表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
終焉の龍の卵  作者: レッドヴォルト
黒竜編
47/101

暴風蛇

ライメイウガチから電気生成を入手した。ライメイウガチとは違い俺は竜袋から電気を発電して放つようだ。試しに使ってみたがライメイウガチ程の威力はないものの木を抉る威力はあるようだ。


『次行こうぜ』


だな。結構あっさり勝てたが油断せず行こう。それにしてもこの世界は不思議な場所だ。雷吐き出すイタチが存在するなんてな。


『お前の世界に雷を吐く生き物は居なかったのか?』


いや電気を使って身を守る鰻は居たけどよあんなはっきりと電気吐く生き物は居なかったな。


『そっちの世界じゃ珍しいんだな』


いやこの世界の生き物が変わりモン過ぎてる。向こうの世界に行ったら生態系の頂点になれそうな化け物だらけだ。


『平和な世界なんだな。行ってみてーな』


『でも私は暇なのは嫌いだ・・・』


人同士で争うことしかなかった世界だ。こっちの方が平和かもな。


『もう直ぐ次の目的地に着くぞオメガ』


分かった。さて倒してスキルゲットするとしようか。


しばらく歩いて着いたのは広大な鬱蒼とした沼地だった。ジメジメしているのが見たら分かる。至る所に骨が浮いており物騒な場所だ。


『今回狙うのはイヴァナの沼地の長、Bランクの暴風蛇テンペストスネークだ。気をつけろ気づいた時には体がバラバラになってるかもしれない風を操る魔物だ』


風を操るのか厄介そうだな。他の魔法と違って風魔法は見にくいし被弾は避けられないだろう。さてどうやったら遭遇出来るだろうか。


『えーと縄張り意識が高く縄張りに同格の魔物が居たら襲うらしい。縄張りには風で引っ掻かれた跡が残るそうだ』


縄張りに入ったら向こうからやって来てくれるのか。手間が省ける。


俺達は沼地の僅かな陸地を歩く。ジメジメとした湿気が俺達の体力を奪って行く。


数十分後、何かに引っ掻かれた跡が残る場所に着いた。おそらくだが、ここがテンペストスネークの縄張りだろう。木々が押し倒されている。一部はバラバラの細切れになっている。湿気のせいでかなり体力を奪われた。俺達は気配察知をガンガンにして警戒しながら休憩することにした。


それから数分が経っただろうか。何処からかそよ風が吹いてきたと思ったらよろける程の暴風が吹き荒れた。木々がなぎ倒されてそいつは現れた。


「シャァァァ!」


迷宮で戦ったジャイアントアナコンダよりも大きく4枚の翼を羽ばたかせて現れた。その顔から分かる通り縄張りに俺達が居て怒り狂っている。


『すんげぇ風だなぁ!こいつはやり甲斐がありそうだ!』


『これじゃ近づくのも苦労しそうだ』


ギューリーはグラトスと持っていた剣を構える。俺も何時でも戦えるように魔法の構築をアルファと同時にする。先手必勝!こっちから行かせてもらうぞ!古兵錬成!


『黒槍!ストーンバレット!』


魔法陣と共に地面から石の兵士が現れた。アルファが放った黒槍とストーンバレットは当たりはしたがそこまで効いてる様子は無かった。


「シャァ!」


4枚の翼を羽ばたかせて風刃を放ってきた。俺の風刃よりも速く鋭い。風の刃が俺とギューリーの体を傷つける。


『ウォーターランス!』


水の槍が放たれるが奴の風で相殺されてしまった。魔法は通じないと思った方がいいだろう。届く前に相殺されるかだいぶ威力が弱まるかの2択だ。古兵は近接戦闘をしようとしたが、暴風によってバラバラに解体されてしまった。遠近どっちも強いとか反則だろ。


「シィィ!」


テンペストスネークは少し離れた場所からちまちま風刃を放ってくる。ギューリーはなんとか避けれてるが俺は図体がデカい性で避けきれずに被弾してしまう。時間が過ぎる程体に風刃で切られた跡が増えていく。このままじゃジリ貧だ。攻めたいが攻めれないのが歯痒い。


「グォォォ!」


ブレスと同時に近くにあった木を掴み投げ飛ばす。


「シャ⁉︎」


隙が出来た瞬間に翼を全力で羽ばたかせて最大威力の風刃を放った。奴の皮が裂かれ真っ赤な鮮血が舞う。だが倒れない。直ぐに傷は塞がれてこっちを睨みつけてきた。俺は追撃で電撃ブレスを放つ。だが流石に避けられてしまった。


「ウルァァ!」


ギューリーも攻撃しているが様子がおかしい。剣を使っているか剣に振り回されてる気がする。


「シュァァ!」


「ウグゥ!」


攻撃を避け損ねたギューリーが数メートル吹き飛ばされる。テンペストスネークがその隙を逃すはずもなく倒れているギューリーに風の槍を放ちやがった。俺はギューリーの前に立って風の槍を受け止めた。


「グギャァ!」


鱗が割れて肉が抉れ鮮血が舞う。歯が割れそうな程食いしばり痛みに耐える。それを好機と思って突進して噛みつこうとして来たテンペストスネークの下顎を思いっきりぶん殴る。一瞬、暗い閃光を放とうと思ったが、上手く力を溜められずに放てなかった。


「シャァァァ!」


『助かった!アクアランス!』


反撃されて激昂してるテンペストスネークにギューリーが魔法を放った。水の槍は奴の皮膚を切り裂いたが効果は薄そうだ。


『すまない俺のせいで』


気にすんな。ピンチの時に助けるのが仲間だ。来るぞ!


「シャァァァァァ!」


テンペストスネークの周りに小さな竜巻が吹き荒れる。向こうも俺達を餌とではなく敵として見たらしい。蛇野郎なんかに負けるかよ。お前の力俺が食って貰ってやるよ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ