ドラゴン・テロマホハエ
俺とギューリーはイヴァナ山脈の森まで戻って来た。だが気配察知には鳥1匹も引っ掛からない。流石におかしいと思い俺達は警戒しながら歩く。するとミシミシと木々が倒れる音が聞こえた。俺とギューリーは、音がする方向に向かうとそこにはワイバーンの死体が転がっていた。1匹ではなくパッと見ただけで5匹は転がっている。そして特筆するべき点は全て一撃で倒されていることだ。全て首に穴が空いている。何かに貫かれているようだ。
『ワイバーンが一方的にやられたのか?』
『そうだとしたら相手はかなりの手練れだろうな。警戒しろいつ来るか分からない』
俺とギューリーはワイバーンの死体を跨ぎながら進んでいく。ふと俺の目の前で何かが太陽の光の反射で光った。直後ワイヤーが巻かれる様な音と共に気配察知に強い反応があった。俺は気配の方向に古き盾を展開する。一枚ではなく5枚だ。こいつはヤバい!食らったら即死する!
バキィン!バリバリバリィ!
盾が割られて何かが突っ込んで来る。流石に全て割られると思わなかったが、何とかギリギリ避けることができた。襲撃者は勢いを殺すことなくまた森の中に消えていった。
『おい!何が起きた!』
分からねぇ!だが攻撃されているのは確かだ!
また気配察知に引っかかった。今度は防ぐのではなく迎撃に出る。黒槍と無駄だとは思うがダートウォールを展開する。
黒槍は触れた瞬間に砕け散りダートウォールもバラバラに破壊された。だが少し動きが鈍ったお陰でステータスが見れた。
種族ドラゴン・テロマホハエ
名前無し
level28/80
HP946
MP890
攻撃412
防御力430
魔攻423
魔防500
素早さ250
スキル
魔力感知level5 気配察知level8 体力自動回復level3 噛み砕くlevel9 麻痺牙level4 突進level8 頑丈顎level6 韋駄天level4 繰糸level5 思考加速level3 吸血level3 剛糸level3 毒牙level3 トラップlevel3 毒属性付与level3 ブレスlevel3
耐性
毒耐性level4
固有スキル
複眼level5 猛毒突きlevel3 ニードルスピアlevel3 竜特攻level2
ランク
B+
称号
トラッパー 竜の天敵 格上殺し グッドハンター 毒使い 待ち伏せのプロ
(ドラゴン・テロマホハエ B+)
竜が多く住んでいる場所に生息する大型の蜘蛛種。主にアルグラの高山に数多く生息している。テロニ族の言葉でテロマホハエは『速い蜘蛛』と言う意味である。但しこのドラゴン・テロマホハエは竜の餌ではなく驚くことに竜の天敵であり竜を好んで捕食する。その圧倒的な機動力と素早さで空飛ぶ飛竜をも蹂躙して捕らえて捕食する。
竜の天敵だと!?ってことは俺の天敵ってことだよな!?てかそもそも蜘蛛なのかよ!素早さな250なんて初めて見たぞ!通りで馬鹿みたいに速い訳だ。
『ドラゴン・テロマホハエが相手なんめ運が悪いな。逃げれないし戦うしかないな』
最初から逃げるつもりはない。こいつも食ってやるよ!
またドラゴン・テロマホハエが突っ込ん来る。俺とギューリーはブレスを吐き迎撃する。水のブレスと黒いブレスがミックスして迎撃する。だが奴は糸を使いブレスをギリギリで躱してそのまま突っ込んで来た。右肩に強い衝撃が走る。俺の視界は天と地が逆転していた。俺は数メートル先の木に激突してしまう。
「グァァァ!?」
俺の頭上を鋭い鎌が振るわれ木を切り裂いた。やっと近づいて来てくれたな。
「キシキシィィ!」
俺と同じくらいの大きさのデカい蜘蛛だ。デカい分かなり気持ち悪い。
『うげぇー!?気持ち悪い!』
『デッカい蜘蛛だな・・・やるかぁ!』
俺とギューリーは同時にドラゴン・テロマホハエに飛び掛かる。だが目の前から一瞬で消えやがった。空中に宙ぶらりんになりながらこっちをキョロキョロと観察している。また離れられたら厄介だ。俺とギューリーは飛んで攻撃しに行く。だが奴の尻からネバネバとした糸が放たれた。
「グォ!?」
「ウガ!?」
糸が絡んで動きが鈍くなりまた離れられた。糸が絡んだせいでかなり動きにくい。自爆覚悟で火魔法を自分に放つ。鱗のお陰でそこまで熱くは無いが糸が燃えて動きやすくなった。
「キシャアァァ!」
後ろの木の茂みからドラゴン・テロマホハエが飛び掛かって来るが俺は尻尾で奴の頭をどついて迎撃する。ギューリーが奴の胴体に一撃入れるが、直ぐに糸を吐いて離れていった。体力自動回復もあるから時間が経てば回復されてしまう。ちゃんと引き際を理解してやがるからやりにくい。一気に高火力の攻撃を叩き込むか数の暴力で倒すかだな。でも古兵だったら遅いから奴に攻撃出来ないだろうし・・・一か八か使ってみるか!ギューリー!少し時間を稼いでくれ!
『分かった!』
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