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終焉の龍の卵  作者: レッドヴォルト
テロニ族編
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オメガVSスライム

俺はエフィガルドが向かって行った方向に飛んでいく。ギューリーは怪我人の運搬などの救護活動をしているため俺1人で向かう。


渓谷を飛び越えて一面雪景色の平野に出た。エフィガルドは直ぐに見つかった。だが予想していた最悪の状態が実現していた。エフィガルドが敗北してスライムに捕らえられてしまっていたのだ。


「あんだけ大口を叩いてたが、この様だ!テロニ族の戦士長も大したことねぇな!次はお前とあの村の雑魚共だ!女子供も関係ねぇ!全員バラバラにしてやるよぉ!その次はこの雪山の生き物全て食らってやるよ!」


スライムが無邪気な子供の様な声で叫ぶ。


こいつだけは生かしていてはいけない。生かしておけばテロニ族やこの付近の生態系に甚大な被害を与えるだろう。こいつは俺がここで仕留める。


「お?やる気になったなぁ?そうでなくちゃなぁ!」


スライムの体が変形していく。人型だが腕が大木のような剛腕に変化して禍々しい腕を宿している。首は長く伸び頭はライオンに変化する。そして背中から2対の竜の首が生えてきた。


「モード:カオスキメラ!」


「ガァァァァ!」


『ダークブレイク!』


「緩いなぁ!舐めてんのかぁ!」


俺はブレスを放ちアルファが闇魔法を放った。だがスライムはいとも簡単に俺達の攻撃を剛腕を振るい跳ね除けた。


「おらぁぁ!」


「グォォ!?」


『重っ!?』


俺はスライムの攻撃を受け止めた。かなり重い。トラックと激突したかと思うほどの威力だ。


『動きを止める!ダークバインド!』


「余計なこと・・・するんじゃねぇぇ!」


アルファが闇魔法のダークバインドを放つ。黒い縄がスライムの腕に纏わりつく。だがスライムは少し力んだだけで拘束を引き千切った。


「ガァァァ!」


「あ"あ"!?」


俺はスライムの腕に齧り付く。スライムとは思えない程筋肉質だ。牙が奥まで刺さらねぇ。


「死に晒せぇぇ!」


スライムが俺目掛けて剛腕を振るってきた。俺は翼を広げてバックステップをして回避する。だが背中に生えている2対の竜の首が伸びて俺の翼に噛みついてきた。


「ガァァァ!?」


「おらぁぁ!」


俺はそのまま持ち上げられ地面に叩き付けられた。雪と土が舞う。俺を地面に叩きつけると同時にスライムが追撃に入る。


『古き盾!ボーっとするな!動け!』


「ちぃっ!」


アルファが古き盾を展開してスライムの追撃を防ぐ。俺はスライムの腹を蹴り距離を取る。スライムは蹴られたから後ろに仰け反った。

スライムは直ぐに反撃しようと首を伸ばして噛み付こうとしてくる。俺は爪を振るい牽制する。口から火を漏らしてブレスを吐く仕草をする。


「ちっ!それやめろよ・・・」


スライムは怠そうに言う。攻めようにも攻めれないようだ。


「ガァァ!」


「危ねぇ!」


俺は喉で温めていたブレスを放つ。ただ溜めただけのブレスだが、いつものブレスよりも速く威力が高い。まるで豪速球だ。


俺は竜袋に酸素を多く取り込む。肺の部分が熱くなる。俺は全力でブレスを放った。雪が溶けてその下にある土までもが融解する高温のブレスだ。


「おいおい!マジかよ!ブレスだけなら上位竜並だぞ!」


スライムは慌ててブレスを逃げるように避ける。だが広範囲高威力のブレスから完全に逃げ切ることは出来ず被弾していた。


「あ"っづ!てめぇ!クソ!再生できねぇ!」


スライムの腕の一部がドロドロと溶けた。再生も出来ないらしく悪態を着いている。


「ガァラァァ!」


「アジットバインド!」


俺はスライム目掛けてて爪を振り下ろそうとした。だが溶けた部分を糸状に変化させて俺の腕に絡み付けてきた。絡みつかれた箇所が焼け爛れる。俺は力任せにスライムを引き剥がす。


「おらぁぁ"!」


スライムは手の甲を棘だらけに変化させて突っ込んで来た。俺は回避しようとしたが、奴の背中から生えている2対の竜の首が絡みついてきて俺の動きを妨害してきた。そのせいで俺は動けなくなり諸にスライムの攻撃を食らってしまった。


『意識を失うな!距離を取って再生を使え!臓器がやられてるぞ!』


目の前がチカチカとする。ダメージを受けた箇所に再生を使ってなんとか持ち直した。だがその隙をスライムが見逃すはずがない。ヌルヌルと水のように動きこっちへ向かって来る。


「ブレスはお前ら竜種だけの特権じゃねぇんだぜぇ!」


スライムの右腕が、竜の頭に変化する。竜の顎が開かれ魔力が集まっていくのが分かる。俺はダートウォールと古き盾を展開して衝撃に備える。


「おらぁ!ドラゴンキャノン!」


ズガガカと地面を抉る轟音が鼓膜を劈く。ダートウォールは砕けて古き盾に強い衝撃を感じた。割れそうな古き盾に魔力を注いで割れない様に補強して耐える。俺はブレスに押されて数メートルは移動しただろう。だが何とか耐えきった。


「おいおい!今の攻撃で倒れねぇのかよ!とんだ化け物じゃねぇか!」


スライムはイラついた声で言う。スライムのイラついた声に混じって波の音が聞こえる。戦っているうちにこんな場所まで来たのか。


俺の背後は崖になっておりその下は荒れ狂った海がある。・・・落ちたら死ぬな。


「もう魔力もねぇ・・・本気で行くぞぉ!」


スライムの体が変化していく。剛腕は地面に落ち竜の頭は細い腕となり顔は人に戻り体は華奢な人型に変わった。だが分かる。今の奴は俺と同格か俺以上の力があるだろう。


「この姿は変身できない代わりに馬鹿みたいにステータスが高いんだよ。この姿でお前を全力で捻り潰してやる!」


こいつはやばいな。アンフィスバエナと戦った疲労も実は結構溜まっている。結構辛い状況だ。だが戦うしかない。ここで何とかして決着をつけてやる。

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