるせぇ!剣4本なんて防げるかよ!これが俺のやり方だぁ!


「ウラハァァ!」


ギューリーが3本の剣から斬撃を飛ばす。だが俺はそれを防がず拳で捻り潰す。手の甲が切れるがまだ再生は使える。再生が使えるなら大した傷じゃない。


今度は俺が距離を詰める。ギューリーが向かってくる俺に魔法を放ってくる。俺は自分の巨体に物を言わして突っ込む。避けていたら一生距離を詰めれないだろう。


「ハァァ!」


ギューリーが剣を振りかざしてくる。だが加速した俺の巨体にはあまりにも無力だった。剣は弾き飛ばされてギューリーが宙を舞う。だがギューリーは受け身をとってこっちを睨みつける。その手にはもう封剣はなかった。だが死龍剣ウラヌスは手放していない。これで持ってる剣は1本になった。


だがさっきの一撃で自己再生は止まり死期活性と闘争心のバフも消えた。ここからはお互いの力のぶつかり合いだ。


「ガァァァァ!」


「ハァァ!」


俺は溜めブレスを放つ。ギューリーはそんな溜めブレスを剣で切り裂いた。ブレスを切り裂くなんてイカれてやがる。


ギューリーが距離を詰めてくる。突っ込んでくるギューリーにたいして俺は尻尾を振るう。ギューリーはそれをジャンプして回避した。だが空中に浮いたからにはこっちのもんだ。


空中で無防備になっているギューリーに向かって俺は拳を叩きつける。だが俺の拳に伝わってきたのは肉の感触ではなく金属のような感触だった。


「ウラハァ!」


「グォォ!?」


俺が殴ったのはギューリーではなく剣の腹だった。そのまま攻撃を受け流して反撃してきた。


『お前がそうくるのは知っていたぞ!』


バレバレだったようだ。だが1つ忘れていることがあるな。


「ウガッ!?」


俺は麻痺の邪眼を使用する。ギューリーの動きが一瞬止まる。止まったギューリーに向けて俺は全力で拳を叩きつけた。


ギューリーは凄まじい勢いで吹っ飛んでいった。だがそれでも倒れない。剣を杖代わりにして立ち上がった。


「ガァァ!」


「ウギッ!?」


俺は口を開いてギューリーに食らいつく。メキメキと骨が軋む音がする。

俺はそのままギューリーを上空に打ち上げる。そして体全体に暗い閃光を纏わす。体にドロドロの鉛が纏わりついたかのような重い感覚に包まれる。

だが俺はそれを振り払うかのようにギューリーに突進していく。ギューリーと体が触れ合った瞬間、激しい暴風と衝撃波が発生した。それと同時に俺の視界はまた暗転した。




気がつくと川辺に戻っていた。疲れもないし怪我もしてない。空を見てると時間は進んでおらず模擬戦を始める前と同じだった。


『お前やっぱ強よいな!いやー負けた負けた!ガハハ!』


どうやら俺は勝てたようだ。いやーそれにしてもギューリー強かったな。あんなに追い詰められたのは久しぶりだ。


『・・・もう1戦やるか?』


そうだな。訓練も兼ねてもう1戦やるか。



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