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終焉の龍の卵  作者: レッドヴォルト
黒竜編
34/101

機竜

大百足の亡骸に俺とギューリーは背中をつけて休んでいる。体がボロボロだ。こんな強敵を相手にしたのは初めてだ。もしアイツの攻撃がクリーンヒットしていたら俺は死んでいただろう。そんなことを考えながら百足の肉を食らう。


(スキル、麻痺牙level1を入手しました)


新しいスキルもゲットできた。とりあえず百足を食べきらないとな。味は・・・うん酷いが食べれる。これも貴重なタンパク質だ。我慢して食べろ俺。ギューリーも鼻を摘んで凄い顔で食べている。2人で1時間程かけて何とか食べ切った。もう食べたくねえな・・・って何だ!?


突如、施設の方角から気配を感じ取った。魔物っポイが魔物じゃない。もっと冷酷で意思のない無機物の様な気配が、迫って来ている。最古の死者の眷属と気配が似ている。


砂丘を超えて現れたのは生物と言っていいのか分からない代物だった。明らかに存在している時代が違う。竜の見た目をした機械が現れたのだ。

機械と言っても一部は鱗皮があり爪も右の爪だけは、クロウドレイクと似た形の爪だった。背中から翼の代わりに何か撃ち出してきそうな砲塔が着いている。目も機械的だし胴体には赤色の結晶が、埋まっている。とりあえず鑑定して情報を集めないと。


(近接戦闘用機竜火竜型α D)

近接戦闘を想定して火竜を基礎として作成された機竜。体内で作られた熱を、翼の砲塔から撃ち出して中距離も攻撃できる。右爪はクロウドレイクの一部が使用されており近接戦闘能力が高い。


説明を見た感じほぼ機械だこいつ。2種類の魔物が混ぜられて作られている。それに近接戦闘が得意なのに翼の砲塔から遠距離攻撃もできるのも厄介だ。


「ギガァァァァ!」


機竜が爪を振り上げて襲ってくる。俺は即座に古き盾を展開して爪を防ぐ。だが防いだ瞬間に体が熱くなった。俺は嫌な予感がして後ろに飛んだ。奴の砲塔から炎が放たれて俺が居た場所が、黒焦げになった。何て火力だ!食らったらひとたまりもないぞ!


「ウラッシャァァ!」


ギューリーの剣が奴の装甲を削る。鉄と鉄がぶつかり合う嫌な音が響く。死角からギューリーに向かって炎の弾丸が放たれたが俺が古き盾を展開して防いだ。


『動きが読みづらい!』


その通りだ。何をしてくるか分からんから強気に出れない。


「ギガァ!」


「グォ⁉︎」


腕に重い衝撃が走る。あいつ翼の砲塔を利用して加速して突進して来やがった!力が強い!振り解けない!爪が腕にミシミシとめり込む。ギューリーが引き剥がそうと剣を振るってくれたがガッチリともう片方の腕に掴まれてしまった。奴の口から熱が漏れ出してるのが分かる。俺はギューリーを掴まれてない方の腕で弾き飛ばした。


『オメガ⁉︎』


安心しろギューリー、俺はこんな事じゃ死なないからよ。あとは頼んだぞ。百足との戦闘もあり体はボロボロだった。奴の口から炎が溢れ出して俺の体を焼き尽くした。熱いと言うよりも痒い。数秒後には俺は真っ黒に焦げて地面に倒れた。意識はあるが全身が痛い。声も出ないほどに。叫ぶことも出来ない。カッコつけたがこの様だ。


「ウルシャァァ!」


「ギガァァ!」


ギューリーの剣と奴の爪がぶつかり合う。ぶつかり合う度に火花が散りギューリーの剣が刃毀れしてしまう。長くは持たないだろう。ギューリーもかなり消耗してるし封剣の力は使えないだろう。


(この状況から勝つ方法があります)


世界の声か。勝てるなら何でもいい。教えてくれ!


(勝ったとしても生き残れるかは分かりませんが宜しいでしょうか?)


勝てれば何でもいいと言っただろう?覚悟はできている。


(了解。魂の容量を確認中・・・確認完了。神域へのアクセス・・・拒否されました。再構築してアクセス・・・許可されました。祝炎の血の活性化・・・活性化しました。生き残れる確率を計算中・・・約47%です。肉体の再構成・・・不可能。血の制御・・・成功。level1の目覚めに成功しました)


体が軽い。動ける。痛みもない。倒れたギューリーが口をパクパクさせてこっちを見ている。俺自身も驚いてる。ゆっくりと奴が振り返って獲物を、構えた。さぁ第2ラウンドと行こうか!

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