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終焉の龍の卵  作者: レッドヴォルト
黒竜編
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激闘ヴェネター

「ワォォォン!」


「キシャァァ!」


「ウラハァ!」


「コォォ!」


牙と骨がぶつかる音と鋼同士がかち合う音が響く。俺の目の前に居るのは1人の男だ。


「時空の神よ!異空間から万物を取り出したまへ!」


空間が歪みそこから3つの小瓶が出てきた。赤い液体が入った小瓶に青緑色の液体が入った2本の小瓶を握っている。奴は赤い小瓶の栓を、引き抜きその中身を一気に飲み干した。


「かー!やっぱポーションはクソ不味いなぁ!でもやっぱり力が湧き出てきたぁ!」


『やべぇ攻撃力アップのポーションだぞ!それにあの青緑色の神薬は回復薬だな。あー人間って卑怯だなぁ!一気に殺さないと面倒くさいぜぇ』


やい!男なら正々堂々とステゴロで勝負しやがれ!


勿論俺の言葉が届くわけでもなく異空間から色々持ち出してきやがった。何かが塗りたくっている投げナイフに謎の液体が入った小壺。鑑定してみるとどれも毒だ。まあ俺は一応毒耐性も持っているからある程度は大丈夫だろう。


「大地よ!地を沼らせて敵の脚を掬いたまえ!泥沼!」


「ウグォォ!?」


俺の足元に泥沼が出現した。足元が泥濘んで動きが阻害される。俺が使う泥沼よりも深く脚の膝まで浸かるほど深い。


「シックススラッシュ!」


「グアァァ!」


目にも止まらない斬撃が俺を襲う。3撃目まで古き盾で防げていたが砕かれて首に傷を負ってしまった。痛みを堪えて翼を羽ばたかせて無理矢理泥沼から抜け出した。飛んだついでに空中で、風刃を放つが全て曲刀で弾かれてしまった。


「はぁぁぁ!」


「グルァァ!」


『ウッドランス!』


「ぐっ!?」


ウッドランスが掠るが、そのまま突っ走て来た。だが唯突っ走て来ただけだ。


「ガァァァラァァ!」


「うぎゃぁ!?」


咆哮、そう唯スキルを使って叫んだだけだ。だが竜の咆哮そして近距離で食らわすことが出来た。奴は耳を塞いでその場に蹲った。俺がその隙を逃すわけがなく俺は、大口を開けて奴に噛みつく。


「う、うがぁぁ!」


「ングォ!ングァァ!」


俺は奴の横腹を咥えて噛み砕こうとしたが、噛み砕けない。この鎧めちゃくちゃ硬いぞ!このままじゃ脱出されちまう!


「ウラァァ!」


「ぐわっ!うぐぁぁ!」


俺は奴を思いっきり壁に叩きつける。奴が壁に鈍い音を立てながら激突する。


『ファイアランス!』


「マジックスラッシュゥゥ!」


片手で曲刀を振るい斬撃を放ちファイアランスを、掻き消しやがった。だが流石に壁に叩きつけられたからか右腕が折れている。


「やっぱり強えなぁ!あー痛てぇ!」


悪態をつきながら折れてない方の手で、ポーションを一気飲みした。すると折れていた腕がみるみると治り始めた。


あー今ならゲームの魔王の気持ちが分かる。あと1歩ってところで回復されるのってめちゃくちゃウザイな。


「光よ!万物を照らす神の光よ!我が敵を貫け!ライトランス!」


「グラァァ!」


俺はダークシールドを展開してライトランスを防ぐ。視界が一瞬塞がれてしまった。次の瞬間、ダークシールドが砕かれて剣先が、俺の鼻先を掠る。


「エンチャントシミター!ライト!」


鱗裂きのシミターが真っ白な光に包まれる。ヤバいあれヤバい!光属性だ!あの曲刀で斬られたら無事じゃすまないぞ!


「セブンスラッシュ!」


『古き盾!ダークシールド!』


盾を2枚展開して全て受け止める。なんとか7連撃耐え切ることが出来た。


「ガァァ!グラァァ!」


「うぐっ!?」


俺は竜の爪を使い攻撃する。まるで鋼の様な音を立てながら弾かれる。だが俺の目的は攻撃を奴の体に当てることではない。俺の狙いは奴の体幹を崩して大きな一撃を叩き込むことだ。

まだ光属性がエンチャントされているからか打ち込む度に爪の先が焼けるようだ。


「喰らいやがれ!」


懐に仕舞われていた小壺が投げられる。壺が俺に当たり割れて中身の液体が俺に掛かる。


「グオアァァァァ!」


液体が俺の肌に触れた瞬間、身体中に激痛が走る。何だこれ!?毒か!?いや毒耐性はある。この痛み・・・まさか!


「聖水の小壺高かったが買ってて良かったぜ!おらぁ!」


弱点である光属性の水を浴びせられたのだ。そりゃ痛いわけだ。だが我慢できないほどじゃねぇ。


「グラァァ!」


「まだ動けるのかよ!ならこれでどうだぁ!」


奴の懐から投げナイフが投げられる。多分だがあれも聖水が塗りたくられている。絶対に当たるわけにはいかねぇ。


俺は古き盾でナイフを全て受け止める。ナイフがカランと力なく地面に落ちる。勿論奴はこんなちんけなナイフで俺を、仕留めれるとは考えておらず2本の曲刀を唸らせながら突っ込んで来た。


エンチャントは切れている。今のうちに押し込むしかねぇな。アルファ!魔法で牽制しろ!暗い閃光をぶち込む!


『分かった!シャドーネイル!』


地面を切り裂くように俺の影が爪に変形して奴に襲い掛かる。


「地斬り!」


シャドーネイルが、曲刀によって切り裂かれる。いや切り裂かれたと言うより真ん中から食い裂かれたと言うべきだ。アルファが放つ魔法を切り裂きながら迫ってくる。限界まで引きつける。


「とっておきだぁ!柄割りぃぃ!」


2本の曲刀が竹を割る様に真っ直ぐ正確に放たれた。だがこれを待っていた。俺は目を見開き麻痺の邪眼を使った。


「っんぐぁ!?」


奴は曲刀を振り下ろした体勢で止まった。そして俺は無防備となっている奴の横腹に暗い閃光を纏った拳を撃ち込んだ。


「ガァアァアァァァ!」


「ぁぁぁぁ!」


メキメキメキと骨が折れると共に奴が崖まで吹き飛んでいく。あの一撃を喰らっても生きているとは凄い生命だ。そこらの魔物なら爆散しているぞ。回復ポーションを飲まれたら厄介だ。すまんがトドメを刺させて貰おう。


俺がジリジリと近づくと奴は小声で何か唱え始めた。


「大地よ・・・姿を変え・・・我を守りたまえ!ダートウォール!」


俺の目の前に土の壁が現れた。こんなの時間稼ぎにもならん。壁ごと消し飛ばしてやろうか。


俺は壁を突き破りトドメを刺そうとした。だがそこに奴の姿はなかった。あったのは引き摺った血痕だけだった。俺は急いで崖の下を覗き込む。そこには真っ逆さまに落下している奴の姿が見えた。


俺に食われてスキルを、奪われるくらいなら自殺してやろうと考えたんだろう。まあこの高さから落ちたらただじゃすまないだろう。経験値は手に入るだろう。


そう思って見ていたが奴の隣に黄金の魔法陣が浮かぶ。魔法陣から1体の飛竜が現れて落下中の奴を受け止めて何処かに飛び去って行った。


やられた。奴の方が一枚上手だった。逃がしてしまった。


『あいつが離れた瞬間、召喚された魔物は全て消えた。まあそんな落ち込むなオメガ。次は私がもっとサポートしてやるからさ』


俺が逃がしたせいで、次はもっと強い奴が送り込まれてくるだろう。強くならなければ。強くなって皆んなを守れるようにならなければ。今回は逃げられた俺達の負けだ。次からは最後まで油断せずに仕留める。


俺達は飛んでいく飛竜を見つめることしか出来なかった。

誤字、脱字があればご報告お願いいたします。感想、いいね頂けると嬉しいです。今週の金曜日にも投稿しますので楽しみにしていてください!

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