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終焉の龍の卵  作者: レッドヴォルト
テロニ族編
74/101

変幻自在

今日からテスト期間なので来週の投稿は難しいです。申し訳ございません。

「ブラガァァ!」


「ガァァァァ!」


スライム改め白黒の虎が咆哮しながら爪を振るってきた。俺は全力で爪を振るう。竜と虎の爪がぶつかり合い火花が散る。ほんの数秒だけ拮抗したが虎の爪が根元からへし折られる。


「キシャァァ!」


「グォォォ!?」


折れた爪の根元から蛇が生えてきて襲ってきた。急な出来事で対応が遅れてしまった。右肩に蛇が噛みついてきた。ジリジリと肩が痺れた様な感覚に襲われる。俺は爪で急いで食らいついていた蛇を切り落として距離を取る。


種族 終焉の黒竜stage4 (伝説種)

名前オメガ

状態異常

麻痺(小)


やはり麻痺になっていたか。だが幸い効果は薄い。直ぐに抜けるだろう。それにしても蛇が生えてくるなんて全く予想してなかった。これも奴の固有スキルの超擬態の力か?


またメキメキとスライムの体が変形していく。だが今回はただ黙って見てるだけじゃない。俺とギューリーはスライムめがけてブレスを放つ。バチバチとした黒いブレスと業火のブレスがスライムに襲いかかる。だが体の一部を変形させたのか黒い障壁が、展開されて防がれてしまう。ブレスが止まったタイミングで障壁が引っ込んで奴の姿が見えた。


「ウオォォォン!」


現れたのは雪の様な白銀の毛皮をした狼だ。狼と言ってもかなり大きい。大きさで言えば俺と殆ど変わらないんじゃないだろうか。


「ガラァァ!」


「ウラァ!」


速いな。一瞬でギューリーの所まで行って攻撃しやがった。まあギューリーは反応できた様で爪を弾いていた。


「ウオォン!」


咆哮と共に奴の体が光る。バチバチと雷が纏わりついてより攻撃的な姿に変化していた。


「ウォォォ!」


「ギャラァ!?」


「グォォォ!?」


目にも止まらぬ凄まじいスピードで攻撃してきた。ギューリーは何とか防いでいたが、俺は首の鱗が抉られてしまった。奴がまた攻撃しようとしたその時だった。


「ウォォン!」


「アイスボルト!」


「フレイムランス!」


崖の上から魔法が降り注ぐ。奴の体が抉れて肉が飛び散る。だが肉は奴の体から離れた瞬間、ドロッとした液体に変わる。


「魔法での援護は任せてください!」


「相手はスライムだ!どんどん放っていけ!」


崖の上には数名の魔術師が居た。魔法での援護はかなりありがたい。


「キシィィィ!」


スライムの状態となりまるで鉄砲水のように高速で移動していく。逃げるのかと思ったが俺達から距離を取りたかったらしい。


ドロドロとまた溶けて体を形成していく。その隙にテロニ族の魔法使い達が魔法を放つが、今回は障壁も作らずに体を形成していく。だが俺達の攻撃は脅威として見ているのか障壁を展開してくる。


「「ガァァァァ!」」


姿を変えて現れたのは双頭の竜だった。尾が非常に長く先端が鋭利で刃のようだ。


奴の咆哮で渓谷が揺れる。俺は大丈夫だったが、崖の上に居た魔術師の足が竦む。


『あの姿は・・・まさかアンフィスバエナか!?』


アンフィスバエナ?強いのか?


『アンフィスバエナって言ったらAランクの魔物の中でも最強格と言われるほどの魔物だ。高い攻撃力に頭だけになっても再生するほどの耐久力を持っている。こいつはヤバいぞ』


Aランクの中でも最強格と言われる奴にも変身できるのかよ。とんだ化け物じゃねぇか。


「りゅ、竜になっても元はスライムだ!臆するな!どんどん放て!」


「「ガァラァァァァ!」」


2対の頭から黄金の極太ブレスが放たれる。岩肌が抉れて渓谷が崩れる。


「退避ぃぃ!退避ぃぃ!」


「ぐわぁぁ!」


「崩れるぞぉぉ!」


たった一回のブレスでテロニ族の魔法部隊は崩壊した。崖が崩れて崩落に巻き込まれた者、ブレスに掠って重傷を負った者が見える。幸い死者は居ない。


「ガァァァ!」


「ウラァァ!」


俺とギューリーはスライムに向かって突っ込んで行く。だが魔法のスキルがある時点で警戒しとくべきだった。


「ガァァ!?」


炎の爪、ファイアネイルが俺とギューリーに襲いかかる。それにしてもおかしい。スライムの魔法攻撃力はそこまで高くなかったはずだ。俺の竜鱗ならほぼダメージを無効化できるはずだ。

だが現に奴の魔法は俺の鱗を穿った。まさか・・・アルファ!超擬態のスキルの詳細を頼む!


『あーこりゃやべぇな。取り込んだ相手の姿に変身できるのは勿論その相手のスキル、ステータスをほぼ完璧にコピーできるそうだ。格上への変身は完璧には出来ないそうだ。出来たとしても弱体化するらしい』


ってことはあのアンフィスバエナの姿って弱体化してるのか?あの強さで?


『ステータス見た感じ弱体化してるな。それでも私達より強いがな』


マジかよあれで弱体化してるのかよ。それにしても超擬態めちゃくちゃ厄介じゃねぇか。


「うらぁぁ!」


「「グォ!?」」


俺の背後から何者かがスライムに斬り掛かった。アンフィスバエナの強靭な鱗を物ともせず破壊してダメージを与えた。アンフィスバエナに臆さず斬り掛かったのはエフィガルドだった。


『エフィガルド!』


「すまない!遅れた!他の部隊も直に来る!」


エフィガルドは大斧を携えながらスライムに向き直る。


「「ガァァァ!」」


「旋風斬!」


「ウギャァ!?」


奴の口から極太の黄金ブレスがまた放たれようとした。だがエフィガルドが凄まじいスピードでアンフィスバエナの頭をぶん殴って阻止した。もう片方の頭が食らいつこうとしたが、エフィガルドは大斧で防ぐ。


『黒槍!』


『ウォータースフィア!』


アルファとギューリーが魔法で追撃する。だが魔法は目眩しだ。その隙に俺は接近して首に噛みつこうとする。


ガチン!と牙同士がぶつかった音だけが残される。スライムは首を液状化することで俺の噛みつきを避けたのだ。その隙に刃のような尻尾が俺目掛けて突き出される。


「ガァァ!」


「グォォ!」


尻尾は回避できたが、液状化してない方の頭が俺の肩に噛みつく。俺はそれを無理矢理体を捻って振り解き後退する。俺が後退したと同時にガラ空きの首にエフィガルドが大斧を振り下ろした。


「うおらぁぁ!」


大斧を奴の首に突き刺そうとしたその時だった。首の一部が変化して人の形になったのだ。エフィガルドの手が一瞬止まった。直後鮮血が雪の上に舞った。


「かはっ!?」


『エフィガルド!?』


エフィガルドが雪の上に転がされる。片腕が千切れかけている。


「「カカカカ!やはり人は間抜けだなぁ!伴侶の姿を出してやるだけで隙を晒して!カカカカ!」」


無邪気な子供のような声でスライムが言う。子供の声と言うことあってより邪悪に聞こえる。


『てめぇ・・・卑怯だとは思わねぇのか!』


「「殺し合いに卑怯も何もねぇだろぉ?ああ?」」


奴の言う通りだ。殺し合いに卑怯も何もない。どんな手段を使ったとしても勝った方が正しい。


「お前の・・・言う通りだ。勝った方が正しい。なら俺は勝者にならせてもらう!」


「ブラストバァァァンスフィア!」


「「ギャァ!?」」


エフィガルドの背後から獄炎の玉が豪速球で飛んできた。奴の鱗を焼き焦がして肉をも蒸発させる業火がスライムを襲う。


「エフィガルド!下がれ!」


現れたのは族長、そして護衛部隊だった。


「族長・・・妻の仇・・・親友の仇を前にして下がる訳ないでしょう?」


「・・・そうだな。ならば全力で着いてこい!」


族長に護衛部隊、全員がかなりの強者だ。これなら勝てるかもしれない。


「「面倒くせぇなぁ。素材集めだけの楽な仕事だと思ったのによぉ」」


アンフィスバエナの体がスライムの姿に戻っていく。そしてメキメキと変形していく。だが途中で膨らんで分裂していった。分裂したものもメキメキと変形していく。


「こんなもんか?アンフィスバエナの時よりは動きやすいな?主から貰ったけどデカすぎなんだよな」


本体が変形したのは1人の男の姿だった。エフィガルド達と同じ獣の耳や尻尾が生えている。テロ二族だろう。そして一際目立つのが腰に指している2本の双剣だ。分裂体もテロニ族になっている。見た感じ女性や屈強な男が多い。だが姿は違えど全員武器を持っている。


「この外道が・・・」


エフィガルドがスライムを睨みつける。顔から怒りの感情が溢れ出ている。他のテロニ族も怒りに満ちた顔をしている。


「おいおい!そんな怖い顔すんなよ?奥さんとの感動の再会だぜぇ?」


「お前だけは絶対に殺す」


「やれるもんならやってみな?さあ楽しいダンスパーティーの始まりだぜぇ?」


スライムが口が裂ける程口角を上げて邪悪な笑みと共に言った。

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