センリ・ネアの記録
神歴1710年 地の月10日 イグニ砂漠での記録 記録係 帝国支部冒険者ギルド員センリ・ネア
イグニ砂漠で大規模な落雷と竜巻を観測した。これが自然現象なのかはたまた人為的なものかは不明である。だがこの現象のせいで多くの魔物の移動を確認。近い内にスタンピードが起こる可能性あり。
そして奇妙な深黒竜の亜成体とリザードマン・ドラゴンニュートを確認した。この辺りでこの2種類が発見されるのはかなり珍しい。
最もこの2種類が組んで寝食を共にしている方が珍しいだろう。本来この2種類は他者を寄せつけない危険な魔物だ。何故この2種類が組んでいるのが謎なので観察することにした。もしかしたら変異種かもしれない。もし変異種だったら学会に私の名を残すことが出来るだろう。
神歴1710年 地の月25日 イグニ砂漠での記録 記録係 帝国支部冒険者ギルド員センリ・ネア
大百足との戦闘中にリザードマン・ドラゴンニュートから異常な魔力反応を観測した。それにどの属性にも属さない魔力であった。近い属性は神属性と深淵属性だろう。
その戦闘後に文献でしか載っていない機竜が出現。初めはお互いの実力は拮抗していたが、機竜が押し始めた。深黒竜が機竜の炎に包まれて倒れて戦闘は終わったと思われた。
だが数秒後に深黒竜が立ち上がった。それと同時に深黒竜からリザードマン・ドラゴンニュートと同じ異常な魔力反応を観測した。深黒竜が攻撃した瞬間、雷が落ちたかのような轟音が鳴り響いた。まるで雷魔法の天神万雷が放たれたかと錯覚した程だ。
激しい戦闘の後に機竜は破壊されて深黒竜は倒れた。倒れている間はリザードマン・ドラゴンニュートが辺りを警戒していた。
数時間眠っていた深黒竜が起き上がった。成体の深黒竜かと思ったが、全く違う。四対の翼が生えて禍々しく角が渦巻いている。その姿を見た瞬間私は背筋が凍りついた。何故だか分からないが、身震いが止まらない。見たこともない黒竜種だ。私は急いで特徴を纏めて報告書を連絡員に渡した。
神歴1710年 草の月3日 イグニ砂漠での記録 記録係帝国支部冒険者ギルド員センリ・ネア
あれからずっと観察していて私は驚愕した。幾ら新種だとしても成長スピードが早すぎる。このイグニ砂漠中部の主であるクイーングラトニーセンチピードを捕食したのだ。それに様々な魔法や古代魔法まで使っているのだ。
それとギルドから連絡書と資料その他諸々が送られてきた。連絡書の内容は「引き続き監視を続けろ。そしてその2匹の情報を掻き集めろ。ヴェネターをそっちに派遣した。絶対に見失うな」と書かれていた。資料の内容は過去に存在していたあの2匹と似た魔物だ。それも唯の魔物ではない。かつて世界を戦乱に巻き込んだ伝説の魔物だ。
1体は終焉龍オメガ・フィーニス、もう1体は封剣ギルクだ。殆ど情報は無いがその僅かの情報全てが当てはまっている。過去の文献だと世界を滅ぼす邪悪な魔物らしい。引き続き監視を続ける。ヴェネターなら討伐できるかもしれない。まあ一番良いのは生け捕りなのだが。
神歴1710年 草の月18日 イヴァナ山脈での記録 記録係帝国支部冒険者ギルド員センリ・ネア
あの2匹はイヴァナ山脈に侵入して多くの魔物と戦闘していた。
そして驚くことにブレスが雷ブレスに変化していた。捕食したライメイウガチの能力を奪ったと推測されている。それなら空腹を満たす以外で、数多くの強敵と戦闘して捕食していたのかが分かる。
そしてリザードマン・ドラゴンニュートが、進化してブラッドレイン・ドラゴンニュートに進化していた。あのドラゴンニュートの成長スピードも凄まじい。本当に伝説の魔物なのかもしれない。
数時間後ダンジョン、イヴァナの墓から出てきた時に死霊魔法で作り出した配下が1体追加されていた。恐らくダンジョンで死霊魔法を獲得したのだろう。雰囲気が普通のアンデットとは違う。アンデットも観察しとくことにする。
超危険魔物に指定されているギガノト・ドラゴンレックスが出現した。あの2匹も遭遇したが逃げ切っていた。ギガノト・ドラゴンレックスにより生態系への大打撃が確認されている。ワイバーンの生息数がかなり減少しているのが確認出来ている。奴はそのまま東へ移動を確認。イヴァナ山脈の生態系は回復するかと思われる。
その後ギガノト・ドラゴンレックスからの逃走後、あの2匹はイヴァナ山脈の主である飛竜の王、ワイバーン・キングとの戦闘して勝利した。凄まじい戦闘能力だ。早く討伐もしくは捕獲しなければ手に負えない怪物が現れるだろう。ヴェネターももうそろそろ来てくれる。早くどうにかしなければ。
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