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終焉の龍の卵  作者: レッドヴォルト
黒竜編
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ライメイウガチ

俺達は古都と死界に向かうことにした。古都と死界について調べてみたら圧倒的に実力が足りてないことが分かった。


(古都キリヌス)

黄金の都、尽きることない繁栄の都と呼ばれた古き都。そして聖女ゾアの故郷である。だが今や繁栄の面影はなく魔物とゾアが創り出した異形が闊歩している。だが数々の冒険者が黄金と力を求めてキリヌスに向かうが帰ってきた者は殆ど居ない。生息している魔物はBランク以上でありA級魔境として認定されている。


(死界)

10体の王、十王が分割して治める太古の地。そして人類が完全踏破したことがない未踏の地である。太古から存在している古代種や始祖種が闊歩している。豊富な天然資源と古代技術目当てに十王に戦いを挑んで滅んだ国は数え切れない。生息している殆どの魔物がAランク以上でありS級魔境として認定されている。


(十王)

死界を治める10体の王達のこと。彼等は王になってから一度も敗北したことのない無敗の王である。

龍達が暮らす龍王の城の王、龍王ゼルレア。

蟲が蔓延る病の谷の王、蟲女王バグイーン。

天穿つ山と永遠の苦しみを与える毒沼の嵐の王、蛇王テンペスト。

巨人の王であり剛腕の化身、巨人王ユミル。

リヴァイアサンの弟であり死界の海を支配する魔海の王、海王シフ。

精霊達が住む幻影の都の王、精霊王オベロン。

封剣ギルクと肩を並べる拳の王、武拳王シェンレオ。

月食らう神狼の王、狼王ムーン。

悪魔達が住まう大陸の王、悪魔王サタン。

望まれぬ命、最後の錬成生命体の王、錬王ハルゲア。


十王全てが無敗の王だ。もし死界に行くとしたら彼等共戦うことのなるだろう。最低でもSランク上位になっていないと勝てない相手だ。このイヴァナの山脈で最低1回でも進化しとかないとダメだ。今の実力でギリギリ行けるとしたら古都キリヌスだろう。


『おっかねぇな本当に・・・なあ本当に行くのか?』


俺は向こうの世界を救いたい。そのためには強くなるしかないんだよ。それに向こうに何か忘れている気がするんだよ。記憶より大切な物をな・・・


『大切な物ねぇ・・・』


アルファ頼んでいたことは調べてくれたか?


『ああ、調べておいたぞ。このイヴァナの山脈の主魔物だろ?』


早速教えてくれないか?


『分かった。主の魔物はこのイヴァナ山脈に数多く生息するワイバーンの群れのリーダーだ。種族はワイバーン・キングだ。ワイバーン自体も強いが奴の周りに居る護衛のワイバーン・ナイトはBランク上位の魔物だ。そして本人はなんとAランク下位の実力者だ。はっきり言うと今の実力じゃ勝てそうにないぞ』


だよなぁ・・・俺とギューリーどちらもAランク以上の実力があってこそ勝てそうな相手だ。


『だから私がイヴァナ山脈の森に生息する同ランクの有用なスキルを持った魔物を目星をつけといた』


アルファが目星をつけた魔物をギューリーと一緒に見ていく。どれも強力そうな強者揃いだ。こいつらを食って俺はもっと強くなる。


『気配察知をガンガンにしとくから引っかかったら直ぐ分かるはずだ』


分かった。取り敢えず森の中を歩いて行くか。それでいいか?


『構わねぇよ。俺ももう少しで進化だ早く見つけようぜ』


お?もうそんな所まで来てたのか。


『俺だって負けていられねぇんだよ』


俺も負けてられねぇな。まあお互い頑張ろうぜ。


ギューリーと木の実やキノコを物色しながら歩いていたら一際強い気配が引っかかった。ギューリーは気づいてないらしく木の実を齧っている。


居るのは分かるが姿は見えない。向こうはこっちに気づいてそうだ。ギューリー何か居るぞ警戒しとけ。


『分かった。これは・・・分かりにくいな気配がブレてるな』


やっぱりか?こっちから仕掛けられないし向こうから仕掛けてくるの待つしかないか?


ガサガサと木々の葉が揺れた。俺はそこにストーンバレットを放つ。だが当たった様子はない。後ろから何かが動く音と同時に鋭い痛みが背中に走った。


「グルォ!?」


背中を見てみると棘が刺さっていた。俺は棘が飛んできた方向にブレスを放つ。


「ケェ!」


茂みから飛び出してきたのは5メートルはあるイタチだった。牙がギラギラと生え揃い尻尾の毛が逆立っている。探していたBランクの魔物のご登場だ。


『イタチだな・・・美味いのか?』


肉食獣だし獣臭いだろうな。まあ倒すぞ。何でこんなイタチがBランクなんだ?ただデカい獣だろうに。


(ライメイウガチ B-)

大型の肉食獣の魔物。身体能力が高く木々を一瞬で飛び移り獲物に襲いかかる。逆だった尻尾の毛を放ちその毛は木を貫く程の威力である。体を動かして体内の発電器官にエネルギーを蓄積して竜のブレスに近い攻撃を放つ。他にも電気を使用して空間を掻き乱すことも出来る。非常に獰猛で素早いため討伐は非常に難しい。毛皮は貴族の寝巻きに使われる程の超高級品である。


ライメイウガチか。体を動かして体内の発電器官にエネルギーを貯めてブレスを吐くねぇ。まあ気をつけとけばいいだろう。1番危険なのはあの爪と牙そしてスピードだ。


「ケェェェエ!」


ライメイウガチが尻尾の毛を放ち突っ込んで来た。俺はマッドウォールを展開して毛を防ぐ。毛はマッドウォールで止まったが、ライメイウガチはマッドウォールを破壊して飛びかかって来た。


「グォォォ!」


「ウラァァ!」


ギューリーと一緒に攻撃したが振り下ろした腕を蹴られて避けられてしまった。ギューリーの剣は空振って地面に突き刺さった。軽業師みたいな動きしやがって。


木々に登ったかと思うとまた気配がブレだした。どこだどこから来る?上か?横か?


次の瞬間、雷が落ちたと思わせるほどの轟音と激しい衝撃が俺を襲った。俺とギューリーは数メートル飛ばされて木に体を打ちつけられた。何が起きた?ヤバい頭がクラクラする。


「ケェェェ」


トスッと軽い音を立てながら木々からライメイウガチが現れた。その口元からは煙が出て少し荒れている。恐らくだが奴のブレスを真面に食らったんだろう。それにしても凄まじい威力だ。感心してしまう。


俺とギューリーは直ぐに立ち上がり構える。ライメイウガチが飛び込んで来る。俺は麻痺の邪眼を使った。一瞬動きが鈍った。俺とギューリーがその隙を見逃すはずもなく剣が毛皮を裂き牙が首を穿った。


「ケェェェ!ケェェ!ケェェ」


初めは抵抗して爪を振るって抵抗していたが、段々と力を失い遂には動かなくなった。


(経験値2490入手しました。levelが22に上がりました)


こいつの敗因は一つだ。自分の力を過信しすぎて突っ込みすぎたんだ。攻撃が来ても避けれると思っていたんだろうが俺の方が一枚上手だった。ただそれだけだ。次にこうなってるのは俺達かもしれない。気を引き締めていかないとな。


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