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終焉の龍の卵  作者: レッドヴォルト
テロニ族編
75/101

アンフィスバエナ

リアルの方が忙しく投稿ができてませんでしたが、今日から投稿を再開します。ご心配おかけして申し訳ございませんでした。

「ガァァ!」


奴が何かする前にけりをつける。俺は爪を振るい新しく入手したスキル、斬撃波を放つ。地面が抉れるほどの斬撃がスライム向けて放たれた。


「危ねぇなぁ!鍔飛ばし!」


スライムは腰の双剣を抜いて斬撃を放ってきた。奴が放った斬撃は俺の斬撃波とぶつかり相殺された。


「行けお前らぁ!皆殺しにしちまえ!」


「例え姿が同じでも奴等はスライムだ!慈悲をかけるな!」


傍にボーっと立てっていた複製体が走り出す。それと同時にテロニ族達も走り出した。


「愛する者、長年過ごした仲間、それをお前らに斬れるかなぁ?カカカカ!」


「黙れ!この腐れ外道がぁ!」


エフィガルドが俺の背後から大斧をスライムに叩きつける。鉄と鉄がぶつかり合い鈍い音が響く。スライムの足元が陥没するほどの力だ。


「お前強いなぁ?これは良い素材になりそうだなぁ!」


双剣が高速で振るわれるがエフィガルドは大斧で全て弾いた。


「黒竜殿!こいつは俺に任せてくれ!こいつは・・・モアルナ・・・俺の妻と親友の仇なんだ」


『・・・分かった。勝てよエフィガルド!』


妻と親友の仇・・・そりゃ自分の手で倒したいだろう。分かった。俺達は手出ししない。だが絶対に勝てよ!


「感謝する!」


「あーなら黒竜ちゃんとトカゲちゃんにも相手を用意してやらんとなぁ?1匹でダンスは出来ないだろぉ?」


スライムの背後に魔法陣が現れる。濃密な魔力が流れ込む。この感じ前にもあった。確かガイル・ブラウンが召喚魔法を使った時の感じと似ている。


魔法陣が光って何かが這い出てきた。


「「ガァァァァ!」」


「この体はなぁ一度殺した相手を一度だけ召喚できる固有スキルを持ってんだよ。強力なスキルなだけあって魔力の消費はエグいけどなぁ?」


『おいおいマジかよ・・・』


魔法陣から這い出してきたのはまさかのアンフィスバエナだった。


「こいつは本物のアンフィスバエナだぜぇ?精々惨たらしく死んでくれや!」


あいつ本物のアンフィスバエナを召喚しやがった。俺とギューリーが全力で戦っても勝てるか分からない。


「さあ殺ろうぜ?子犬ちゃん?」


「貴様如きに遅れなど取らぬ!」


「よく言うなぁ!」


『オメガ!お前はアンフィスバエナの攻撃に当たらないようにしろ!ギューリーは封剣を使え!出し惜しみはするな!』


了解!


『分かった!封剣解放!』


ギューリーが封剣を解放した。アンフィスバエナも感じ取ったのか奴の目が大きく見開いた。


「「ガラァ!」」


『ちぃ!竜魔法か!?』


アンフィスバエナから竜の形をした槍が放たれる。槍は光のような速さで飛んで俺の鱗を切り裂いた。


「「ガァァァ!」」


「ガラァァ!」


アンフィスバエナの刃のような尻尾が高速で突き出される。俺はそれを屈んで避ける。


「黒竜殿!助太刀いたす!鱗裂きぃ!」


なんと族長がアンフィスバエナに急接近して無防備な胴体を大剣で切り裂いた。


「ウラァァ!」


「「ギャァ!?」」


族長に続いてギューリーもアンフィスバエナに攻撃する。


「ブラストバーンスフィア!」


族長がアンフィスバエナの背後に回り込み炎魔法のブラストバーンスフィアを放つ。


「「グラァァ!」」


「グォォ!」


だが火炎球は効いておらず奴は背後に居る族長に向かって尻尾を振るおうとした。だが俺がアンフィスバエナにタックルして体勢を崩して防いだ。


「「ギュラァァ!」」


攻撃を邪魔されて怒ったアンフィスバエナの双頭が、俺目掛けて食らいついてくる。だが俺はバックステップで回避して風刃を放つ。アンフィスバエナの鱗に傷がつくが、ダメージは少ない。


「ウラァァ!」


「はぁぁ!」


族長とギューリーがアンフィスバエナの足元を攻撃する。足元を攻撃されたからかアンフィスバエナの体勢が崩れた。


「ガァァァァ!」


「「ガァァァァァァ!」」


体勢が崩れたアンフィスバエナの背中に飛び乗りありったけ攻撃する。背中の鱗が削れ血が噴き出る。だがアンフィスバエナは俺を乗せたまま壁に突進した。

ガラガラと壁が崩れて岩が降ってくる。流石の俺でも岩が当たったらかなりキツイ。俺は落ちてくる岩を避けながら距離を取る。


「「ギュラァァァ!」」


アンフィスバエナの双頭からブレスが放たれる。降ってくる岩が粉々に砕け粉塵になった。ギラギラと目が輝いている。見たら分かる。あれ怒り狂ってるやつの顔だ。


「アイスストーム!」


『ツインダークスフィア!』


「「グルラァァ!」」


「ぐっ!?」


「ウガァ!?」


アルファと族長が魔法を放った瞬間、アンフィスバエナが咆哮した。咆哮と同時に紫色の液体が口から放たれ液体に当たった魔法が、掻き消された。それだけではなく液体が付着した地面がドロドロと溶けた。


『絶対にあの液体を浴びるな!毒だぞ!』


遂に毒まで使ってきやがったか。これは厄介だな。


『獄炎纏い!出し惜しみしたら負けるぞ!』


ギューリーが剣に獄炎を纏わせた。ギューリーの言う通り出し惜しみしていたら負ける相手だ。


俺は拳に暗い閃光を纏わせる。


「ソードエンチャント・ブラッド!」


族長が大剣にエンチャントを掛ける。


「「ガァァァァ!」」


俺達に呼応するかのようにアンフィスバエナの口元から毒霧が漏れ出す。ドロドロと地面を融解させながらアンフィスバエナがこっちに向かって来る。


「ガァァァ!」


『ダークブラスト!』


「鍔飛ばし!」


「音波斬!」


向かって来るアンフィスバエナに俺はブレスを放ちアルファは魔法を放ち剣士組の族長とギューリーが剣技を放つ。だが俺のブレス以外は毒霧によって無効化されてしまった。


「「ガルァ!」」


「はぁ!」


「ウラァハァ!」


「「ウギャァ!?」」


「ガァァ!」


接近してきたアンフィスバエナの左の頭に拳を叩き込もうとする。だが流石のアンフィスバエナも喰らったら危険だと判断して避けようとした。だが族長とギューリーが奴の後ろ脚を斬り体勢を崩させた。俺は地に伏せたアンフィスバエナの頭に拳を叩き込む。


メキメキと骨が折れてアンフィスバエナの首が引き千切れた。だが毒霧を至近距離で浴びたからか腕に激痛が走り喉がヒリヒリと痛む。


「ギャァァ!」


片方の頭を失ったアンフィスバエナが半狂乱で暴れ回る。


「アイスチェーン!」


「スリープ!」


「アイスバインド!」


「今だ!捕らえろ!」


「鎖を離すなよ!引き千切られるぞ!」


「グギャァ!?」


俺の背後から魔法が放たれアンフィスバエナに飛んでいく。怯んだアンフィスバエナに向かってテロニ族が鎖を掛けて拘束していく。暴れていたアンフィスバエナは大人しくなった。だが口から溢れる毒霧は濃くなっていき近づけない。


「今だ!行くぞ!門よ開け!呼び戻したまえ!異界の門よ我が呼び掛けに答えよ!門よ開け!ゲート!」


「ガァァァァ!」


テロニ族何人かの詠唱と同時にアンフィスバエナの前に門が開かれた。門の扉が開くと同時に暴風が吹き荒れる。それと同時にアンフィスバエナが門に吸い込まれて行った。


「ギュルァァァァァ!」


アンフィスバエナの怒りの混じった断末魔と同時に門は閉ざされてた。何が何か分からない内にアンフィスバエナとの戦闘が終わってしまった。一体今のは何だったんだ。


「あれは召喚魔法を応用したものです。本来は召喚魔法で違う者が召喚された時に追い返すために使うのですが、今回のアンフィスバエナも召喚された魔物、なら返すことが出来ると考えたのです。抵抗されずに追い返すために弱らせる必要がありましたが、成功しましたな」


あの毒霧なら近づくことも出来なかったし良い判断だ。流石族長だ。頭の回転が速いな。


アンフィスバエナを倒したからってゆっくりしてる時間はない。エフィガルドがどうなったか早急に見に行かないといけない。勝っておいてくれよエフィガルド。


誤字、脱字があればご報告お願いいたします。感想、いいね頂けると嬉しいです。

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