イヴァナの姫
ワイバーンを全て食べ終えて入手したスキルはどれも使えそうなやつだ。風刃と風魔法だ。風刃はワイバーンと同様に翼を羽ばたかせて風の刃を放つ技だ。だが俺の基礎能力が高いからか風刃の威力はワイバーンと比べ物にならない。風魔法はMPを消費して風刃を出すことができた。ぶっちゃけ風刃の方がMPの使用量少ないし風魔法は、今は使わないかな。遠距離攻撃が増えるのはいいことだ。
俺がスキルを試してるとギューリーが変なことを聞いてきた。
『今更だけどよ俺達の目標ってなんだ?』
そりゃ神殺しだろ。俺が元いた世界を救うためだ。
『だけどよぉお前はこの世界で生きている。もう向こうの世界とは関係なくねぇか?戻れるわけじゃねえしよ』
確かに俺は1度死んでいる。もう向こうの世界とは関係ないはずだ。なら何故体が動くんだ?何故助けようとするんだ?こっちでまったり竜生過ごしてもいいはずなのに。もしかして女神様には俺の世界を救う以外に目的があるのか?そもそも俺は死んだのか?もしかしたら生きていて記憶だけ埋め込まれているだけなんじゃないか?
『まあ気にすんな。女神様に聞けばいいしそこまで気にすんな気楽に行こうぜ』
・・・そうだな気楽に行こうか。今俺がやることは強くなることだ。
俺とギューリーが低空飛行していると複数の気配が近くに隠れているのを察知した。この弱そうなの気配は・・・ゴブリンか!
俺は気配の方向へ突き進む。気配は森の中だ。それとゴブリンの他にもう一体なかなか強そうな気配を拾った。小さいが強い気配だ。
『狩るのか?』
ああ、勿論だ今は経験値が少しでも欲しい。
「グォォォ!」
「ウォラァァ!」
俺とギューリーは木々を薙ぎ倒して森へ突っ込んだ。そこには阿呆みたいに口を開けたゴブリンと灰色の肌と銀色の髪の少女が居た。まさか・・・人間!?いや肌が灰色だし・・・ギューリーと同じ亜人か?
「ウヒィ!」
「ギャギャ!」
「ド、ドラゴン!?」
ゴブリン達は俺の姿を見た瞬間に走り出した。まあそうだよなこんなデカいのいきなり現れたら俺でも逃げる。まあ逃がさないんだけどね。俺は翼を、羽ばたかせて風刃を放つ。スパッとゴブリン達の首が刎ねられてた。
(経験値40しました)
「クソ!ついてねえ!ドラゴンとリザードマンが相手なんて!」
銀髪の少女は持っていた剣をこっちに向ける。おいおい戦う気かよ!
種族イヴァナの民
名前シルク
level12
HP358
MP312
攻撃力101
防御力59
魔攻102
魔防84
素早さ54
スキル
剣術level5 剣技術level5 氷魔法level3 気配察知level3 魔力操作level3 魔力感知level3 貴族作法level3
騎乗術level4 召喚魔法level3 セイトモルグ語level8
固有スキル
イヴァナの加護level6 真眼level3
ランク
無し
称号
イヴァナの姫 魔物使い 自由奔放 継ぐ者
装備
死龍剣ウラヌス Legend 氷雷狐のコートC− 飛竜の靴C−
イヴァナの民のお姫様!?てかイヴァナって人の名前だったのか?なんでこんな場所に居るんだよ!?
「はあぁ!」
イヴァナの民のお姫様は握っていた禍々しい剣を振りかざしてきた。待て待て人はまだ殺したくねえんだよ!仕方ない剣を奪って無力化するか。俺は剣を手の甲で弾こうとしたその時だった。あの最古の死者の眷属と会った時と同じ気味悪い感覚が俺の全身を這いずり回った。
「ガアァァ!?」
『どうした!?』
あの剣ヤバい何か言葉では表せないけど・・・気味悪い。触れちゃダメだ。
「ウラヌスが反応しただと!?まさか・・・まさか!チッ!サモン、グラヴァン!ガルヴァル!」
「姫の為ならこの命を捧げましょう!」
「我等全力でお相手いたす!」
地面に魔法陣が描かれてそこから鎧を纏ったドラゴン騎士2頭が現れた。それにしても流暢に喋るな。
「グラヴァン、カルヴァル!もし奴が変なことをしたら叩き切れ!」
「「はっ!」
ま、待て待て!こっちは戦う気はねよ!どうやって伝えよう・・・あ、俺念話あるじゃん。ギューリーと話すみたいにやってみるか。あーテストテスト、イヴァナの民のお姫様聞こえますか?我々は戦う気はありません。直ちに武装解除せよ。
「念話!?そこのドラゴンお前の念話か?」
そうです。我々は敵対する気はありません。オレタチ、タタカイタクナイ、オッケー?
「奴は何と?」
「戦う気は無いらしい。念話で嘘をつくには高度な技術がいる。あのドラゴンが態々そんなことをすると思えない。だが油断するな少しでも変なことをしようとしたら斬り捨てろ」
「はっ!」
俺の熱心な訴えが効いたのか姫様は剣を下ろしてくれた。まあ後ろのドラゴン騎士は剣を持っていつでも切り掛かれるようにしている。まあそうだよな。ギューリー変なことするなよ。
『分かってる安心しろ』
『遂に人間と話すのか・・・緊張するな』
「唐突だが質問させてもらおうかドラゴン。貴様は伝説の魔物か?」
それがどうした?俺が伝説の魔物でも関係ないだろう?
「お前には関係ないかも知れないが、私には関係あるんだ!ずっと探していたんだ・・・1000年前から!あの御方に言われて!やっと会えたんだ!」
え!?ちょ急に抱きつかないで!怖い!何故泣いてるんだよ!俺何かしたのか!?ねぇ騎士さん助けてよ!
「そっとしておいてやれ・・・」
『何か・・・うん』
こうして俺はイヴァナの姫と奇妙な形で出会った。