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終焉の龍の卵  作者: レッドヴォルト
黒竜編
45/101

シルク

「えっぐ・・・ぐすん・・・えっぐ・・・ふぇぇん!」


一回泣き止もうな?な?一回水飲もうな?ギューリー水頼むわ。


『分かった。急に泣き出しちゃって・・・妹を思い出すな』


水球を掴んでチビチビと飲んでやっと落ち着き泣き止んだ。


「急に泣いてしまってすまなかったドラゴンいや我が主の息子、終焉龍オメガ」


何故俺の名前を知ってるんだ!?さっき会ったばっかりだぞ?


「あの御方が貴公にそう名づけたのだ。名づけには私も立ち会ったのだぞ!」


聞きたいんだがそれって何年前のことだ?


「1200年程前だが?」


俺が生まれたのってここ数ヶ月なんだよな。え?もしかして俺って1000年以上ずっと卵だったの?どんだけ長い時間卵の中で眠っていたんだ。


「あの御方は凶星現れる年に生まれてここに来ると言っていたが本当だったとは・・・やはりあの御方は素晴らしい」


さっきから気になっていたんだあの御方って誰だ?


「あの御方は貴公の母親、初代終焉龍オメガ・フィーニス、黙示録の赤い龍、世界を忘れさせる獣とも言われているな」


黙示録の赤い龍、世界を忘れさせる獣・・・名前からしてガチでヤバいじゃん俺の母さん。


『私のママそんなおっかないのか』


『世界を忘れさせる獣、昔話で聞いたことがある』


まあお前の主のことは分かった。次はその剣についてだ。


「この剣はかつて死龍と呼ばれる龍、いや異端の古龍が封印されている剣だ。伝説の魔物に反応して隙あらば喰らおうとする強者だ。私はこの剣を使って貴公を探したのだ」


少し鑑定してもいいか?もっと詳細を知りたい。


「いいが・・・喰われるなよ?」


喰う?剣が俺を?無理に決まってんだろ。えーとどれどれ?


剣を鑑定したその時だった。気持ち悪い何かが全身を這いずり回る感覚がまた訪れたのだ。


「グァ!?」


『うげぇ!?気持ち悪りぃ!?』


(精神攻撃耐性level3を入手しました。魂干渉耐性level3を入手しました)


俺はその場に倒れ込む。喉から何か出てきそうだが、必死に耐えた。直接心臓を触られたかのような気持ち悪さが込み上げてくる。


(死龍剣 ウラヌス Legend)

永遠を生きる古の龍と神にも死を齎す異端の古の死の龍ウラヌスを封印している剣。元となった剣は聖剣だったが、今や見る影もない。

かつてラグナロクで数多くの命を貪り喰らい伝説の魔物と渡り合えるほどの力を得たが、封剣ギルクによって封じられた。自分と同じ匂いのする者へ惹かれて取り込もうとする。もし力ある者を取り込んだなら次こそは封印が解かれるだろう。所有者に攻撃力が上がるバフを掛けるが、それは所有者を美味くしてから喰らおうとする悪しき魂胆である。


ヤバすぎだろこの剣。力ある者を取り込もうとするって・・・絶対に触れちゃダメだな。特に俺とギューリーは伝説の魔物の子孫だ。絶対狙われてる。


「喰われなかったか・・・よかった」


喰われるかと思った。何か不気味な耐性も入手したし。名前からして魂に干渉されたんだろうな。あー恐ろしい。


「貴公よ鑑定を持ってるってことは私のステータスを見たか?」


見たぞ。勝手に見てすまなかった。


「実はあれは本当のステータスではないのだ」


そうなのか?言われてみれば1200年以上生きてるのにステータスがかなり低いなって思ったんだよ。


「見せてやろう私の本当の力を」


イヴァナのお姫様は俺達にも見えるようにステータス画面を共有してくれた。俺とギューリーは馬鹿みたいに大口を開けた。それほど衝撃的だったのだ。


種族イヴァナの民 (ヒーローズ・アンデット)

名前シルク

状態異常 神封印

level290

HP2480

MP1890

攻撃力2006

防御力1002

魔攻1540

魔防1987

素早さ480

スキル

剣帝術level5 剣帝技術level5 氷魔法level9 気配察知level9 魔力操作level9 魔力感知level9 貴族作法level3 騎乗術level4 召喚魔法level3 セイトモルグ語level8 死霊魔法level9 崩壊魔法level5 深淵魔法level8 氷焔魔法level9 炎魔法level9 天走level5

神腕level5 神速level5 韋駄天level9 神壁level5 予知level3

固有スキル

イヴァナの加護level6 真眼level9 イヴァナlevelMax 不死levelMax 超再生level8

ランク

Ancient+

称号

イヴァナの姫 魔物使い 自由奔放 継ぐ者 魂を継ぐ者 2代目勇者 転移者 元英雄 終焉龍の従者

装備

死龍剣ウラヌス Legend 氷雷狐のコートC− 飛竜の靴C−


今まで見てきたステータスでぶっちぎりで1番高い。その気になれば俺達を一瞬で倒せる。圧倒的実力差、生きる次元が違う。てかファーストコンタクトの時だいぶ手加減されてた?もし俺が伝説の魔物じゃなかったら殺されてたってこと?


「貴公達の本質を見抜くために少し弱々しいフリをさせてもらったすまぬ」


・・・高圧的な態度とってすいません。


「まあ気にするな。それと私は貴公達の旅に同行することはできない。私もあの御方に頼まれた仕事があるのでな。貴公の母ならこの言葉を伝えろと言われていたのだ。古都を目指せ、死界を目指せ、古龍と十王を喰らえ、仲間を増やせ神の喉笛を食い千切れと」


少し期待してたけどそんな上手くいかないか。それに古都、死界は聞いたことがない場所だな。それに古龍は何回か聞いたことがあるが、場所は分からない。それに十王って何だ。そもそも仲間なんてどうやって見つければいいんだ。急に色々増えすぎて混乱しそうだ。


「この剣を持っていけ。伝説の魔物や古龍に近づいたら分かる」


えー?またその剣に触れるの?嫌だな〜気持ち悪いし。


「文句言わずに持っていけ!お前なら喰われはしないだろう」


俺は渋々と剣を受け取ってギューリーに渡した。


『何で俺なんだよ!?』


だってギューリー剣士じゃんだからギューリーが持った方がいいかなって思ってさ。ほら喰われてないからセーフセーフ。


『お前な・・・まあ仕方ないかお前には必要ないもんな』


ギューリーはウラヌスを背中に背負った。少しビクンとしたが大丈夫だろう。


「私達はそろそろ行く。やっと1つの仕事が片付いたのでな」


ああ、ありがとうイヴァナの姫様。


「シルクだ。私の名はシルクだ。オメガよ全ての終着点でまた会おう」


また魔法陣が現れてドラゴン騎士達が消えていく。ゴウっと風が吹くとそこにシルクの姿はなかった。


改めて考えさせられる。俺は何故この世界に来たのか。何故俺が選ばれたのか。今度女神様に聞いてみないとな。

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