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終焉の龍の卵  作者: レッドヴォルト
黒竜編
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鎖の王達と加護

「どう・・・美味しい?」


『美味い!美味い!?美味いぞ!あー!生き返る!』


確かにこのケーキ美味いな。ほんのりとした優しい甘味が口の中に広がっていく。あー久しぶりの甘い物は五臓六腑に染み渡る。今のうちに堪能しとこう。


「口にあって・・・良かった」


いやー本当に美味しいな。そんで少し気になったんだが、あんたら一体何者なんだ?そして此処は何処なんだ?もし嫌なら言わなくて大丈夫だが・・・


一瞬だが、場が凍りつく。だが彼女達はゆっくりと口を開けた。


「此処は・・・私の友達であり」


「我が騎士団の団長であるクライムの墓である」


此処が、クライムの墓なのか。だから墓碑があったのか。それであんたらは何者なんだ?


「私はかつてそこの・・・石碑に封印されていた魔物・・・種族は大地精霊レーシーで名前はレアラン・・・よろしく・・・」


「我が名はメア!種族は古代騎士エンシェントナイト!レアランお嬢様に使える騎士でありこの墓碑の守護者である!」


レアランにメアか。よろしくな。


「貴方達は私達が待ち望んでいた者・・・だから結界を抜けれた」


結界?それに待ち望んでいた者ってどう言うことだ?疑う様で悪いんだが、まさか生贄としてか?もしそうだとしたら俺達も全力で抵抗させてもらうぞ。


俺がそう言うとメアが兜越しでも分かる鬼の形相で、こっちを睨みながら言い放った。


「無礼者!そんな低俗な考えではないわ!」


メアの怒号が空気を揺るがす。


「疑うのも無理もない・・・生贄とかじゃないから安心して・・・私達の悲願を叶えてくれそうな人・・・」


嘘をついてる雰囲気はなさそうだな。すまんな疑って。それで私達の悲願を叶えてくれそうな人ってどう言うことだ?


「貴方達・・・伝説の魔物の血を引く貴方達にしか出来ないことがあるの・・・」


「貴公達にしか出来ないことなのだ。力を貸してくれないか?」


話の内容によるな。な?ギューリー?


『何言ってんだオメガ!人が困ってんだぞ!助けるしかないだろ!』


そうだった。こいつはこんな奴だった。お節介焼きで一度やると決めたらやる奴だ。ギューリーはやる気だ。アルファはどうする?


『私は聞いてからだな。じゃないと決められん』


そうだな。取り敢えず聞くだけ聞いてみるか。


「ありがとう・・・貴方達にしか出来ないことは」


レアランの口から放たれた言葉に俺達一同は耳を疑った。


「鎖の王の一人、深淵狩りの騎士団の団長、深淵殺しの神騎士英雄クライムを殺して・・・いや救って欲しい・・・!!」


『深淵殺しの英雄クライムを殺して欲しいだと!?』


『正気の沙汰じゃねぇ!すまねぇがそれは無理だ!』


そりゃギューリーも匙を投げるわ。深淵殺しの英雄クライム施設で一度遠くから見たが、凄まじい力の持ち主だ。今の俺達が戦っても傷一つ付けれるかどうかも分からない。


「お願い・・・!!」


「貴公達は力を求めているだろう?それなら鎖の王達の力を求めてはどうだ?」


そもそも鎖の王達が何者なのか分からんしどんな力を持っているかも分からん。正直鎖の王の力を求めてみろと言われてもな。


「鎖の王達とは世界の崩壊を防ぐための王達のことだ。彼等の力は世界に影響を与えることが出来る程だ。

それに私の予想では彼等は貴公達の前に立ちはだかるだろう。どうだ?鎖の王を解放してくれないか?」


世界に影響を与える程の力か。まあメアさんの話曰く俺達の前に立ちはだかるそうだし結局戦うことになるだろう・・・分かった。鎖の王殺しの依頼引き受けよう。


「感謝する!!」


「ありがとう!!」


今にも泣きそうだった曇っていた彼女達の顔が、笑顔により明るくなった。受けたからには成し遂げたい。アルファ鎖の王の情報をくれるか?


『そう言うと思ってもう調べといたぞ!』


えーとどれどれ?


(深淵の騎士長クライム)

元勇者の仲間。原罪が解き放た放たれない様に深淵の孤独な王アビスに挑んだが敗北して鎖の王となった。愛剣である深淵殺しの大剣を振るい原罪から漏れ出て来た深淵を狩る姿は正に英雄である。


(神喰みの龍ルーディル)

聖王龍ルーディルはかつては栄えた古都キリヌスの守護者であった。だが大切な愛娘が、古都キリヌスを滅ぼした罪として、鎖の王として贖罪することになり邪神オーデイルを喰らいその体に邪神を封印した。その反動でかつての聖王龍としての威厳は見えず暴れ狂う災害と化して愛娘を、守るため聖女の扉の間を守護している。


(覇王レルヴェール)

覇王レルヴェールはかつて史上最強とも言われた人族。武力により全てを解決して帝国を建国した。人々からは暴王として恐れられたが、彼はいつも民のために動き豊かな国を作ろうとした。豊かな土地と引き換えに彼は自ら鎖の王になることを選択した。たとえどんなに辛くとも民のためならば耐えれると彼は言い残して鎖の王となった。


この3人が、鎖の王らしい。どいつもこいつも強そうな奴等だ。こいつ等と対等に渡り合える様に力を付けないといけねぇ。それに神喰みの龍ルーディル以外何処に居るかも分からない。やることが急に増えたな。


「私も・・・貴方達の力になりたい・・・だから私の加護を上げる」


レアランの掌が輝きキラキラと光る液体が湧き出てきた。


「口・・・開けて」


「ガァ???」


俺は言われるまま口を開ける。するとレアランは俺の口の中に湧き出た液体を流し込んだ。体全体に力が張るような感覚に包まれる。


(固有スキル、大地精霊レアランの加護level5を入手しました。精霊魔法の使用が可能になりました)


レアランの加護を受け取ったことにより精霊魔法を使えるようになった。


「死界に行くなら・・・このまま真っ直ぐ行って雪山を超えないと・・・でも雪山には危険な魔物と部族も居る・・・気をつけて」


分かった。ありがとう。いつか鎖の王達を討伐したら戻って来る。


「分かった・・・待っとく。貴方達の旅に幸運を・・・」


「貴公達の旅に鎖の王達の祝福があらんことを!」


俺達は墓碑を後にして密林を抜けるために歩き出した。鎖の王達の行方も道中で調べてみるか。

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