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終焉の龍の卵  作者: レッドヴォルト
黒竜編
37/101

遺跡探索とスキルチェック

「グァァァ!」


「キィィィ!」


俺とギューリーは休めそうな洞穴を見つけたが、思わぬ敵が潜んでいた。鋭い鎌のような腕を振り回し肉に食らいつく為の牙が迫ってくる。ギューリーの二回りほどの大きさだが凄まじいスピードで攻撃してくる。今回はスキルを試したいので俺一人で戦っている。


(デザートシュリンプ C)

太古の海に生息していた甲殻種の末裔。その鎌は獲物の皮膚を切り裂く。完全に陸上に適応しており砂の大地を回遊して小さな獲物を砂ごと飲み込む。甲殻は硬く衝撃を吸収するため盾の材料として使われる。背腸を取らないと肉はあまり美味しくないが、珍味として高値で取引される。


完全に海老じゃねぇか!魚介類が豊富だしこの砂漠って元々は海か湖だったんじゃないかとそんな呑気なことを考えながら攻撃を捌く。俺は右手に意識を集中させて狙いを定める。奴の鎌が振り下ろされた時に胴体に隙が出来た。機竜に放った時の様に暗い閃光が宿る。ガラ空きな胴体に拳を突きつける。閃光が放たれデザートシュリンプの胴体を消しとばした。


(経験値480入手しました。levelが5に上がりました)


『凄いなその力・・・一撃だぞ』


お前の封剣よりもコスパが悪いはこれ。ステータス確認したが一撃でMPを半分程使いやがった。機竜戦では馬鹿みたいに放てたのは謎だがそう易々と放てる技じゃないな。


俺はデザートシュリンプの背腸を抜いて焼き始める。火魔法も習得したから一々火起こしをしなくて良いのは楽だ。その後は普通に焼いて食べたんだが普通の海老をそのままデカくしたような味だった。これまた美味で癖になりそうだ。


(スキル、自己再生level1を入手しました)


お!新しいスキルゲットできた。ラッキー!そんな事を、考えていると洞穴がまだ奥に続いてるのか確認出来た。一応一番奥まで行くか。


洞穴の中を俺とギューリーで歩いていく。壁には解読不能な文字が羅列され所々ルーン文字が書いてある。何故かルーン文字と分かるのだ。まあ読めないけどな。


少し先に進むと広間に出た。壁一面に壁画が描かれている。もしかしたら世界の声を使えば解読可能かもしれん。試してみるか。解読できるか?


(可能、かつて存在した古代文明の物と判明。解読開始します)


ああ、よろしく頼む。もしかしたら何か知れるかもしれないしな。えーとどれどれ?


(古くから伝えられる物語をしよう。神々が忘れようとした古い物語だ。世界に炎と魂と古き魔物しか存在しない時代の話だ。

古き魔物は祝福された炎を見つけ手に入れた。彼等はこの世界を、より良くする為にその力を使った。火の温もりや生い茂る草花、全てを包み込む大海を創造した。世界は豊かになり数多くの生き物が産まれた。彼等は生き物達に慕われ楽しい時を過ごした。己の力を大切な世界を守る為に使った。


一方神々は彼等を恐れたのだ。炎から力と正義を、見出した彼等とは別に神々は欲と力を見出した。神々は彼等との世代交代に恐れたのだ。

天使を使い軍を結成して伝説に挑んだ。実力は拮抗した。彼等が愛した世界は、破壊され美しい景色は戦火に巻き込まれた。原初の戦争の始まりだ。


神々は罪を犯した。より強力な力を得ようと他の世界の炎を奪い始めた。異世界からの者に力を与えた。異界の者の力は凄まじく彼等と対等に渡り合い遂に勝利した。だがそんな英雄達も神々に恐れられた。


龍狩りは半神半人であるため名を奪われ追放された。聖女ゾアは古都キリヌスに一人寂しく幽閉され狂っていった。神騎士クライムは原罪の解放を防ぐ為にアビスに立ち向かったが、敗れ鎖の王となった。異世界の勇者アズハは神々に怒り真の最古の魔王となってしまった。そして伝説はいつか舞い戻る。神々を駆逐して世界を戻すため。そして異界の者達の無念を晴らすために)


えーと・・・ガッツリ禁忌並の情報手に入っちゃった。伝説の魔物を殺すために勇者を召喚したことだ。恐らくだが他の世界ってのは多分俺が居た世界。俺が居た世界の炎を奪って勇者を召喚して勝ったが、勇者達の力を恐れて封印なり追放なり使い潰したりしたようだな。勇者は闇堕ちしちゃってるし。


まあここは閉鎖された空間だ。入り口でしか出入りできない。最近色々なスキルを入手したけど使ったことが無かったしここらで試しとこう。ギューリーは休んでてくれ。さあまずはレベルアップした古代魔法の確認だ。


『一応言っとくぞ。こっちに撃つなよ?』


分かってるって安心しろよ。撃つ訳ないだろ。


(古代魔法)

禁忌魔法や深淵魔法の本質に近い原始の魔法。今や使える者は少なく人智を超えた者や古龍の血を引き継いだ者にしか発現しない。全ての魔法に互換性があり威力を高めたり術式を書き換える事ができる。古代魔法を魔物以外で見出した聖女ゾナは狂っていった。彼女は魔法の本質に何を見出したのだろうか。

level1 低級術式書き換え 古き盾

level2 太古の剣 貫釘

level3 竜鋏 古兵錬成


まず初めに試したのが、太古の剣と貫釘だ。名前通り太古の剣は古びた鉄の剣を生成した。

だが竜の俺が使うのには小さすぎる。貫釘は太い釘を数個生成して打ちつける魔法だった。いまいち使い方が分からない魔法だ。

そして次に試したのが竜鋏と古兵錬成だ。竜鋏は試してみたが発動しなかった。だが古兵錬成は発動した。


これがまた凄まじい魔法だった。太古の剣と古き盾を持った2メートル程の石の兵士を生成した。俺の考えた通りに動くし戦力が増えたと言う認識で良いのだろうか。消えろと念じたら赤騎士みたいに煙になって消えた。


さあ次は精霊魔法と火魔法、土魔法だ。まあ名前通りの魔法だろう。


(精霊魔法)

精霊の力を借りて発動する魔法。精霊と会って契約してからやっと使える。精霊に気に入られれば様々な恩恵を得れるが、嫌われれば呪いになり様々な災厄を撒き散らすだろう。精霊に気に入られるのは至難の業だ。

現在利用不可


(火魔法)

火を司る属性。熱を生み出し活力を与える。その性質から幾つかの上位魔法に派生し他の魔法との互換性も高いため習得しやすい。

level1 ファイア ファイアボール

level2 ファイアアロー ファイアウォール

level3 ファイアランス ファイアソード


(土魔法)

土を司る属性。母なる大地を攻防に使える。その性質から様々な形に変化できる。時には槍となり時には盾となる。

level1 マッドウォール 泥沼

level2 ダートウォール ダートハンマー

level3 クレイゴーレム生成 ウッドランス


精霊魔法以外試したが泥沼とマッドウォールが優秀だと分かった。泥沼は指定した場所を名前通り沼にして動きを鈍らすことが出来る。マッドウォールは泥の壁を作って近接攻撃に強い。

これでかなり戦略が広がりそうだ。火魔法は俺がブレス吐いた方が、まだ強い。さて色々スキルも試したし俺も少し休むか。MPが回復したらギューリーを、起こしてまた山へ向かおう。

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― 新着の感想 ―
[一言] このまま強くなっていって欲しい。 いずれ最強に。 更新が待ち遠しい。
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