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終焉の龍の卵  作者: レッドヴォルト
黒竜編
31/101

砂漠の暴食

ひんやりとした風が当たり目覚めた。頭上には満天の星空が広がり満月が見える。数時間寝ていたそうだ。俺はギューリーを起こしてオアシスの水を飲んで砂漠を歩き始めた。遠くにサボテンや魔物が見える。向こうから襲ってきてくれたら飯の確保も楽なんだけどな。砂丘を超えると地平線の先で砂嵐が吹き荒れていた。砂嵐は、地平線でも確認できる程の大きさだった。幸い進行方向とは真逆なので問題なく進める。


『あんなのに巻き込まれたら死ぬな・・・』


こっちに来ないでくれと祈りながら俺達は進む。しばらく歩くと太陽が昇って来た。夜明けは近いが、朝になったら大型の魔物も動き出すだろう。気をつけないとな。


だがそんなことを考えてた束の間。地平線から何かが走って来るのが見えた。前日倒したイグニウルフ数体が砂埃から全速力で何かから逃げている。砂埃は一気に加速してイグニウルフの群れを飲み込んだ。血飛沫が砂埃から舞い上がる。砂埃が晴れた時には、骨だけになったイグニウルフと1匹の巨大なムカデが見えた。かなり距離が離れてるはずなのにこっちを睨みつけている様に見える。嫌な予感がする。


予感は的中して奴の脇腹から小さなムカデが2匹這い出して来てこっちへ向かって来た。小さいと言っても奴と比べればだ。大ムカデは俺らに興味をなくしたのか別方向に走り出して行った。だが小さいのは向かって来ている。かなり速いから逃げることも不可能だろう。


約100メートル先に姿が見えて覚悟を決めた。気配察知の反応の仕方から弱くてE級上位、下手したらD級だ。俺より2回りはデカいのが2匹も向かって来るなんて今日はついてないな。


『やるのか?結構厳しいぞ』


逃げれないんだしやるしかないだろ。


「キチキチィィ!」


「キィィィ!」


(スモールグラトニーセンチピード D)

グラトニーセンチピードの幼体。口に入る物なら何でも食べようとする大型の甲蟲種。牙には獲物を麻痺させる麻痺毒がある。甲殻は軽く加工しやすく丈夫で盾によく使われる。砂漠を凄い勢いで泳ぎ急接近して砂の海に引き摺り込む。進化が近くなると親の元を離れて狩りをする。


種族スモールグラトニーセンチピード

名前無し

level49/50

HP842

MP320

攻撃468

防御力403

魔攻90

魔328

素早さ89

スキル

威圧level3 魔力感知level3 気配察知level5 体力自動回復level2 噛みつくlevel3 麻痺牙level3 砂吐きlevel3

突進level3 穴掘りlevel3 俊足level2 頑丈顎level2

耐性

火耐性level3 暑さ耐性level2

固有スキル

底無しの胃袋level5 砂掻きlevel3 魔食level2

ランク

D

称号

大食らい グットハンター


進化直前のDランクが2体か。かなり厳しいが勝ったらかなりlevelが上がるだろう。手分けして相手するかど片方を速攻で片付けるかどっちが良いんだ。


『オメガ、封剣の力はまだ使えないからな。MPをかなり使ってしまったからな』


分かったMPが回復次第使ってくれ。それじゃ一気に片方を片付けるぞ。行くぞ!


突っ込んで来た先頭のムカデに俺は下からアッパーを喰らわせた。少し仰け反ったが牙をガチガチと音を鳴らしながら噛みつこうとしてくる。だが後方の奴は少し距離を取ってこっちの様子を伺っている。すかさずギューリーが硬い甲殻がない足一気に切り落とした。ボトボトと2メートルはある足が数本、緑色の血と共に地面に撒き散った。


「ギィ⁉︎ギィア!」


「グォオォ⁉︎」


足を切り落とされても反撃で口から砂の塊を吐いて目潰ししてきやがった。目が見えないが、勘で腕を伸ばして奴の足を掴み引き千切った。


「ギィアアア!」


目が見える様になった瞬間に奴の牙が眼前に迫っていた。俺はそのまま口を開いて奴の口に食らいついた。奴の牙がこめかみに突き刺さった。腕の力が抜けてきた。だが顎に力が入ればそれでいい。ゴチャリと頭が潰れた音と共に奴がビクンと反り返った。だが頭が食われたのにも関わらず、頭のあった場所から血を吹き出しながらまだ生きている。


牙を失った奴はその巨体を活かして突っ込んで来た。ギューリーが飛行しながら奴の足をまた切り落とした。

躓こうが関係なく砂に潜って加速して飛び出して来た。俺はそれを爪を振るおうとしたその時だった。奴の体がビタンと地面に叩きつけられた。そして俺達は困惑したが一番困惑したのはムカデ本人だろう。兄弟であり仲間でもあるもう一体のムカデが自分の尾を食らっていたのだから。          


「⁉︎⁉︎‼︎」


叫べないが身を捩りながらやめろと訴えようとしている。だがバリバリとムカデは甲殻ごと噛み砕き咀嚼している。そしてあっという間にムカデは食い尽くされた。俺達は唖然としてその光景を見ているしかなかった。


(経験値1520入手しました。levelが19に上がりました)


パキパキとムカデの背中が割れて何かが這い出して来た。出てきたのは巨大な黄土色のムカデだった。兄弟を食って進化しやがった。奴は抜け殻を食らいこっちを睨みつけてきた。次はお前だと。


「ガギィィィィ!」



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